2006年02月14日 (火)

Web サイトの作り手(非個人)のレベルはかなり低いと思う

ここ数年思うのだ。インターネット上にしろイントラネット上にしろ Web サイトの作成を受ける業者の技術者は Web 標準の知識、Web アクセシビリティを向上させる具体的な方法はおろか HTML や XHTML、そして CSS に関する知識が実は低いと。少なくとも僕が見てきた範囲ではそうだった。

五年くらい前なら僕もそうだった。HTML を手書きで書いて見た目は希望のレイアウトのページを書くことができる、CSS の基礎的な書き方は一応知っているという程度で、全然別な分野の技術者なのだ。Web サイトをフロントエンドとするシステムは、動的にしろ静的にしろ Web ページはシステムの一部にしか過ぎない。バックエンドにデータベースがあったりする。他のシステムとの入出力もある。Web サイトの裏には様々な要素があるのだ。だからデータベースに詳しい人、ネットワークに詳しい人、OS やアプリケーションのコーディネイトに詳しい人、どれもそこそこできる人などが集まったりする。

しかしだ。Web ページの技術に詳しい人は一人もいないのだ。一般公開サイトの場合には Web デザイナーが付く場合もある。しかし、僕が経験した範囲では Web デザイナーはデザインだけを行い全く顔を見せない。CGI や JavaScript との統合を考慮するための擦り合わせは愚か、ただ見た目だけが実現され、可変部分はサンプルでまかなわれたページ群を僕のような技術者が更新の度に書き換えたりすることになる。それはデザイナーが付くのだからまだましだ。最近はデザイナーさんの応援も頼めない。必然的に CGI や Servlet を担当する人、すわなち僕が HTML や CSS を一から作成することになる。

それでも、HTML や CSS に関して僕はアマチュアのつもりでいる。事実ユーザビリティを考慮した提案などするバックグラウンドは持ち合わせていない。Internet Explorer の W3C の仕様から外れた動作も知り尽くしているわけでもない。仕様ならば W3C のドキュメントをよく読めば知ることができる。しかし、どんなブラウザにどんなバグがあってというのは経験がものを言う。仕事の対象としてそれらの経験に乏しいのだ。それに、HTML や CSS について見識を少しは深くしたのは個人のサイトを運営する中でのことだ。動機も実践の場も、そしてその結果も全く個人のプライベートなことなのだ。

そして幾つかのプロジェクトの中で出会う人達は個人の趣味のレベルである僕よりももっと HTML や CSS に知識が乏しい人しかいない。frameset 要素を使うページの DOCTYPE を平気で HTML 4.01 Transitional にしたり、HTML と XHTML との区別がつかなかったり、CSS のコメントを # でやったりと、基本記法からして間違っていたりする。その人達が書いたものを一目見て HTML にするか XHTML にするかとか、論理的マークアップがどうとかそういう話はできない相手だというのがわかる。

せっかくお客さんのページデザインのガイドラインにフレームは望ましくないと書いてあっても、フレームでしかそのデザインを実現する能力を持っていないからフレームじゃないと嫌だとだだをこねる。だから CSS レイアウトのサンプルページを作って、これを真似して使えと言わなければならない。弱視者のための配慮という主旨が理解できずにお客さんに変更する約束をしてきてしまい、後で僕から主旨の説明を受けて「しまった」と感じながらも「うーん、弱者切り捨て!」なんて叫んでしまう。お客さんもお客さんで(これは別なプロジェクトの話でまだ関わっていないのだが)ユーザビリティの向上と銘を打ってアクセシビリティの低下を企画する。

Web サイト作成のためのメンバに趣味レベルの人以上の Web 技術者がいないというのは一体どういうわけなんだろう。いや、Web 技術者がいないというのはどういうわけなんだろう。サイトを企画する段階で、Web に見識がある人がいないのはどういうわけなんだろう。国内でもかなりの規模の会社だったり、世界的な大企業だったりするのに。

それは、要するにプロジェクトのメンバーをアサインする段階で権限を持っている人、つまり管理者レベルで全く Web サイトのための必要なスキルというものを理解していないからなんじゃないか。何億ものお金をかけて自分たちが一体なにをしようとしているのか理解していないからなんじゃないか。

僕には大金と莫大な労力をかけてゴッコ遊びをしているように見えるのだ。やりがいも何もあったものじゃない。

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