
■東京バンドワゴン
2006年■小路幸也〔著〕
■集英社
ISBN: 4087753611 →
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明治から続く下町の古本屋「東京バンドワゴン」。4世代同居の大家族が繰り広げる涙と笑いの物語。
良かったですよ!素直に面白かったです。一度読み終わって、すぐにもう一度読みました。大人の方々にオススメです。
ちょうど実家に帰ろうと準備していたところに届いたので、そのまま持っていっていきました。私の父と娘がきゃーきゃーと騒ぐ中で「うるさいなー」と思いながら読んでいましたが、でもそんな環境もこの本にはピッタリだったのかもしれません。
いろんな考え方の人がいて、いろんな生き方があって、いろんな愛情の形があるかもしれないけれど、家族はどこまでいっても家族だよ、と暖かい気持になる本でした。亡くなったお祖母さんが語り手というのも味があって良かったし、登場人物たちのセリフもセンスがあって素敵でした。特に我南人のキャラクターは良かったですね。「LOVEだねぇ」って、最高でした。
全般通して良かったなと思うのは、「否定しない」物語であるところでした。例えば、未婚の母である藍子のエピソードにしても、青の出生の話にしても、表面だけ見れば悪い意味で「ええっ」という話です。責められる人がいても仕方ないだろうと思うのですが、堀田家の人たちは、ただ「家族だから」と受け入れています。まあ、当初は大騒ぎにはなっているんでしょうけれど、最終的には受け入れて、一度、事を受け入れたからにはもう何も言わないという潔さに深い愛情が感じられて、何とも良かったです。2回目を読んでみると、それが堀田家だけの話ではなくて、全体を通して、家族の絆、人との繋がりが同じ暖かさで描かれていて……、なんていうのかな。読んでいて嬉しくなるような本でした。
この頃よく考えるのですが、他人の生き方や選択を否定しないというのは、とても難しいことだなと思います。答えを一つにする必要のないことでも、ついついあれがいいだの、これが悪いだのと決めつけてしまうことの多い世の中です。あからさまに否定していなくても、また否定するつもりがなくても、そう受け取られてしまうこともあります。例えば、「私は○○という考え方です」と、自分の意見を述べるだけで、○○以外の考えについては否定的なのだな〜と思われたりとかね。ホントね、難しいんですよ。そんなしょうもないことを考えてた時に、こういうハッピーな物語を読むっていうのもタイミングが良かったと思います。
……で、最後の〆にも何もなりませんが、とりあえず、朝ごはんはきちんと食べようと思いました。小路さんの作品と言えばジャンル問わず「ごはん」ですよねー。「ホームタウン」に出て来た朝ごはんもおいしそうだったし、「HEART
BEAT」でアメリカの家政婦さんも何かおいしそうなの作ってましたよね。きっと、朝ごはんって男の原点なんでしょうね(笑)いやいや、そういうの好きですよ。お腹が温まると元気出ますもん。
何はさておき、皆様、まずはご一読くださいませ。
●小路幸也