絶品「かみふらのポーク」

きょうは上富良野町で行われた「第3回 地域医療を守る地方議員連盟研修会」に参加。
夜は吹上温泉「白銀荘」での懇親会に参加したのだが、
ここで食べた「かみふらのポーク」の豚しゃぶが実に美味しかった。

上富良野産の豚肉を食べたのは初めてではない。
釧路にいるときなど、よく買ってきて豚しゃぶにしたものだ。
おいしい肉だと思ってはいるが、それにしても今夜の肉はひと味もふた味も違う。
適度な歯応えがあってジューシー、豚肉特有の甘味の品がいい。
思わず(家族にも食べさせてやりたくなって)「この肉、どこかで買えますか?」と訊いたら、
「これほどのはちょっと無理だね」とつれない返事。
畜産係長として「かみふらのポーク」のブランド化に携わった山川護氏(現町立病院事務次長)によれば、
特に依頼して今夜の懇親会のタイミングに合わせて落としてもらった肉だという。
なるほど、それなら旨いはずだ。
同じ肉でも落としてからの時間によって味が変わる。
食べごろを見計らって落とした肉を食べるなんて、これほど贅沢な話はない。

地元の人たちから、豚しゃぶの美味しいタレの作り方を教えてもらった。
こちらは難しくも何ともない。
市販のごまだれとポン酢を半々に混ぜて、そこにさっと一味唐辛子を振るのだという。
ぼくは元来「ポン酢派」なのだが、
だまされたと思って「上富良野方式」(?)で食べてみて、おいしいので吃驚した。
さっぱりしたポン酢と甘く濃厚なごまだれの長所がともに生きて、豚肉の味を引き立てる。
絶品の「かみふらのポーク」を手に入れるのは無理でも、
タレの方はいたって簡単だから、今後は我が家でも「上富良野方式」を制式採用することにしよう。

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ラーメンの季節

夕張は日に日に冷え込んできた。
今朝の最低気温は4℃ほどだったそうだ。
東京でいえば、ほぼ真冬の寒さである。
ぼくのいる数日のうちにも紅葉は色濃くなってきており、すでに盛りを越えつつあるようにも見える。

シホロカベツ川
…黙ってこの写真をみせたら、名のある景勝地だとは思わないだろうか。
なんのことはない、ホテルのすぐそば、本町の橋の上から撮ったシホロカベツ川(夕張川の支流)である。
秋のこの季節に夕張に来たのは初めてだが、美しいところだな、とあらためて思う。

そして、冷え込んでくるとラーメンの旨い季節になる。

ホテルの裏にある、カウンター6〜7席ほどの小さなラーメン屋「のんきや」。
おばちゃんが一人でやっている。
メニューは醤油と塩、
それにチャーシューを入れるか、逆に具を抜くか(「かけラーメン」と呼ぶ)しか選択の余地がない。
のんきやのラーメン
それでも、奇を衒わない、しつこ過ぎない味が気に入っていて、
夕張にいるときには三日に一度はここで昼めしを食う(この店は昼の数時間しか開いていない)。
店の絶対数が少ないので他の選択肢がないという側面もなくはないが、
ぼくと一緒に夕張を撮影してきたスタッフはみんなこの店が気に入って、というよりハマって通い詰めた。
だから、この店のラーメンを食べると、
一緒に仕事をしてきた、いまは全国の各地に散らばっている、仲間たちの顔を思い出す。
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江戸っ子ばあちゃん

今回の夕張出張の第一の目的は、
いままで撮影させていただいてきたお年寄りの近況を確かめることにある。
今度の番組は、地域医療の課題が云々というシカツメラシイ話はちょこっと横に置いて、
村上智彦医師ら夕張医療センターのスタッフとお年寄りとの“心のふれあい”を描けないかと思っている。
否応なく超高齢化社会を迎えようとしている日本、
お年寄りが幸せに生きられ、幸せに死んでいくためには何が必要かということを考えるのは、
狭義の「医療問題」よりも寧ろ本質的な問題ではないかという気がしなくもない。

きょうは村上先生の訪問診療にひっついて、本間きくのさんを訪ねた。
自宅で娘さんの介護を受けながら暮らす本間さんは、今月末で97歳になる。
一年半前から何度か撮影させていただいているが、寝たきりだけど「心が元気」なお婆ちゃんである。
本間きくのさん
本間さんは生まれも育ちも東京は向島、つまり、ちゃきちゃきの江戸っ子である。
亡くなったご主人が浅草六区(戦前は日本一の興行街)でならした活動写真の弁士で、
トーキーになったときに失業して、当時、石炭景気で湧きに湧いていた夕張に移ってきたのだという。
映画好きのぼくにとっては、まさにLiving Legendみたいなお婆ちゃんである。
夕張で8人の子供を育て上げたという個人史はぼくも断片的には聞かせていただいているが、
できることなら一代記を書いてみたいと思うくらいの「日本の母」だ。
一年前よりひとまわり小さくなられた気がするが、
口を出る言葉は江戸っ子らしく歯に衣着せぬ「憎まれ口」で、
その底には百年ちかい人生のすべてを肯定して受け容れたような大らかなユーモアが漂う。
だから、本間さんと会っているときには、先生もぼくもいつもニコニコ笑っていることになる。

最近はご飯が食べられないそうで心配だが、
97歳になりなんとする本間さんに「ご飯はもう食べ飽きた」と云われれば、これは説得力がある。
若い男性が大好きで、
52歳のぼくも本間さんからすれば「若いねえ」なので、いつでも歓迎していただける。
帰るときには握手をするのが常で、そうすると顏じゅうを皺だらけにして嬉しそうに笑われる。
本間きくのさん(笑顔)
これは握手しながら、片手で撮った写真だが、素敵な笑顔の片鱗は感じ取っていただけると思う。
来るべき97歳の誕生日には何を贈るべきか村上さんと一緒に頭を悩ませているところだ。
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胃痛

きのうの午後から、突然、胃が痛くなった。
きりきりと食い込むような疼痛ではないが、胃がひどく張って、異物を飲み込んだときの感覚に近い。
夕食はヒラメの薄造りを一皿と温燗の酒二合で、脂汗が出てきたので早々に帰って寝た。
今朝起きるとびっしょり汗をかいていて、
それで症状が軽減しているところをみると「風邪が胃にきた」のだろう。
きょうからまた夕張に出張で、
体調としては多少ツライところもあるのだが、
行き先が病院(診療所)なのでどうにかなるだろうと思い、家を出た。

よくないことは重なるもので、
搭乗したANA千歳便(12時発)のフライトが機材の故障で遅れた。
なんでも搭載しているコンピューターを交換することになったとかで、
交換後の作動チェックの時間も含め、滑走路の端に釘付けになったまま40分以上待たされる。
北海道に着いてから食事をとる気で弁当を買っていなかったのだが、
昨夜はろくに食べていないし、朝は林檎のすり下ろしだけだったから、さすがに腹が減ってきた。

千歳に着いたのが14時15分で、これだけ遅れてしまうと予定していた夕張行の列車には乗り継げない。
田舎のことで、次の列車は2時間後。
南千歳駅で駅弁(「元祖うにめし」)を食べ、待合室でぼーッと待つ。
16時17分の特急(釧路行)に10分ほど乗って、次の追分駅で夕張行の普通列車に乗り換えた。
追分駅の夕暮れ
夕張に着いたのが18時前で、
いまさら焦ってみてもしょうがないので、暗い夜道をホテルまで15分ほどトボトボ歩いた。
幸い、胃痛がひどくなることはなかったが、違和感と鈍い痛みは夜まで続いた。
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「島根デー」

「しまねの地酒フェア 2008」というイヴェントに招待していただいたので、
会場の有楽町「交通会館」に出かける。
招待客は名刺を名札として胸につけることになっているらしく、
別に取材に来たわけでもないのに、会社の名前を背負って利き酒をするというミョーなことになった。

ぼくは島根県松江市の生まれで、生家の向かい側が米田酒造(「豊の秋」)という造り酒屋だった。
だから、というわけでもあるまいが山陰の酒が好きで、
世間ではあまり認知されていないが、島根・鳥取は全国でも有数の酒どころだと思っている。
今回、ぼくのところに招待状が送られてきた理由は定かではないが、
中国山地の山あいにある木次(現・雲南市)に佐藤忠吉さんという方がおられて、
有機農業の取り組みの一環として、
「八反流(ながれ)」という古い酒造好適米を復活させて無農薬で栽培し、
それを原料に地元の小さな蔵(木次酒造「美波太平洋」)で「斐伊川おろち」という酒を醸している。
その佐藤さんと親しくさせていただいているので、そんな縁もあって誘っていただいたものだろう。

ぼくが松江にいたのは9歳まで(東京オリンピックの年)で、
大学を出るまで育った広島、仕事で前後17年を暮らした北海道での生活の方が長い。
現住所の東京も、前後二回勤務した合計がもう13年になり、いまや「本籍地」でもある。
にも関わらず、「故郷」といえばやはり松江であり、自分は「島根県人」だという意識が強い。
(二つ違いの弟になると、このあたりの意識はたぶん全く違うだろう。)
米は横田(現・奥出雲町)で無農薬栽培した「仁多米」を毎年送っていただいているし、
醤油はやはり奥出雲町の「井上醤油」(昔ながらのやり方で2年間熟成させたもの)を使う。
休暇のときに「帰省する」のはまず「第二の故郷」で家のある釧路なのだが、
そうでなければ島根県に行ってしまうことが多い。
両親が広島で健在なのだが、そちらにはあまり寄りつかない…考えてみれば親不孝な話ではある。

「しまねの地酒フェア」には22の蔵が出展し、純米や大吟醸を中心にした自慢の酒の味見ができる。
知る人ぞ知る「簸上正宗」(奥出雲町)など飲む機会が比較的多い銘柄以外にも、
出雲市の「十旭日(ジュウジアサヒ)」や「天穩」が意欲的な酒造りをしていることを知ることができた。
また、「豊の秋」「李白」の陰に隠れて印象が薄かった松江の酒「國暉」の充実ぶりにも目を瞠った。
「隠岐誉」は日本酒も旨いが、「海藻焼酎」と銘打った「わだつみの精」が美味しいことに驚いた。
わだつみの精
これは米と海藻、米麹を原料に(ラベルに「海藻30%以上使用」とある)樫樽で長期熟成させたもので、
まるでアイレイ・モルトのような強烈な香りがする。
類似のものを思いつかない極めて個性的な焼酎で、一目惚れ(一口惚れ?)して一本買い込んだ。

ほろ酔いで日本橋まで歩いて、
島根県の物産を集めた「にほんばし島根館」(三越本店の向かい)で、
井上古式醤油、サバフグのたたき(美味!)、フグ皮の刺身、エボダイの一夜干しを買って帰り、
萬祥山窯(出雲市)のぐい飲みで一杯やった。
酒は千葉県の「不動」の口を切ったのがあったのでそれを飲んだが、
さながら「島根デー」であり、久しぶりに「ふるさとの香」に酔った。
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