【dvd】ビッグ・フィッシュ
カバー写真■ビッグ・フィッシュ Big Fish
■2003年 アメリカ
■監督:ティム・バートン
■原作:ダニエル・ウォレス
■出演:ユアン・マクレガー/アルバート・フィニー/ビリー・クラダップ/ジェシカ・ラング/ヘレナ・ボナム=カーター/スティーヴ・ブシェミ
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ウィルの父・エドワードは、話上手で人気者だ。誰もがエドの話を愛している。巨大な魚の話、魔女の話、巨人と一緒に旅に出る話、エドの話はどれも壮大なホラ話だ。子どもの頃は大好きだったエドの話を、大人になって嫌うようになってしまったウィル。エドが病に倒れたと知らせを受け、ウィルは身重の妻とともに故郷に帰るが、死期が迫った今でもエドの口から出るのはホラ話ばかり。父の話に真実はあるのだろうか…。
★★★★★

父の死期に、最後に心を通わせる息子。父の子の絆を描く感動のストーリー。これだけだと普通にいい映画だ。もちろん、そういうテーマにケチをつける気なんて毛頭ない。でも、「ビッグ・フィッシュ」は普通の映画のようで、やっぱり普通じゃない。それでこそティム・バートンだ。独特の世界観を楽しみ、さらに最後はじわーっと感動し、何度でも繰り返して観たくなる。

ティム・バートンは、名前と作品が私の頭の中で一致する、数少ない映画監督の一人だ。おまけに顔まで一致するとなれば、ティム・バートンしかいない。つまり、ただ一人の大好きな監督だ。もちろん他にも好きだなあと思う監督もいるし、大好きだ!と思う作品も沢山あるけれど、「大好きな監督」と言ったら、ティム・バートンだけだ。あの独特のセンス、素晴らしい。配役も見事だ。

映画は、息子ウィルの結婚式のシーンから始まる。本来の主役は新郎新婦の筈なのだが、父エドのとどまるところを知らないホラ話で会場は多いに盛り上がる。最初のホラ話からして実にいい。オチはそれか、と思わず感心してしまう。その後も、病に倒れたエドの元に訪れたウィルとその妻にエドは様々なホラ話を語る。どのエピソードもおとぎ話のようで面白い。ホラ話に登場するのは、魔女、巨人、エキゾチックなシャム双生児の姉妹、謎のサーカス、そして詩人。ああ、カーニバルの世界だ。こうでなくちゃ。スタージョンとかブラッドベリとか、そんな感じの。このエピソードを語る映像が、実に美しく、本当にティム・バートン万歳!だ。明るい映像はらしくないかと最初は思ったが、観ているうちに絵本のような極彩色の世界に納得がいった。やっぱりティム・バートン。

もちろん、部分・部分のホラ話だけが良いのではなく、メインのストーリーが実にいい。現実と空想の世界がうまく絡んでいて、脚本に無理がない。父のホラ話を嫌悪するウィルの感情は、父への愛情の裏返しになっている。自分に近い存在である父親の本当の姿を知らない。そして、そんなウィルはもうすぐ子どもが産まれ、自分自身が父親になるのだ。これはそれまでにも増して複雑な心境だろう。ぎくしゃくしてしまったウィルと父の様子を暖かく見守る母と妻。女性2人の愛情の細やかさ——特に、エドとサンドラの愛情の深さは涙モノ——は、流れていくストーリーをしっかりと固めている。

これを観て良かった、と心の底から思える。

書きたいことは山のようにあるけれど、ネタバレになるからもうやめよう。あまりにも好きすぎて意味不明なことも勢いで沢山書いてしまいそう。

Posted: 火 - 11月 16, 2004 at 11:30 PM

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