30 November 2008
ちょっといい話
2008/12/05 Fri 格納先: Job
11月17日の日記に書いた、元浪曲師のSさんのお宅を訪れた。
こういうのはカメラを向ける側も辛いのだが、独り遺された奥さんの話を聞きたかったのである。
取材を通じてすっかり仲よくなっていた奥さんは、快くインタビューに応じてくれた。
Sさんの最後の日の様子、いまの心境…
煙草好きだったSさんだけに、肺癌にでもなって苦しむよりは却ってよかったと云う。
一通り話を聞き終えて、(次の取材があったので)いささか心急きながらお宅を辞そうとすると、
奥さんが、ぼくたちを引き止めるようにして、何枚かの写真を見せてくれた。
浪曲師として舞台に立っていた頃のSさんの写真や、巡業先で夫婦一緒に撮った写真。
そのなかに、すっかりボロボロになった小さなモノクロ写真があった。
舞台衣装を着けた奥さんの若い頃の写真で、上半身のアップ(バストサイズというやつだ)。
ちょっと気取って、まるでブロマイドのような撮り方である。
レビューに出ていたという話を聞いていたので、その頃のものだとすぐに判った。
聞けば、Sさんの死後、Sさんの免許証入れのなかから出てきたのだという。
Sさんは晩年は車椅子の生活で、もちろん車(バイク?)に乗れたはずもない。
しかし、写真の入った免許証は肌身離さず持ち歩いていたらしい。
看護師さんに「家内は若いときは宝塚にいたんだ」と云って見せびらかしたこともあるという。
奥さんは「ほんとにホラばっかり吹いて、しょうがないね」と笑っていたが、
この写真を見つけたときにはきっと嬉しかったことだろう。
妻の若いときの写真を亡くなるまで身につけていた88才…
ちょっといい話で、ぼくはすでにカメラを止めていたことを後悔した。
あとでこの話を某医師にしたら、「それは、いい手かもしれませんね」と身を乗り出してきた。
「よそで腹上死しても、
遺品から奥さんの写真が出てきたら、
最後まで想っていてくれたのね、って許してもらえるかもしれないし…」
…いくらなんでも、それはないと思うが。
こういうのはカメラを向ける側も辛いのだが、独り遺された奥さんの話を聞きたかったのである。
取材を通じてすっかり仲よくなっていた奥さんは、快くインタビューに応じてくれた。
Sさんの最後の日の様子、いまの心境…
煙草好きだったSさんだけに、肺癌にでもなって苦しむよりは却ってよかったと云う。
一通り話を聞き終えて、(次の取材があったので)いささか心急きながらお宅を辞そうとすると、
奥さんが、ぼくたちを引き止めるようにして、何枚かの写真を見せてくれた。
浪曲師として舞台に立っていた頃のSさんの写真や、巡業先で夫婦一緒に撮った写真。
そのなかに、すっかりボロボロになった小さなモノクロ写真があった。
舞台衣装を着けた奥さんの若い頃の写真で、上半身のアップ(バストサイズというやつだ)。
ちょっと気取って、まるでブロマイドのような撮り方である。
レビューに出ていたという話を聞いていたので、その頃のものだとすぐに判った。
聞けば、Sさんの死後、Sさんの免許証入れのなかから出てきたのだという。
Sさんは晩年は車椅子の生活で、もちろん車(バイク?)に乗れたはずもない。
しかし、写真の入った免許証は肌身離さず持ち歩いていたらしい。
看護師さんに「家内は若いときは宝塚にいたんだ」と云って見せびらかしたこともあるという。
奥さんは「ほんとにホラばっかり吹いて、しょうがないね」と笑っていたが、
この写真を見つけたときにはきっと嬉しかったことだろう。
妻の若いときの写真を亡くなるまで身につけていた88才…
ちょっといい話で、ぼくはすでにカメラを止めていたことを後悔した。
あとでこの話を某医師にしたら、「それは、いい手かもしれませんね」と身を乗り出してきた。
「よそで腹上死しても、
遺品から奥さんの写真が出てきたら、
最後まで想っていてくれたのね、って許してもらえるかもしれないし…」
…いくらなんでも、それはないと思うが。
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ふたつの「富士」
2008/12/01 Mon 格納先: Travel
またしても、出張。
飽きもせず、夕張へ。
午前9時発のANA千歳空港行で飛ぶ。
最近はいつもこの便で、さしずめ、ぼくの“通勤航空機”である。
冬の訪れとともに空気が透明度を増し、飛行機の窓から見える風景が心を踊らせる。
これは「会津富士」と呼ばれる磐梯山。
福島には何度か行ったが、
会津はぼくがまだ足を踏み入れたことがない土地だ。
しかし、飛行ルートに沿っているので、空からの風景には比較的慣れ親しんでいる。
いつか、足を地につけて、訪れてみたいところである。
北海道は晴れ渡っていて、飛行機を降りると暖かかった。
これは勇払原野から苫小牧を望む風景。
写真が小さいので判り辛いかもしれないが、彼方に「蝦夷富士」と呼ばれる羊蹄山がくっきりと見える。
こんなことは珍しい。
よく晴れた冬の日の空の旅は、子供の頃に戻ったみたいに、窓の外の風景にかじりついている。
飽きもせず、夕張へ。
午前9時発のANA千歳空港行で飛ぶ。
最近はいつもこの便で、さしずめ、ぼくの“通勤航空機”である。
冬の訪れとともに空気が透明度を増し、飛行機の窓から見える風景が心を踊らせる。
これは「会津富士」と呼ばれる磐梯山。
福島には何度か行ったが、
会津はぼくがまだ足を踏み入れたことがない土地だ。
しかし、飛行ルートに沿っているので、空からの風景には比較的慣れ親しんでいる。
いつか、足を地につけて、訪れてみたいところである。
北海道は晴れ渡っていて、飛行機を降りると暖かかった。
これは勇払原野から苫小牧を望む風景。
写真が小さいので判り辛いかもしれないが、彼方に「蝦夷富士」と呼ばれる羊蹄山がくっきりと見える。
こんなことは珍しい。
よく晴れた冬の日の空の旅は、子供の頃に戻ったみたいに、窓の外の風景にかじりついている。