非常事態宣言2日目 2006年2月25日


【写真説明】アキノ政変20周年記念ミサで祈りをささげるラモス、アキノ両元大統領

 左派系下院議員逮捕

 非常事態宣言下、左派系政党アナックパウィスのベルトラン下院議員=政党リスト制=が25日朝、中部ルソン地域ブラカン州で国家警察犯罪捜査隊に逮捕された。捜査員は1985年にケソン地裁が出した扇動教唆容疑の逮捕状を執行したという。容疑内容の詳細は分かっていない。
 同議員は正午前、ケソン市にある国家警察本部に連行され、取り調べを受けている。
 関係者によると、左派系政党バヤンムナのオカンポ下院議員=同=も同日朝、ケソン市内で私服警官に身柄を拘束されかけたという。
 一方、現政権に批判的な報道を続けてきた英字紙トリビューンの関係者によると、同捜査隊が25日午前0時半ごろ、マニラ市エルミタにある同紙編集部を家宅捜索し、同紙や資料を押収した。
 同紙発行人のオリバレス氏は「言論の自由を侵害する不当捜査」として最高裁に提訴する構え。
 クーデター計画発覚を受けアロヨ現政権は24日午前、比全土に非常事態を宣言し、軍・警察に国家安全保障を脅かす暴力行為などを鎮圧するよう命じた。また、報道機関には「バランスのとれた報道を」と呼び掛けていた。(25日午後1時半、マニラ新聞)


 エドサ聖堂のミサ終了、大統領は出席せず

 アキノ政変(エドサ革命)20周年記念のミサは25日午前11時半ごろからケソン市エドサ聖堂で始まり、午後1時すぎ無事終了した。
 ミサにはアキノ、ラモス両元大統領、ロサレス枢機卿、アロヨ大統領辞任を訴えて2005年7月に辞任した元閣僚ら約250人が出席した。
 就任以来、毎年ミサに参列してきたアロヨ大統領は出席しなかった。マラカニアン宮殿周辺では25日も厳戒態勢が続いている。
 非常事態宣言や現職国会議員の逮捕を受け、アキノ元大統領はミサ終了後、記者団に「非常事態宣言は戒厳令同然だ」と現政権を非難して足早に会場を後にした。
 午後2時前には、元閣僚や左派系国会議員が同聖堂に隣接するショッピングモールで記者会見を始めた。(25日午後2時、マニラ新聞)


 元閣僚ら、大統領辞任を再要求

 アロヨ大統領退陣を求めて2005年7月に辞任した元閣僚らは、エドサ聖堂でのミサ終了後に合同記者会見し、アロヨ大統領の即時辞任をあらためて要求した。
 元閣僚はアバド前教育、ソリマン前社会福祉開発両長官ら。ギンゴナ前大統領の率いる政治団体や左派系団体関係者も同席した。
 元閣僚らは、選挙不正疑惑の真相隠匿、集会規制、政府高官らの国会証言制限、非常事態宣言など「現政権の不正と圧政」を非難して、「マルコス時代に逆戻りさせたアロヨ大統領は即時辞任を」と訴えた。
 しかし、大統領辞任後の構想については、「暫定政府の設置を」「憲法に沿った副大統領の大統領昇格を」などとばらばら。大統領辞任要求では一致しながらも、辞任後の「大構想」を提案できない野党陣営の内情を露呈した。
 合同記者会見は午後2時前から同2時20分ごろまで続いた。(25日午後2時45分、マニラ新聞)


 ラモス元大統領が「支持表明」を拒否

 ラモス元大統領は25日午後2時40分ごろから約50分間、マカティ市内で記者会見し、非常事態宣言の発令直後、アロヨ大統領周辺からマラカニアン宮殿に出向くよう要請されたことを明らかにした。しかし、元大統領は「(現政権の)デオドラント(防臭剤)になりたくなかった」として拒否。アロヨ大統領との電話会談も断ったという。
 ラモス元大統領は、アロヨ大統領に対する辞任要求が高まった2005年7月、デベネシア下院議員の要請に応じてマラカニアン宮殿に姿を現し、改憲提案で現政権を危機から救った。
 アロヨ大統領周辺は24日も同様の「支持表明」を求めたとみられるが、同元大統領に拒否された。
 記者会見でラモス元大統領は、アロヨ大統領支持について「(現状では)大統領との関係を断ち切る必要はない。待とう」と状況を見守る姿勢を示した。
 また、クーデター計画発覚を受けた非常事態宣言に関しては「驚いた。ペソの為替相場や投資など経済に打撃を与える」と強い懸念を表明。その上で「われわれの構想を進める上でプラスにならないなら、(宣言を)忘れるだけだ」と改憲による新政府樹立を進める考えをあらためて強調した。(25日午後3時55分、マニラ新聞)




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