シリーズ「iBlog vs. Thingamablog」の最終回。いよいよ両者を比べてみる。
コンセプト対決
これはほとんど価値観の比較のようなもので優劣を付けることは難しい。難しいが敢えて私の見解を述べてみる。ほとんどどっちが好きかということに等しいと思う。
- システム形態
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どちらもサービスやサーバに導入するパッケージではなくパソコン上で動作するアプリケーションなのだが、iBlog は Mac OS X 専用で Thingamablog はクロスプラットフォームだ。ここは動作可能範囲が広いということで Thingamablog の圧勝。
- 公開プロセス
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iBlog は一旦プレビューが生成されるのにたいし、Thingamablog は一気にアップロードする。ディスクが無駄に使われるという意見もあるだろうが、公開前に実際と同じ表示を確認できるという点で iBlog の勝ち。
- 必要環境
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どちらもサーバに要求事項はないが、iBlog は閲覧者のブラウザが JavaScript をサポートしていることを前提としている。これは効率の良いアップロードをもたらすのだが JavaScript が有効でないと iBlog によるブログのユーザビリティがかなり落ちてしまう。テンプレートやナビゲーション項目のハンドメイドで補うことができるがせっかくのお手軽さが半減する。(JavaScript が必要でない iBlog のブログの例: 「CacheUpIt」)
どちらにも一長一短があるが、結果としてできるブログの平均的な相互運用性は Thingamablog の方が高いので Thingamablog の勝ち。
- 他のアプリケーションとの連携
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iBlog は iPhoto や iTunes のデータと連携できるが、Thingamablog にそのような機能はない。だから iBlog の圧勝。
- その他
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iBlog は基本的なカスタマイズ操作が GUI でできるように設計されている。一方で Thingamablog は <$NAME$> という形のテンプレートタグに <$NAME ATTR="VALUE"$> という形式で属性を付与してきめ細かな制御が可能だ。お互いが導入しあってほしいがなくても(単独で)なんとかなるという観点からは Thingamablog が辛勝。
というわけでコンセプト対決は Thingamablog が辛勝。GUI 操作によるお手軽さを重視する人には iBlog が辛勝というところだろう。
公開可能先対決
Mac OS X 上でという条件付きで考える。
Thingamablog が SSH をサポートしていないサーバに対する SFTP を自前でサポートしているのに対し、iBlog は Active Mounter という有料ツールを必要とする。そのようなサーバはほとんどないが、無料でできる範囲では Thingamablog が勝っている。
一方で WebDAV サーバへの公開は Mac OS X の機能を使わないと Thingamablog はできない。Mac OS X ネイティブの WebDAV ボリュームの読み書きは効率が悪く、このため iDisk への公開が若干遅い。そして iBlog は WebDAV ボリュームである iDisk へ直接アップロードできる。
公平に見ると難しい評価だ。SFTP への需要と WebDAV への需要を考えたとき、インターネットへの公開では WebDAV の方が多そうな気がするが、LAN への公開は SFTP の方が多そうな気がする。ここは一応 .Mac がテーマなので iBlog の辛勝。
ブログの構成対決
iBlog が公開ロケーションとブログを切り離し、一つのブログを複数の公開ロケーションに公開可能なのに対し、Thingamablog は一つのエントリに複数のカテゴリを割り当てることができる。
これも難しい評価だが、一つのブログを複数の公開ロケーションに公開することと一つのエントリに複数のカテゴリを付けることの需要はなんとなく後者の方が強そうに感じる。実際 iBlog のこの機能をテスト以外で利用したことはないが、二年以上 iBlog を使っていて複数のカテゴリを付けたいと思ったことは何度もある。だから Thingamablog の辛勝。
カスタマイズ範囲対決
これも評価が難しい。iBlog はプレビューという形の中間結果が外出しなのでカスタマイズ範囲が広がるのに対し、Thingamablog は元々の柔軟性とオープンソースという戦略によってカスタマイズ範囲が同じように広がる。
このため iBlog ではファイル操作をする補助ツール(スクリプト言語で十分)によってのみできることが、Thingamablog では単独でできる一方、それ以上のものは Java という正真正銘のプログラム言語を駆使しないとできない。
敷居の低さで考えると、テンプレートでかなりのことができる Thingamablog が勝ちそうだが、更に高度なことになると iBlog が台頭してくる。そして始めからスクリプト言語などで作成される補助ツールを使う iBlog の方がより初期の段階からテンプレートでは実現できないカスタマイズを促す。
おっと、大事なことを忘れるところだった。自分が iBlog で補助ツールを使っているからそれを基準に考えてしまった。単独アプリとしてのカスタマイズ範囲は Thingamablog の圧勝だ。そしてプログラミングを必要とするカスタマイズは、補助ツール対カスタマイズされた本体という対決になる。私自身には同点だが、それはたまたま自分でプログラミングをするからだ。一般的に見て一つのものを扱う方が楽だ。だから総合評価でも Thingamablog の勝ち。
欠点対決
もちろん欠点が少なく致命的度合いが小さい方が勝ちだ。ところが iBlog には何かと細かい欠点があるが、Thingamablog には Mac OS X 10.4 において(他は知らない)エントリエディタで仮名漢字変換がタイピングに追いつかないというかなり厳しい欠点がある。これさえなければ Thingamablog の圧勝なのだが、この一つの欠点はあまりにも大きい。
ユーザとして回避が容易であれば欠点も補える。そういう意味で使い続けるにはライセンスが必要で、iBlog がサポートされなくなった後、何かの原因でライセンス情報が消えてしまったら iBlog を使い続けることはできなくなってしまう。だから Thingamablog の辛勝。
大事なことを書き忘れるところだった。オリジナルの Thingamablog 1.0.2 にはもっと重大な欠点がある。この比較はあくまでも私がこの欠点をいくらか修正したスペシャルエディション Thingamablog 1.0.2-OKAMURA-20051102 の話だ。
副次的特徴対決
副次的特徴として Thingamablog で列挙したことは全て iBlog にも当てはまる。そして日本におけるユーザのアクティブさ加減から言って iBlog の圧勝。
結論
Mac OS X で使用する限り両者の対決はほぼ互角と言っていいだろう。私自身がどちらを使うかは目的によって決めるだろう。例えば iPhoto に載せた写真を使う頻度が比較的多そうだと思えば iBlog の方が便利だし、Web アクセシビリティを維持した上で「うまく」ブログサイトを構築しようと思えば Thingamablog だ。
しかし両者を比較した場合、iBlog の良さは主にユーザに向けての良さで Thingamablog の良さは公開されたサイトの閲覧者に向けた良さだ。クロスプラットフォームという良さはあるものの実際に Thingamablog を複数の異なる OS で使用する人は少ないだろう。私としては公開されたサイトを運営する際に自分が便利というのも大切だが閲覧者を第一に考えたいと思っている。だから Thingamablog を選択する機会が増えそうだと思うが、それは私の価値観だ。
どちらを選択するか、それはこの一連のエントリと実際に運営されているブログを見て自分が何を重要視するかで決めてほしい。チャンチャン