2005年11月04日 (金)

iBlog vs. Thingamablog : iBlog 概観

Thingamablog と比較するにあたって iBlog の特徴を整理してみる。

iBlog の基本コンセプト

よく言われる iBlog の基本コンセプトは

  • サービスやサーバに導入するパッケージではなく Mac OS X のアプリケーションである。
  • ファイルシステム上にプレビューブログを生成し、それを転送することで公開する。
  • iLife データの活用。
  • .Mac への公開をサポート。

である。私はこれに次の項目を追加しようと思う。

  • 通常の範囲内のカスタマイズは全て GUI で手軽にできる。

恐らく開発元はこれをかなり意識している。iLife の i アプリは特に凝ったことをしないのであれば準備されているものを活用することでそこそこいい感じの結果が出せるようになっている。iBlog もサードパーティ製の i アプリを目指して開発されたのだと思う。一言で言うのなら iBlog の基本コンセプトを iLife を模範としたサードパーティ製の i アプリを目指したブログアプリケーション とするのが正解だろう。

公開先

iBlog によるブログが公開できるのは次の四種類だ。

  • .Mac の homepage
  • WebDAV でコンテンツをアップロードするサーバ
  • FTP でコンテンツをアップロードするサーバ
  • ファイルシステム(自前のサーバ)

最後のファイルシステムというのは、自分の Mac のローカルディスクだけを指してはいない。Windows の共有によるボリュームや WebDAV サーバによるボリューム、AFP によるボリューム、NFS によるボリュームなど Mac OS X で接続(以後、マウント)できるところならどこでもということだ。

Active Mounter を使えば SFTP によるボリュームが読み書きできる。rsync という Mac OS X に付属しているコマンドは rsync プロトコルというものを使ってディレクトリの同期を可能にする。また SSH によるログインができるところ(大抵は SFTP も同時にサポートされる)にも同期できる。iBlog + Active Mounter という組み合わせ、あるいは iBlog + rsync という組み合わせでほとんど全てのサーバにブログがアップロードできる。マウントと rsync が元々使えるというのは UNIX ベースの Mac OS X の底力だ。

もちろん通常は FTP をサポートするサーバがほとんどなので iBlog 単独で不自由はない。アップロードのプロトコルとして使えるものをまとめると次のようになる。

iBlog 単独で可能なプロトコル
  • HTTP (WebDAV、含む iDisk)
  • FTP
  • FILE
iBlog + Mac OS X でできるプロトコル

既に列挙されたものを除くと次のようになる。

  • SMB
  • AFP
  • NFS
iBlog + rsync でできるプロトコル

既に列挙されたものを除くと次のようになる。

  • RSYNC
  • SSH (大抵は SFTP と読み替えてもよい)

Mac OS X 10.4 における rsync の使い方はエントリ「rsync で二台の PowerBook を同期する」を見てほしい。

iBlog + Active Mounter でできるプロトコル

既に列挙されたものを除くと次のようになる。

  • SFTP

ブログの構成

iBlog では複数のブログを作ることができる。それぞれのブログにはカテゴリと呼ばれるものがあり、その中に一つ一つの記事であるエントリが入る。どのカテゴリにも属さないエントリを作ることもできる。

ブログとは別に公開ロケーションというものも複数作ることができる。公開ロケーションとは次のものの組み合わせだ。

  • 転送タイプ(FTP, iDisk, WebDAV, ローカル)
  • 公開場所の URI
  • 必要ならばユーザ名とパスワード

もちろん転送タイプによって属性として必要なものは増減する。

この公開ロケーションとブログの組み合わせで公開ブログが決まってくる。つまり iBlog におけるブログというのはサイトのデータ(エントリやカテゴリ、使用するテンプレートなど)のことであり、公開されたブログを指してはいない。このため一つのブログを複数の公開ロケーションと組み合わせてミラーサイトを作ることも可能だ。ダイアグラムにすると次のようになる。

上述の iBlog のデータ構成

GUI 操作によるカスタマイズ範囲

GUI 操作でカスタマイズ可能な主な事項は次のとおり。

  • サイド項目の追加/変更/削除
  • スタイルの選択
    プリセットとして
    • banana
    • blackberry
    • blueberry
    • honeydew
    • mint
    • plain
    がある。
  • テンプレートセットの選択
    プリセットとして左にサイド項目があるテンプレートと右にサイド項目があるテンプレートがある。
  • スタイルシートの大雑把な編集
    主な部品の前面色や背景色、枠を付けるかどうかなどが GUI で編集できる。

凝ったことをしないのであればこれでだいたい用は足りるだろう。

カスタマイズ可能な範囲

iBlog 単独の使用の範囲では新しいテンプレートセットやスタイルシートを作成して登録することができる。iBlog のカスタマイズとは通常は自分で作成したり人が公開しているテンプレートセットやスタイルシートを導入したり、それを独自に編集することを指す。どちらも普通のテキストファイルなのでテキストエディタでカスタマイズできる。ただし RSS Feed のテンプレートは全てのブログに共通なので注意を要する。

iBlog は一旦「プレビュー」としてローカルに全ページを書き出し、更新分のみをアップロードする。このため、ローカルのファイルを操作すればあらゆるカスタマイズができるようになる。この目的で私は iblogPatcher というツールを提供している。

iBlog の欠点

iBlog には次のような欠点や懸念がある。

  • 静的なページを生成するので、動的なものを含むブログが構成しにくい。
  • したがってコメントやトラックバックは、外部サービスや CGI をサポートするサーバに頼らなければならない。
  • iBlog 単独で日本語に完全にローカライズされたブログを作成することはできない。(日付の表記が変)
  • データを持ち歩かないとエントリを書いたり編集したりできない。
  • Mac OS X 10.2 以上がないと利用できない。
  • 継続して使用する場合は高くはないが購入しなければならない。
  • テンプレートタグに属性を付けられないので使用できる場所や置き換えられる文字列を iBlog 単独では制御できない。
  • 開発元が(恐らく)個人なので息の長い存続やバージョンアップがあるかどうかわからない。

副次的な特徴

その他、iBlog の基本コンセプトやスペックから派生する副次的な特徴としては次のようなものがある。

  • エントリの HTML コードを完全にコントロールできる。

    玄人には喜ばれる機能だ。

  • データが全て手元の Mac にあるのでバックアップが自分で管理できる。

    バックアップなんて人任せが楽だと思うだろうが、サービス型だとサービスが停止になったときに不安。また、何世代か前のバックアップなんてとっていてくれることはまずないだろう。

  • 一旦プレビューブログが作成されるので、心行くまでここで弄ってから公開できる。

    これはかなり嬉しい。誤字脱字を確認したり、結果を見ながらカスタマイズを施すことができる。

  • 1.4.0 以前まで駄目アプリだったのでユーザが濃い。(笑)

    やはりここは t0mo レンジャーを挙げておかねばならないと思う。

  • 日本ユーザによるコミュニティがある。

    iBlog ライフをサポートする小道具類へのリンク集や、疑問の解決や障害の解消を親身に助けてくれる人達がいます。日本語リソースも配布されています。


Posted: 13:08    | Comment | Trackback


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