北海道の上空から

神戸空港から千歳に飛び、中標津便に乗り継いだ。
夕方から羅臼町で、町立病院の診療所化に関する住民説明会を撮影するためだ。
本州はどこも厚い雲に覆われていて
空からの景色を楽しむことはできなかったが、
津軽海峡を渡る頃からきれいに晴れあがり、雄大な冬の北海道を満喫した。
いつも思うのだが、札幌(丘珠、千歳)〜中標津便の窓の外に広がる光景は素晴らしい。
雄阿寒
雄阿寒岳と完全結氷した阿寒湖。
摩周湖
そして、真冬だというのに奇跡のように碧い、宝石のような摩周湖が見えた。

旅から旅へ…
そんな暮らしを続けながら、ぼくは52才になった。
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天晴れなおかあさん

兵庫県立柏原病院でお産の様子を撮影させていただいた。
双子を身ごもったお母さんの、帝王切開による出産である。
帝王切開、それも双子となるとリスクが高いので、
柏原病院に三人いる産婦人科医が全員と、
小児科医は一人応援を得てこれも三人体制という手厚いシフトで臨んだ。

手術開始は14時20分くらいだっただろうか、
背中から麻酔をかけ、メスを入れ、しばらくすると赤ちゃんの頭が見えた。
と思うまもなく一人目が取り上げられた。女の子。
元気な産声を上げる。
続いて二人目、今度は男の子。
小児科医が手早く赤ちゃんの鼻や口に管を入れて、羊水や胎便を吸い出す。
産道を通るという過程がなく、“心の準備”もないまま、
羊水の海から空気のなかに出てきた赤ちゃんが新しい環境に適応できるよう、
小児科医がアシストをするのである。
手術室に元気な泣き声の二重奏が響く。
産まれた直後は紫色をしていた赤ちゃんの体が、
みるみるうちに明るく健康的な薔薇色に染まっていく。
女の子が2566g、男の子が2668g…二人とも可愛い。

生命の誕生はあっけないほどの間に終わったが、
ぼくはある種の感動を覚えていた。
うちの息子も帝王切開だった。
高校生のいまはナマイキなものだが、
こうして頑張って人の世に生まれてきたのか…。
大きな仕事をやり遂げた安堵と充実感を漂わせたお母さんの表情が印象に残った。

産まれたばかりの二人の赤ちゃんは待ちわびていた家族と対面した。
驚いたのは、幼いお兄ちゃんとお姉ちゃんが四人もいたこと。
つまりこれで半ダース…実に天晴れなお母さんだと思った。
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1312km

昨夜は知床半島の羅臼町にて、
「夕張希望の杜」の村上智彦医師の講演の様子を撮影。
明日は兵庫県丹波市で産科手術(帝王切開)の撮影があるので、
今日は一日かけて北海道から丹波まで移動した。
朝の7時半に羅臼を出て、
(機材が多いため)ジャンボタクシーで3時間弱を走って釧路空港へ。
羽田に飛び、乗り継いで伊丹空港へ。
積載する撮影機材が3人で90kgを超えたので、17850円のエクセスを取られた。

富士
…道中はよく晴れており、「♪アタマを雲の上に出し」た富士山がよく見えた。

丹波市のジャンボタクシーに空港まで迎えに来てもらって、
1時間ちょっと走って、夕方の4時過ぎに丹波市柏原のホテルにチェックインした。
きょう一日の移動距離は直線距離で1312km。
乗り換えも含めた“心理的な移動距離”は、ひょっとしたら新記録かもしれない。
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