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先月の上旬に僕の自宅も ISDN 回線から光回線に切り替わりました。大分前からもうナローバンドは少数派という感覚があったのですが、アクセス解析を見るとやはり無視はできないようです。
この日記系のブログと技術系のブログの両方に Google Analytics を付けて一ヶ月以上経ちました。Google Analytics は Cable/DSL, Dialup, Corporate, Unknown の四種類(もしかするともっとあるかも)で訪問者の回線の接続速度を報告してくれます。
全期間を通してみると Dialup の割合は 10% 以上 15% 以内で、最近一週間では 20% を越しています。20% を越すとどう考えても無視できない比率になってきますし、10% 以上だったら無視すべきではない比率だと思います。
もちろん両方のサイトは一般のサイトと比較して Mac ユーザの訪問比率がかなり高いので偏ってはいますが、Mac ユーザであることとナローバンドユーザであることに相関があるとはちょっと想像できません。地域に相関はあるとは思いますが、地域で言えばどちらも都内からのアクセスが圧倒的で、都内であればナローバンドである比率は他よりも低いと予想されます。
「ブロードバンド利用状況に関する調査結果(第4回) [自主・共同調査結果] - gooリサーチ」によると一年くらい前の状況では自宅でのブロードバンドユーザは 92.7% だそうです。つまり一般には 7% くらいの人が自宅ではまだナローバンドだということです。これはもちろん減少する方向にありますが、僕のサイトではこの値を恐らく有為に上回っています。これがちょっと謎です。
思い付くのは画像や音声、特に動画はなるべく使わないようにしたテキスト主体のコンテンツにしているというくらいです。もし仮にこれが主要因だとすれば、ナローバンドにとって辛いメディアコンテンツが増加の一途を辿っている中で、相対的にナローバンドでも苦痛が小さいサイトになっているということでしょう。実際にそれぞれのブログのトップページの総バイト数(html ファイルだけでなく css や javascript など全ての合計)を計算してみると次のようになります。
| サイト | ブログツール | 総バイト数 | 予想ダウンロード時間 |
|---|---|---|---|
| 僕は見ていた | Thingamablog | 77.3Kbyte | 10.7秒 |
| .Mac Tips | iBlog | 288.7Kbyte | 40.1秒 |
| 旧 僕は見ていた | iBlog | 430.5Kbyte | 59.8秒 |
ここに列挙した予想ダウンロード時間は 64Kbps、つまり 1 チャンネルのみの ISDN 接続を想定した時間で、ダウンロードだけに要する時間です。ブラウザによるレンダリングや JavaScript の実行は含まれていません。つまり表示しきるにはもう少し時間がかかります。リピーターの場合はブラウザやプロキシサーバのキャッシュによってダウンロード時間は節約されますが、初回訪問や久しぶりの訪問ではそれぞれ十数秒、四十数秒、一分以上かかるものと思われます。僕の iBlog サイトはかなり JavaScript の比重が大きいことに注意
比較として iBlog によるある写真中心のブログを調べてみると、総バイト数 514.8Kbyte、予想ダウンロード時間 71.5 秒になります。そこは特に手の込んだカスタマイズをしていないところです。表示が終わるにはだいたい 75 秒くらいでしょうか。
のんびりとしたスピードに慣れたナローバンドユーザでも 75 秒はさすがに苦痛です。一分以上はちょっと嫌になってきます。だから 60 秒をきるサイト、なるべく 30 秒をきるサイト、できれば 15 秒をきるサイトの方がナローバンドに対しては有利なのです。そして表示しきるのが速いこと自体はブロードバンドに対してマイナスには働きません。
というわけでナローバンドユーザは一般には 10% 未満の比率で無視するかどうかは微妙ですが、ナローバンドユーザに大きな苦痛を与えないスピードのサイトはナローバンド比率が無視できない程度に上昇するという予想をしています。この予想が正しいとすれば、アクセス数を伸ばしたいサイトオーナーはナローバンドユーザを考慮してサイトの構成を考えた方がよいだろうという結論になります。
ブロードバンドが大勢を占める日本のインターネット利用状況であっても今のところナローバンドは決して無視できないのです。
最近 web 2.0 というキーワードとともにロングテールというキーワードもクローズアップされていますが、例えばこういうことではないでしょうか。つまり、マーケティング層の薄さから見て軽視されがちな層であってもそれに適切に対応していくことによってそれらの層は決して無視できない層になり、収益とかアクセス数とかそういうものに差がつく要因になるのです。(ロングテールというキーワードはこれをもっと積極的に捉えた説明がよくされているようです。)