
■ロスト・イン・トランスレーション
■2003年 アメリカ/日本
■監督:ソフィア・コッポラ
■出演:ビル・マーレイ/スカーレット・ヨハンソン/ジョヴァンニ・リビシ/アンナ・ファリス
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いい映画だった。純粋にいい映画だなーというのを観たのは久しぶり。正直にいうと、ソフィア・コッポラの以前の作品「バージン・スーサイズ」が好きじゃなかったので、この作品もあまり期待していなかった。もともとオシャレ映画ってあまり好きじゃないというのもある。「バージン……」は実話を元にしたというもので、本来ならショッキングなストーリーである筈なのに、雰囲気重視のオシャレな映画になってしまっていた。あら……中身は? 今回もそんな感じかなと。
ところが。今回はソフィア・コッポラ独特のスタイリッシュさがストーリーにピッタリ合っていて、とても良かった。ひとコマさえも狙ったように(狙っているんだろうけど)キレイな構図に乗せたざらざらした質感もライブ感があって、こういう絵造り好きだなぁと思った。
ストーリーは、東京の同じホテル(パークハイアット)に宿泊しているビル・マーレイとシャーロット(スカーレット・ヨハンソン)が知り合い、お互いの孤独や考え方など共通点を見いだして親しくなっていく、というもの。2人が抱えているのは退屈と孤独。それは多分、東京(2人にとっては異国)のホテルにいるその時だけではなく、今までもそしてこれからも2人が抱えていくものではないかと思う。1人でいると孤独。でも、誰かと一緒にいるともっと孤独。そんな2人が出会い、お互いの存在を心に刻んでいく。
ヤマも無ければオチもなく、雰囲気重視なのは前作と同じ。共感できるところがある、っていうのが今回は違う。だからこの映画が良いという人は沢山いると思うけれど、かといって万人向けではないかも、と思う。2人に共感できるかどうかで好き嫌いがハッキリわかれると思う。私は2人の年の差が良かった。50台のボブと20台前半のシャーロット。お互いが特別な存在でありながら、恋愛感情ではないところがいい。互いに結婚していることが2人にとって枷になったのではないと思う。恋愛でもなく友情でもなく、ただ2人は同じ種類の人間で、そしてただそれだけで特別なのだということ。見終った後にじわじわと感動してしまった。
好き嫌いがわかれると言えば、あくまでもアメリカ人から見た日本を描いているところ。確かに、日本人からすると「えー」と思うところもある。これをどう受け止めるかで、面白くも面白くなくも受け取れると思う。若干コミカルな味付けをするために多少誇張されているところはあるにしても、だいたいリアルな姿なんじゃないかと私は思う。まあ、映画だし。基本的に日本はおかしい、と言いたい映画ではないので、多少のことは目をつぶって見た方がいい。描かれているのは2人の心の憂いであって、それはなぜか「東京」にしっくりくる。だからこれは、東京が舞台じゃなきゃダメなんだろうな、と思う。
みどころ:音楽すごくよかった。メリーチェーン!!!!