|
大火のあったのは4月13日のこと。春のフェーン現象で強風が吹き荒れる日。機械の下請工場だった納屋で、散った火花がムシロに燻ったのが火元でした。消失したのは旧道と新道の三叉路の両側、村の中心部で大きな家が多く建ち、かつてのバス停もここにあり、村で唯一のなんでも屋もここにありました。
集団移住を決めた矢先の大火は、ここに住む人達の心に、移住の決意の再確認を迫るものでした。
その年の11月30日、その前日から降り続く、時ならぬドカ雪の中、真新しい集団移住記念碑の前で離村式が行われました。参加した人達は誰もが涙をこらえられず、言葉もなく、雪の山道に消えてゆきました。
|