
■シー・ビスケット
SEABISCUIT■2003年 アメリカ
■監督:ゲイリー・ロス
■出演:トビー・マグワイア/ジェフ・ブリッジス/クリス・クーパー/エリザベス・バンクス
ASIN:B00017YVB6 [
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舞台は1930年代、大恐慌時代のアメリカ。不幸な少年時代を過ごした騎手、最愛の息子を亡くした馬主、故郷を追われた調教師。傷ついた3人の男が出会い、一頭の馬にそれぞれの人生を託す。実話を元にした感動のストーリー。
★★★★☆■美しい映像と、感動的なストーリー。丁寧な作りで、安心して観られる良い映画だ。競馬を知らなくてももちろん楽しめる。
お金をかければいい映画が出来るというわけでは無いと思う。しかしその反面、お金をかけなければ出来ない映画もあるというのも事実だと思う。大作には大作ならではの良さがあるのだ。
冒頭から叙情的な美しい絵で、観る側がすんなりと話の中に感情を入れられるように作られている。こういう凝り方は、低予算では出来ないだろう、などと観ていながら余計なことを思った。でもね、大作だというだけで期待を裏切る映画も多い中で、こういうのはとても嬉しい。宣伝ばっかり派手で中身のない映画もある。逆に「シー・ビスケット」はこの映画を細部まできちんと作り、手抜きをしていないのだ。配役も演出も渋くて、ところどころ泣かせる脚本も上手い。大作はこうでなくちゃいかん。
レースシーンは、苦労したのだろう。どうかなと思う部分もあるけれど、美しい仕上がりになっている。シー・ビスケットと3人の男たちがあきらめなかったように、この映画のスタッフも、納得できるものをつくるためにあきらめなかったのだろう。その結果がきちんと出たのだと思う。
ところで、シービスケットの子孫について、映画「シービスケット」の
日本版オフィシャルサイトに書いてあった。つらつら見ていくと、おお、タニノの馬が多い。見覚えがあるような無いような名前もちらほら。タニノターゲットに聞き覚えが…、誰だっけなあ、と調べてみたけれど、活躍した年度から考えるに多分彼女の現役時代は知らないと思う。後から情報として名前を覚えたのだろう。そしてまたつらつらと情報を読んでいると、現在彼女がいる牧場には、タニノブーケの名前もある。タニノブーケ?おや、こっちの方が知っている気がする。更に調べてみる。すると…、ああ、タニノボレロのお母さん!なんだかとても懐かしい。もう10年以上前の話だ。どこがどう良かったのかわからないけれど、タニノボレロは好きな馬だった。見た目もパッとしないし、ジリ足でいつもあまりいいところがなかった。それでもなぜか好きで、GIIIとはいえ重賞馬なのに障害入りした時にはとてもショックを受けたことを覚えている。障害は怪我する馬もいて怖いので、ボレロが出走するときはパドックまでいき様子を見て、その後馬場には行くに行けずそのまま中継だけ聞いていた。怪我しませんように。無事に回ってきますように。それから確か、一度だけ勝ってまた平地のレースに戻ってきて、やっぱりいいところ無しのまま引退してしまった。それでも好きな馬だった。今思えば、気の荒いところが好きだったんだろうか。
もう、シービスケットの話でも何でもなくなっているような。いや、ボレロは好きだった馬の中でも格段に思い入れがあったわけでもないのだけれど、それでもやっぱりこうして思い出がある。牧場・馬主・調教師・厩務員・騎手、そして数多くのファンと、一頭の馬の周りに多くの人がおり、そこには必ず小さなドラマがある。目立たない馬にも私にとってはドラマがあるのだ。シービスケットのように多くの人に勇気を与えた馬ならば、大きな大きなドラマがあって当然だろう。
なんといったって人とサラブレッドの歴史は、300年続いているロマンなのだ。