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大平宿設計会議宣言
1993.10.10

 我々は信州大平の保存と再生という最も現代的なテーマについて、飯田市及び「大平宿をのこす会」が今日まで情熱をもって継承してきた実状を踏まえ、飯田地域のナショナリズムを越えた、普遍的な生活文化の立場で環境整備を意図する数少ない専門家集団として、幸いにもその保存事業に参加することができた。

 しかしこのプロセスにおいて直面したデザイン論、技術論、保存論等については、発注者、設計者、施工者間での合意はもとより、様々な場面において豊富な課題と未来に向けての使命性を痛感した。

 それらに対処する方法論については、我々は今後とも大平宿を起点として考慮し、これを全人類的な遺産として将来にわたって保存活用してゆくことを約束するが、維持管理、運営に関しては、従来の管理形態を再編し、地元住民団体及び既存の保存団体との連携など、総力をあげての事業経営を願って止まない。

 21世紀に伝えるべく、大平宿の保存再生のエッセンスをこれからも追及し、広く顕在化してゆく作業に協力することを誓い、大平宿設計会議を発展的に引継ぎながら、ここに歴史環境設計会議の発足を宣言する。

10/10 大平宿に東京、飯田から関係者60余名が集まり、今回の民家改修工事の総括とこれからの大平宿の課題を語りあった。上記はその場において吉田先生を中心に考えられた宣言文である。翌日、早朝その宣言文が読み上げられ大平での活動にひとまず区切りをつけた。

《以上は、「生活文化」VOL.0より引用》