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大 平 憲 章

昭和57年10月22日・大平保存再生協議会

1.憲章の目的

 飯田市大平は県民の森や摺古木自然園が設置されているように、自然環境の豊かな地域であり、市上水道の水源にあたり、峠越えの古街道と江戸期に発生を見た古宿場集落をのこす、歴史環境として貴重な地域である。
 昭和45年(1970)の住民集団移住いらい、無住の地域として経過してきたが、大平宿をのこす会を中心とした民間有志の手による保存と再生の運動が実をむすびはじめ、集団移住集落保存再生のモデルケースとして全国的に高く評価され、ひろく注目をあつめるに至った。しかし再生の動きと共にさまざまな問題もおこりつつある。
 大平保存再生協議会はこうした状況に対応し、大平は飯田市民のかけがえのないふるさとであるとの認識に立ち、全大平関係者の協議組織として発足した。本協議会は大平の環境を破壊から守り、よりよい地域づくりを目指す統一的な指針として、全飯田市民をはじめとして関心をよせる多くの人びとによびかけるため、この憲章を制定した。
 

2.憲章のおよぶ区域

 大平の集落とその周辺に重点をおき、大平全域を対象とする。
 

3.保存再生の道

 自然保護と歴史環境保全を保存のふたつの柱とし、誰もが自然の中で古民家に生活して生活の原体験に学び、歴史的遺産にふれて考え、登山やスキーなどスポーツを楽しむという、教育・観光・スポーツをむすびレクリエーション地域として、その再生を位置づける。
大平におけるすべての行為は、これと矛盾するものであってはならない。
 

4.風致の保全

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動植物の生態を保護し、水源を守り、地形をみだりに改変しない。
建物の修理・改造・新築にあたっては、できるだけ歴史的形態を尊重し、伝統的建材により、歴史的景観をみださない色彩とする。
環境にそぐわない看板・広告等を設けない。
 

5.環境の整備

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地域の管理は自主的におこなわれるのを原則とする。
生活の原体験の場としてふさわしくない大型施設や利便施設等の設置は抑制する。
施設・設備の設置運用は保存と再生にてらし、充分検討のうえ行うな。
消火栓・消火器等の消火態勢を確立し、誰にでも直ちに使用可能な状態に維持する。
 

6.憲章の活用

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この憲章は大平を利用するすべての人にとって自主的に活用されなければならない。
大平における土地家屋の売買・土地利用の改変・建物の修理・改造・新築などについては、大平保存再生協議会事務局で受けつけ、同理事会および地権者において、私益と公益を合一するため協議すること。
憲章の活用につき必要な場合は、飯田市において法的保護や行政的援助の態勢をとる。
 

「大平憲章」は、吉田桂二さんが起草した文案を幾度かの審議修正の末、1982年10月に大平保存再生協議会総会で制定された。
右:復元され「大平憲章」が刻まれた太政官告知板
左:大平憲章の題字部分を拡大;クリックするとより大きな画像を見ることができます。
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1996年8月16日横田撮影