« 台風 9 号からの逃走 | Main | ソフトウェア開発のコストを人月単位で考えることのアホらしさ »
止まった新幹線の中の様子についてあまり書かなかったので書いてみます。お姉さんが演説していました。
新幹線が停止してから運転再開の見込みがたっていないというアナウンスがあった直後のことです。座席からたってどこか他の車両に歩いていく人が多数出ました。恐らく携帯電話で移動先の仕事関係者や家族などに連絡するために携帯電話をかけにデッキに移動しに行ったのだと思っていました。しかし、今考えると自動販売機に飲み物を買いにいった人もいたのかもしれません。席を立つ人はその後も後を絶ちませんでした。
新幹線が停止した小田原駅ではホームに新幹線が隣接していませんでした。ですからそこで旅行を中止した人を下ろすために梯子がかけられました。この梯子は地面に降りるための梯子ではありません。止まっている新幹線とホームの間につけた別な新幹線のドアを渡すためのものでした。つまり別な新幹線を中継してホームへと繋げたのでした。
その梯子は旅行中止をする人の在来線への移動のために設けられました。ですからアナウンスでは買い物などのために外に出ることはできないと説明がありました。このため僕も隣の人も席を立たなかったのですが、実際には相当な人がホームの自動販売機などに買い出しに出ていました。恐らく駄目元で交渉に行った人が通してもらえたのでしょう。そしてそれに気付いた人が芋ずる式に買い出しに出たのだろうと想像しています。食料や水分は健康に直結しますから、相当時間停止する場合 JR がその買い出しを禁止するのは無理でしょう。それならば最初から買い出し禁止とアナウンスはしないでほしかったです。素直な僕はそれで 8 時間も水分がとれなかったのですから。でも、殺到して混乱するのを防止したかったんでしょうね。
かないませんでしたが梯子を伝って買い出しに出ようとしたときです。その途中で販売のお姉さんがデッキて携帯電話で仕事関連の人と話しをしていました。「なぜかここにきているんです」と。何のことかはわかりませんが、本来の販売のためにそこにいたのではないことは明白です。なぜならお姉さんは手ぶらだったからです。そして買い出しを断られて席に戻る途中お姉さんが人々に囲まれていました。誰もがお姉さんの言葉に耳を傾け真剣に聞き入っています。質問も出ます。お姉さんもそれに真剣に答えています。お姉さんがいたデッキ付近は 10 名以上(恐らく 20 名前後)の人だかりができていました。お姉さんは新幹線の運行や今後の状況の可能性について説明していました。
お姉さんは販売係ですから JR の社員ではなく NRE などの社員でしょう。ですから運行に関する説明は「申し訳ありません、車掌にお問い合わせください」と言って逃れることもできるでしょう。駅などで働いている人は乗客に聞かれれば皆さん丁寧に説明しているから、できる範囲で答えるようには言われているのでしょうが、こういうイレギュラーな事態にまで対処できなくてもよいと思います。それに台風が相手ですから正確なところは JR 職員にだってわかりませんし、刻々と変わるであろう状況と見込みについて職員でない人の説明は予想でしかありません。通りがかった僕に聞こえてきたお姉さんのことばも確定した状況や予定の説明ではなく、今の状況から考えられる今後の展開の予想のようでした。そういう言い方をしていました。
こういう流動性があるとき間違ったことは言わないよう気を付けるあまり情報をほとんど提供しないケースがよくあるように思います。kohatachan さんのブログに次のようにあります。
間一髪 から2007年9月8日に引用乗車前にJR乗務員に台風と運行状況を訊ねるが、確かな情報がないのか意図的に伝えないようにしているのか分からないが曖昧な答えだった。
しかしこういうときに乗客が知りたいのは、まずは今どういう状況になっているかという確定した事実ですが、それだけでなく可能性が大きい今後の展開の予想もです。この販売員のお姉さんはちゃんとそれを心得て精一杯それに応えていたのでしょう。情報に飢えていた乗客がそれに群がるのは当然のことです。20 名も相手にしたお姉さんの演説会になっていました。お姉さん輝いていましたよ。おつかれさま。