ダイビング二日目

きょうの一本目も客はぼく一人(こんなことは10年通っていて始めてである)。
「お一人のうちに深いところに連れていってあげましょう」というありがたい心遣いで、
一本目は「牛の島・ウミエラ林とトウアカ家族」という長い名前のポイント。
最近、「コーラルダイバーズ」で開拓したオリジナルのポイントらしい。
トウアカクマノミの一家
水深36mに群生するウミエラ、そのなかにトウアカクマノミの一家が暮らすイソギンチャクがある。
なんとも面白い景観なので、減圧が出るまで粘って写真を撮りまくった。
二本目はぼくと同年配のベテラン・ダイバー二人連れが合流。
ブランクがあるので最初は浅いところで、というオーダーがあったらしく、「平瀬(ヒラジ)」に潜る。
オヤビッチャの群れるエダサンゴ
ここはソフトコーラルのお花畑が一面に続いているところで、
テーブルサンゴに無数のオヤビッチャが群れているのが見物(チョウチョウウオの類もたくさんいる)。

南の海でのダイビングにはまるでストレスがない。
3mmのウェットスーツに3kgのウェイトという装備は普段のドライスーツに比べて楽で楽で、
こちらに来てからまだ一回もBCにエアを入れていない。
肺のなかの空気の出し入れだけで中性浮力を保てるのである。
なんだか、ダイビングが巧くなった気がする(笑)。
それでも、いつも隠花植物のように暮らしているのが、烈しい陽光の下に出るとそれだけで疲れてしまう。
いつものことで、これが3日くらいすると体が慣れてきて、今度は帰りたくなくなってしまうのだが…
|

座間味での休暇

座間味での休暇は6泊7日。
時間がゆっくりと流れるこの島で、
海に潜り、古酒に酔い、心の“静養”をするつもりだ。
ブーゲンビリア_2
ぼくがいつも泊まる民宿「宮の里」の庭にはブーゲンビリアが紅い花を咲かせていた。
観光シーズンとしては端境なのだろうか、
昨夜の客はぼく1人だったし、きょうのダイビングも客はぼくだけ。
座間味で潜るときはいつも阿武靖士さんの「コーラルダイバーズ」にガイドをお願いしている。
ぼくだけのために船を出してもらうのは申し訳ないような気分なのだが…。
カスミチョウチョウウオ
一本目は「伊釈加釈(イジャカジャ)NO.2」というポイント。
水温が29℃もあるので、潮がかかっているのも温泉のジャグジーみたいに感じられて快い。
亀
二本目はダイナミックな景観が特徴の「屋嘉比Yコース(タカチンシ)」。
最後にアオウミガメが一匹、ふらっと現れた。
沖縄の海のどこまでも透明な蒼さに身を任せていると、俗世間のすべてを忘れられそうな気がしてくる。
|

沖縄へ、海へ

二本の番組を作り終えて、
きょうから海へ。沖縄へ。座間味へ。
もう半年も潜っていないので、河童なら皿が乾ききっているところである。
いま、羽田空港の出発ロビー。
12時のANAで那覇へ飛ぶ。
那覇から座間味までは、泊港から高速船で一時間。
夕方には、人口1000人足らずの小さな村の民宿に着いているはずである。

これから一週間、すべてを忘れてダイビング三昧で愉しむつもりだが、
といいながら…次の仕事の企画(ネタ)が決まっていないので、それを思うと胃の腑が重くなる。
ここ2年余り地域医療ネタばかりやってきたが、次は違うことをやろうと心に決めている。
「心に決めて」はいるが、ではいったい何をやるのか、全く目処が立っていないのが辛いところ。
今朝は、仕事の夢を見た。
というか、夢のなかで必死に次のネタを捜していた。
せっかくの沖縄行きの朝に、我ながら、どうしようもない仕事人間だと情けなくなった。
|

映画三昧

番組作りが一段落してから、堰を切ったように映画を観続けている。

5日(土) 「クライマーズ・ハイ」(原田眞人監督)
       原田さんはいささか古風な職人肌だが腕力のある映画作家で、
       特にサラリーマン社会の暗闘をダイナミックに描いてみせるのが抜群に巧い。
       今回は、かつての傑作「金融腐食列島 呪縛」を思い出させる、久々の本領発揮だ。
       御巣鷹山の日航機墜落事故を背景にしたドラマだが、
       大事件が起きたときの報道機関内部の高揚と興奮、
       肌がひりつくような緊張感が見事に描き出されていることにも感心した。

6日(日) 「裏庭から昇ったロケット雲」(マイケル・ポーリッシュ監督)
       夫婦50割引で女房と一緒に観た。
       道具立てはロケットと新しいが、
       本質はハリウッド得意の「ハート・ウォーミングな大人のファンタジー」である。
       ぼくは、フランク・キャプラあたりを思い出した。
       主演のビリー・ボブ・ソーントンは「限りなく怪優にちかい名優」だと思うが、
       今回はごく普通に演じているのが、ファンとしてはなんとなく物足りない(笑)。
     
      「プロデューサーズ」(メル・ブルックス監督…DVD)
       数年前に上映されたミュージカル版ではない、いわば“原作”の方である。
       メル・ブルックスの演出は泥臭くてアクが強い。
       その“体臭”にいささか辟易させられながらも、面白く観た。
       若き日のジーン・ワイルダーが巧いのにびっくり。

7日(月) 「告発のとき」(ポール・ハギス監督)
       ポール・ハギスは、
       イーストウッドの「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本を書いて頭角を現し、
       監督デビュー作の「クラッシュ」でいきなりアカデミー賞をとった注目の俊英。
       「父親たちの星条旗」にも脚本家として関わっていた“イーストウッド一家”の一員で、
       今回もSpecial Thanksとしてイーストウッドの名前が挙げられていた。
       この監督第二作を観て、ぼくは、
       ポール・ハギスが、今後十年、世界の映画界をリードしていく存在だと確信した。
       苦い人間観照がこの人の本質で、
       彼が描く世界の陰影の深さは凡百のアメリカ映画とは一線を画していると思う。
       師匠(?)のイーストウッドにも似て、大人の映画を作る人である。
       トミー・リー・ジョーンズが凄まじく巧い。

8日(火) 「アフタースクール」(内田けんじ監督)
       「運命じゃない人」が面白かった内田けんじの新作。
       今回も凝りに凝った語り口で、
       後になって細部の一片一片がぴたりと符合する、まるでジグソーパズルのような映画だ。
       「運命じゃない人」の成功でいい役者を使えるようになっただけ、
       独特の世界に磨きがかかって、より豊かになった印象である。
       ぼくもすっかりダマされてしまって…こういう映画はもう一度観たくなる。
       エンドロールが終わったところで、さりげなくオチをつける手際が鮮やかだ。
       
       
|