シャイニング

久しぶりに夕張を訪ねた。
夕張は深い雪に覆われていた。そして、寒い。
夕張
ホテルから診療所に続く道には、人の背丈を超える雪の壁がそそり立っていた。
ぼくはスタンリー・キューブリック「シャイニング」のクライマックス、
雪の迷路のなかを
ジャック・ニコルソンが幼い息子を追いかけまわすシーンを思い出した。

キューブリックの「シャイニング」('80)はモダン・ホラーの名作として名高い。
しかし、スティーブン・キングの原作は映画の三倍くらい面白い。
さしものキューブリックも、原作のもつ圧倒的なパワーと量感の前には霞む。

映画版「シャイニング」には、ふたつの欠陥があると思う。
キングの原作のみそは、
幼い息子が持つ超能力(=シャイニング)に感応して
古いホテルの地縛霊(?)が蠢き始める、
それが家族の最も弱い輪である父親を狂わせていくというところにあったはずだ。
ところが、映画版はそのあたりの構造が曖昧で、
息子が超能力の持ち主であるということの意味がよく解らなくなっていた。
もうひとつはジャック・ニコルソン特有のオーヴァーアクトで、
これでは始めから狂っているようにしか見えない(笑)。

それでも、
雪がうず高く積もっているなかの細い道を通るときには、
必ず白昼の夢魔のように映画のクライマックス・シーンを思い出す。
それだけ迫力があったということなのだろう。
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MacBook Air

Appleが新しいパソコン、MacBook Airを発表した。
薄型バッテリーを開発し、光学ドライブを省くことにより、
薄いところで4mm、一番厚いところでも1.9cmというサイズを実現した。
Appleによれば「世界で最も薄い、ノートブック」なのだそうだ。
当然、軽量である。
MacBook Air
            (*画像はAppleのホームページから無断借用)

ぼくのように旅が多く、
それも必ずパソコンを持ち歩いている人間には、この薄さ、軽さは魅力的だ。
2週間くらいの出張でも、
荷物を航空機内に持ち込むことが可能なRIMOWAに納めようととするため、
毎朝、苦労をして、
本や着替え、カメラ、パソコンをスーツケースに押し込んでいるのだ。
ぼくは画像を扱うことが多いので、
「薄い」「軽い」は大歓迎だが、ディスプレイやHDの容量が小さいのは困る。
それがMacBook Airの場合は13.3インチ、80GB…
つまり、いまぼくが持ち歩いているMacBookと同じスペックを確保している。
そして、家庭ではAirMac、旅先ではFLET'S SPOTと、
無線を使ってネットにアクセスすることが多いぼくのスタイルにぴったりである。
まさにぼくのために作られたようなパソコンではないか。
値段は22万円…欲しいなあ。
でも、迂闊に「欲しい」なんて口走ったら、
山の神の激しいお怒りを買うのは間違いないからなあ…。

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羅臼の冬に潜る

15日に羅臼で仕事があるのだが、
一日早く来て、ダイビングを愉しんだ。
厳冬期の知床の海に潜るのは久しぶりである。

水温は+1.5℃…例年よりも幾分温かいようだ。
それでもやはり冷たい海には違いなく、
厚手のドライスーツに、
スーツと同じプレーン生地でできたフードとグローブ、
インナーの下にはホカロンを6枚も貼り付けて完全装備で潜る。
(ホカロンは両股の付け根と臍の下、腰、それに両方のつま先に貼る。)
…しかし、やっぱり寒い。海のなかで、手がかじかむ。
きのうまで海の状態は良かったらしいが、
ついていないことに今日はうねりが出ている。
水のなかは、ゴミが舞い上げられて、お世辞にもきれいとは云えない。

そのなかで魚たちは“命の季節”を迎えていた。
知床の海では、一年で一番寒いこの季節に卵を産み育てる魚が多いのである。
卵を守るオニカジカ
オニカジカは色とりどりの卵を守って動かない。
ナメダンゴ抱卵
ナメダンゴも岩の裂け目に卵を産みつけ、
♂が自らの体で外敵を遮断するようにして守る。

潜り終わると、陸に上がるため、雪に覆われた岩場をよじ登る。
重いタンクを背負ったうえに、
全身に10kgを超えるウェイトをつけているからけっこう大変である。
東京から来たという女性ダイバーが、
「ダイビングに来たつもりだったのに、雪山登山みたい…」とこぼしていた。
けっこう実感がこもっていて、笑ってしまった。
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がんがらがん

きのう釧路に帰ってきたのだが、酷く寒い。
歩いていても耳がちぎれそうだし、
手袋をしていても(北海道では「手袋を履く」という)指先が痛い。

北海道弁で酷く寒いことを「しばれる」と表現するが、
もっと寒いときには「がんがらがん」という言葉を使う。
「がんがらがんに冷えてるわ、いやいやいやぁ…」という風にいうのである。
もっとも北海道全域で使う言葉かどうかは判らない。
「がんがらがん」という言葉の響きには、雪よりも氷を思わせるものがある。
雪は少ないが、すべてが凍りつく道東地方の言葉なのかもしれない。

ともあれ、釧路は「がんがらがん」である。
今朝の最低気温はー10℃だったというからたいしたことはないのだが、
それでも数字以上の寒さを感じている。
ともかく、寒いというより「痛い」のである。
ぼくはこれから知床の羅臼に向かう。
明日は潜るのだが、
「がんがらがん」のなか何を酔狂に海に潜るのかと、自分で自分に呆れている。
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