火 - 7月 22, 2008木 - 7月 3, 200821-May-08, Music of Steve Reich - Concert #1重苦しい和音の響きとともに「Daniel
Variations」の演奏が始まった瞬間、そのただならぬテンションに一瞬ひるみ、空気の中にじわっと拡がった苦味をのどの奥に飲み込もうとしていた。
待ち焦がれたスティーブ・ライヒ公演を前にして、ある種躁状態だった私をなだめ、諭すかのように第一楽章が淡々と進んでいく。日本初演となる「Daniel Variations」。CDでその演奏を聴いた時から、とにかくその重さと厳しさの印象が強い。特に第一楽章と第三楽章はマイナーキーで、なおかつテンションコードが連なるタフなセクション。ライヒが選択したテキストの持つ意味と音楽的不穏感が相乗的に溶け合い、これまでのライヒ作品の中でも重厚さではトップクラスのものができあがった。片や対照的に第二楽章と第四楽章は穏やかなメジャーキーで、パルスの上を比較的隙間を保ったフレーズが様々に形を変えながら演奏されていく…。とにかく、目の前でライヒの曲が演奏されているという事実に対する喜びがあると同時に、この曲の持つ何か簡単に近づけないような威厳というか、威光というか、そういったものに気圧されないように張り詰めているうちに、演奏が終わっていたというのが正直な感想だ。 * * * マレットが振り下ろされる。 パルス。 ついに始まった。 あの60分間が、これから目の前で、生で展開される。 そう思うだけで身体に震えがくる。口元が緩む。 作曲家ライヒの代表作であり、クラシック音楽の文脈だけでなく、その創作のスタイル(口頭伝承)や機能的に配置された楽章構造など、あらゆる意味でエポックメイキングな作品である「18人の音楽家のための音楽」。約60分間切れ目なく演奏されることによって築き上げられる巨大な建築物の細部に目をこらせば、時にチャーミングで、時にナイフのように鋭い様々な創意がちりばめられていることを確認できるだろう。そうした細部へのまなざしとは角度を変えて、俯瞰/鳥瞰でとらえることによって見えてくるゆったりとした力強い流れ、セクションからセクションへの推進力を感じることもできるだろう。と同時に、メロディアスでなおかつダンスミュージックのクリエイターたちも虜にしたリズミックなシークエンスパターンは聴き手に対して非常に直感的にダイレクトに伝わる特徴を持っている。この日の演奏は、アンサンブル・モデルンに若干の堅さが感じられたが(モデルンによる演奏を納めたCDでは、その軽やかな演奏が印象的だったために、余計にそう感じたのかもしれない。)、それを差し引いても初「18人」の自分にとってはやはり衝撃的な音楽体験だった。 * * * 演奏が終わってロビーに出てみると、皆一様に興奮が隠せない様子。見かけたひとりの女性はその目を潤ませて、油断をするとこぼれ落ちそうになる涙を抑えながら熱心に感想を口にしていた。 * * * 明日もまだある。もう一度これが聴ける。 そう思うと自然に笑みがこぼれてしまう。 Posted at 02:17 午前 月 - 5月 26, 2008Reich - Composium 2008を終えて一人の作曲家とその作品を中心に置き、各要素が有機的に絡み合うように非常に丁寧に練り上げられた四日間があっという間に過ぎ去っていった…。
どの日も、どのプログラムも、期待に違わぬ充実の内容。ほんとうにすばらしかった。 この体験は、自分にとっての大きな音楽的出来事として強く長く記憶に残るのは間違いない。 つい先ほど終わったばかりの武満徹作曲賞本選演奏会では松本祐一氏の 「広島・長崎の原爆投下についてどう思いますか?」が見事第一位を獲得! 演奏直後の会場の拍手の大きさがあの作品が持つ力を物語っていたような気がする。 各日の感想は日を改めて書いてみたい。 [追記] このエントリアップ後にオペラシティのサイトにも武満徹作曲賞の結果詳細がアップされた。 ライヒの総評や、受賞者のコメントも読めるので、リンクを追加。 ライヒ自身のコメントは非常に示唆的で、昨日のトーク・セッションともリンクする内容。 Posted at 12:18 午前 火 - 5月 13, 2008Reich - Reviews, Interviewsいよいよ近づいてきたライヒweek。
新作リリース後、海外メディアでも数多く取り上げられている。 メモ代わりに、いくつかピックアップ。 - Review Songs of Tragedy, Triumph and Hope [Steve Smith, New York Times] Classical CD releases [Anthony Holden, The Observer] Reviews 11-25 [Mike Barnes, Observer Music Monthly] Album: Steve Reich, Daniel Variations [Anna Picard, The Independent] Reich - Daniel Variations [Ben Hogwood, musicOMH.com] Daniel Variations [John Kelman, all about Jazz] - Interview Today [Radio 4, BBC] (左は.ramファイルへの直リンク。実際に登場するのは23分過ぎ。) The Leonard Lopate Show [WNYC] Posted at 11:31 午後 木 - 5月 1, 2008Portishead - Just Arrived! "Third" Box Set本日無事に届きました。
オフィシャルの掲示板見てたら、27〜28日ぐらいからイギリス以外のヨーロッパ各国でも「到着」の報せが続々とあがっていて、 Air Mailなら日本もそろそろかな、と思っていたら、うじさん(大阪)から昼前ぐらいに「到着」を報せるメール! 今日は私用で外出してたんだけど、そのメール見た瞬間予定返上して帰ろうかと思ったぐらい。 帰宅後郵便局に再配達の手続きをし、さきほど受け取り完了。 どのアイテムも非常に簡潔なデザインコンセプトが貫かれていて、 「モノ」としての所有欲を充分に満足させるパッケージ。 特に「P」シェイプのUSBメモリはなんとも言えない存在感。 これをPCに差し込めば、アルバム全曲のハイレートmp3やPVなどのコンテンツはもちろんのこと、 買った人だけがアクセスできる"additional content"へのアクセスも可能になる。 これだけでも買う価値はあったかなと。 「P」USBの中身はこれから少しずつ愉しもうかと。 追記: このエントリで書いた「Nick Uff」なる名前。 逆から読むとFfu kcin -> Fuckin になりますね。 あれ、もうみんな気がついてるのかな…? Posted at 12:21 午前 土 - 4月 19, 2008Reich - ようやく届いたGrand Valley State University New Music Ensembleによる"Music For 18 Musciains"そもそものリリースは2007年の10月。 思い立って注文したのが12月。 長い間入荷されなかったために、いつの間にか(ていうか勝手に)注文がキャンセルされるというアクシデントを挟んで、 ついこの間やっと入荷の連絡があったのが、この「18人」の新録音。 Alex Rossの2007年ベストの中に入っていたのもうなずける透明感と若々しさにあふれたすばらしい演奏。 丁寧すぎるきらいさえ感じさせるPulseを聴いて、大丈夫かな、と少し不安になったりもしたが、それはまったくの杞憂に終わる。 その丁寧さが全編を通して揺らぐことはなく、アンサンブルは次第に力強さを増し、丹念に各セクションが奏されていく。 メタロフォンによるキューの直後にみなぎる緊張感は聴く者にも波のように伝わってくる。 その場にいる全員が一点に向かって意識を集中する表情が目に見えるようだ。 Section 6でマラカスが振り下ろされる瞬間の澄み切った開放感は絶品。 そこから徐々にアーチをくだり、最後のPulseがあっけなく消えた瞬間、心地よいしびれを伴った余韻が耳と身体を包む。 このトレイラーの映像も彼らの演奏が持つ丹念さ/純真さを少なからず物語っている。 Posted at 01:25 午前 火 - 4月 15, 2008Reich - 新作の第一印象 "Daniel Variations"4/12(土)の朝に「入荷」の連絡があって、手にできたのは結局4/14(月)のお昼。 それから何度か聴いているけど、自分の中ではまだ「つかめない」というのが正直な感想。 声楽曲は自分の中ではまだ取っつきにくいカテゴリだな、と改めて感じると同時に、 'Phase'系の曲とは違う"Variations"のスタイルが持つ複雑さにまだ体がついていけてない。 とはいえ、三周目か四周目で、やっと、第四楽章に差し込む光が見えてきたような気がした。 一方、カップリングの"Variations for Vibes, Pianos and Strings"の方が 聴き手の中のライヒ的な勘所に届きやすいかもしれない。 1楽章冒頭から押し寄せる高揚感は「待ってました」と思わせるものだし、 Fast - Slow - Fastの三部構成はオーソドックスながら、 すぐれて機能的なアーチを描いている。 いずれにしてももう少し時間をかけてゆっくり聴いてみよう。 Posted at 12:39 午前 土 - 4月 12, 2008日 - 3月 23, 2008Portishead - Machine Gun先行リリース先日のPortishead Mail
Newsのもう一つのトピックスはシングル「Machine
Gun」の先行リリース。
Island Recordsの運営するダウンロードストア「Island Tunes」から。 早速購入して、聴いています。 高音質mp3 とDRMフリーがうれしい。 部分的にしか聞き取れないが、相変わらず暗黒の詞世界。 コーラス部、ハーモニーの美しさ故に不穏な空気が増感する。 後半、艶めかしく変容するキックの連なりに震える。 Posted at 02:59 午前 水 - 3月 19, 2008Portishead - 限定一万セットの「Third」ボックスの内容Portishead mail
newsで突然届いた「Third」ボックスセット発売のお知らせ。
メール配信直後は、サイトからはすぐに注文できない状態で、 掲示板にはいらいらしているファンが集まっていたけど、 日本時間の3/18、20時ぐらいにはオーダー受付ページが動き始めた。 その内容はこんなかんじ。 ■以下の内容を収録した「P」シェイプのUSBメモリ 1. アルバム収録全楽曲のファイル 2. タイトルから判断する限り、おそらくアルバム収録曲二曲のPVプラス三本、合計五本の映像作品のファイル ■アルバム「Third」の二枚組アナログ盤 ■ファーストシングル「Machine Gun」のアナログ盤 ■Nick Uffによる限定ドローイング(?) 不勉強ゆえ「Nick Uff」なる人物が何者なのかは不明。 いずれにせよ何かヴィジュアルイメージ作品が封入されるらしい。 というわけで、注文してしまいました…。 今掲示板ではこのUSBメモリに収録される楽曲ファイルのフォーマットは何になるんだ?って軽く盛り上がっているようです。 [3/23 追記] ファイルの詳細判明。 320kbpsのmp3でDRMフリー。 一安心。 Posted at 02:27 午前 水 - 3月 12, 2008Wishlist: March, April - 08ものすごくつまんなかったらやだな、と思いつつやっぱり出たら買うんだろうなと。 なんと「800ページ」。電車の中で読むにはつらそうですが、この二人なので、買わないわけにはいきません。 そしてこっちも。 待ち焦がれたとはまさにこのこと。10年。震えがきます。 Posted at 02:32 午前 Reich - 新作詳細Nonesuchのwebsiteでも確認こっちにもあがりました。
トラックネームがここまで詳細に出ているのは国内のソースにはなかったですね。 それを見るとオペラシティのページやその他のソースで確認できた二曲に加えて、 もう一曲「Dance Patterns」という挑発的な(笑)タイトルを発見! アンコール用かしら。いずれにしても楽しみです。 [3/23追記] 「Dance Patterns」はNonesuch Storeから購入した人のみのボーナスダウンロードトラックであることを示す記述を発見。 Store -> Pre-Order -> Steve Reich/Dainel Variations -> Lean More いかんせんこのストア、米国以外からは利用できない…。 Posted at 01:55 午前 火 - 3月 4, 2008[VIdeo] Klaus Pierre, French-German Action Hero最近観たVideo
Podcastの中でも最高に笑えるシリーズ。
Boing Boing TVより。 Posted at 01:44 午前 木 - 2月 28, 2008Reich - 「コンポージアム2008」News Updated - CD「Daniel Variations」詳細《ダニエル・ヴァリエーションズ》CD
リリース決定
収録曲の詳細が掲載されている。 1-4:ダニエル・ヴァリエーションズ(2006) 5-7:ヴァイブ、ピアノ、弦楽器のための変奏曲(2005) 以上の二曲が収録される模様。 国内盤はワーナーから「5/14」発売。 気になるのは、「来日記念盤」の文字。なんか特別な仕様の違いとかあるのだろうか? Nonesuchは輸入盤と国内盤の発売のズレが結構大きいので、輸入盤を買ってしまいがちだが、今回はどうすればいいか。 次の情報を待とう。 Posted at 12:47 午前 |
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Published On: 7 22, 2008 02:33 午前 |
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