2005年11月04日 (金)

iBlog vs. Thingamablog : Thingamablog 概観

iBlog と比較するにあたって Thingamablog の特徴を整理してみる。

Thingamablog の基本コンセプト

三週間ほど使ってみた限りでは Thingamablog の基本コンセプトは次のようなものだと感じている。

  • サービスやサーバに導入するパッケージではなく Java によるクロスプラットフォームなブログアプリケーション。
  • オープンソース。
  • ユーザの環境、サーバの環境、閲覧者の環境への最低限にしぼった要求
  • ローカルのデータから公開先にブログを生成する。
  • テンプレートの柔軟性。

最低限にしぼった要求とはこういうことだ。ユーザはウィンドウシステムを備えた Java の実行環境があればよく、サーバは HTTP でサービスしていればよく、閲覧者は HTTP で受信できればそれでよいということだ。ユーザの OS は何でもよいし、サーバが CGI や SSI をサポートしてなくてもよいし、閲覧者の環境は JavaScript をサポートしていなくてもよい。

公開先

Thingamablog によるブログが公開できるのは次の三種類だ。

  • FTP でコンテンツをアップロードするサーバ
  • SFTP でコンテンツをアップロードするサーバ
  • ファイルシステム(自前のサーバ)

最後のファイルシステムというのは、自分の手元のコンピュータのローカルディスクだけを指してはいない。Mac OS X で使用する場合は、Windows の共有によるボリュームや WebDAV サーバによるボリューム、AFP によるボリューム、NFS によるボリュームなど Mac OS X で接続(以後、マウント)できるところならどこでもということだ。

rsync という Mac OS X に付属しているコマンドは rsync プロトコルというものを使ってディレクトリの同期を可能にする。また SSH によるログインができるところ(大抵は SFTP も同時にサポートされる)にも同期できる。Thingamablog + rsync という組み合わせでほとんど全てのサーバにブログがアップロードできる。マウントと rsync が元々使えるというのは UNIX ベースの Mac OS X の底力だ。

もちろん通常は FTP をサポートするサーバがほとんどなので Thingamablog 単独で不自由はない。アップロードのプロトコルとして使えるものをまとめると次のようになる。

Thingamablog 単独で可能なプロトコル
  • FTP
  • SFTP
  • FILE
Thingamablog + Mac OS X でできるプロトコル

既に列挙されたものを除くと次のようになる。

  • HTTP (WebDAV、含む iDisk)
  • SMB
  • AFP
  • NFS
iBlog + rsync でできるプロトコル

既に列挙されたものを除くと次のようになる。

  • RSYNC
  • SSH (大抵は SFTP と読み替えてもよい)

Mac OS X 10.4 における rsync の使い方はエントリ「rsync で二台の PowerBook を同期する」を見てほしい。

ブログの構成

Thingamablog では複数のブログを作ることができる。それぞれのブログにはカテゴリと呼ばれるものが複数あり、一つ一つの記事であるエントリに複数のカテゴリを割り当てることができる。どのカテゴリにも属さないエントリを作ることもできる。

ブログには一つだけ公開先を設定することができる。

ダイアグラムにすると次のようになる。

上述の Thingamablog のデータ構成

GUI 操作によるカスタマイズ範囲

GUI 操作でカスタマイズ可能な主な事項は次のとおり。

  • スタイルの選択(ブログ作成時のみ)
    17 個のプリセットがある。
  • ブログのプライマリ言語(日本語とかドイツ語とか)
  • デフォルトの日時の書式
  • 各タイプのページ(フロントページ、エントリページなど)のファイル名や拡張子
  • アーカイブ単位の選択
    過去のエントリをまとめたアーカイブページの一つ一つが月単位、週単位、ユーザが決めた期間単位から選択できる。
  • カスタムタグ
    テンプレートで使用するテンプレートタグに独自のものを追加することができる。
  • 更新 Ping 先
    更新 Ping を送信する先を自由に設定することができる。

カスタマイズ可能な範囲

Thingamablog 単独の使用の範囲ではそのブログのテンプレートセットやスタイルシートを他のブログに影響させずに変更/編集することができる。Thingamablog のカスタマイズとは通常は自分で作成したり人が公開しているテンプレートセットやスタイルシートを導入したり、それを独自に編集することを指す。どちらも普通のテキストファイルなのでテキストエディタでカスタマイズできる。

Thingamablog はオープンソースであるということに着目すべきだ。つまり、何か気に入らないことや付加したい機能があればソースを編集したり追加したりすることで改善することができるのだ。そして可能性として多くのユーザから具体的な改善や改良がフィードバックされてより洗練されたものになることができる。実際私はブログ「Thingamablog メモ」でその結果を公開している。現在の成果は Thingamablog 1.0.2-OKAMURA-20051102 というものだ。

Thingamablog の欠点

Thingamablog には次のような欠点や懸念がある。

  • 静的なページを生成するので、動的なものを含むブログが構成しにくい。
  • したがってコメントやトラックバックは、外部サービスや CGI をサポートするサーバに頼らなければならない。
  • データを持ち歩かないとエントリを書いたり編集したりできない。
  • Mac OS X 10.4 の日本語環境では付属のエントリエディタで仮名漢字変換がタイピングスピードに追いつかない。

他にも欠点はあったのだが Thingamablog 1.0.2-OKAMURA-20051102 で公開結果として現れる欠点は全て解消した。詳しくはエントリ「Thingamablog 1.0.2 への要望」を参照されたい。

副次的な特徴

その他、Thingamablog の基本コンセプトやスペックから派生する副次的な特徴としては次のようなものがある。

  • エントリの HTML コードを完全にコントロールできる。

    玄人には喜ばれる機能だ。

  • データが全て手元の Mac にあるのでバックアップが自分で管理できる。

    バックアップなんて人任せが楽だと思うだろうが、サービス型だとサービスが停止になったときに不安。また、何世代か前のバックアップなんてとっていてくれることはまずないだろう。


Posted: 13:10    | Comment | Trackback


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