anpo 06/11/25
深化する日米共同軍事演習
11月上旬から中旬にかけて、日本全域および周辺海空域で航空自衛隊と海上自衛隊及び米海軍が相次いで軍事演習を実施した。
まず、11月6日から17日までの期間、日本全域および周辺空域は「戦争状態」となった。これは航空自衛隊の「平成18年度航空総隊総合訓練」で、これまで「総隊総演」として隔年に実施されてきたものを、今年からは自衛隊の統合運用体制への移行にともない、統合運用に関わる部分を統合演習に移し、それ以外の空自独自の部分だけを実施することとなったので「総隊総合訓練」と名称を変更した。
参加したのは統裁官=田母神航空総隊司令官以下、航空幕僚監部、航空総隊、航空支援集団、航空開発実験集団、航空システム通信隊、航空警務隊、航空中央業務隊、航空自衛隊補給本部などで、航空機約300機である。
訓練の目的は「武力攻撃事態等における対処要領を実動により訓練し、航空総隊等の任務遂行能力の向上を図る」こととされている。演習のシナリオは「武力攻撃事態『等』」とされていることから、周辺事態からのものであった可能性が高い。
そして、これにだぶるように、11月9日から15日までの期間、「平成18年度海上自衛隊演習(実動演習)」が実施され、同時に同じ期間、日米共同海軍演習「ANNUALEX18G」が日本周辺海域で実施された。海域もまた「戦争状態」に入ったのである。
参加したのは、統裁官=道家自衛艦隊司令官以下、自衛艦隊の全部隊、5地方隊の全部隊で、艦艇約90隻、航空機約170機である。
米海軍はマクレイン第7艦隊戦闘部隊(Battle
Force Seventh
Fleet)司令官(旗鑑=米空母「キティ・ホーク」)以下、ミサイル巡洋艦「カウペンス」、同「シャイロー」、ミサイル駆逐艦「カーティス・W・ウィルバー」、同「ジョン・S・マッケイン」、同「フィッツジェラルド」、同「ステセム」、同「ラーセン」、同「マスティン」、同「ハルセイ」そして高速輸送艦「スウィフト」、攻撃型原潜「シーウルフ」、同「アッシュヴィル」の13隻とP3C哨戒機などの航空機が参加した。米側兵員は約8500人である。
演習の目的は各級指揮官の情勢判断と部隊運用で、日米共同演習では対潜水艦戦、対空戦、対水上戦が実施された。
演習のシナリオは「情勢緊迫段階から我が国防衛に際しての海上諸作戦等」とされていることから、これも周辺事態からのものであった可能性が高い。
現在、朝鮮半島をめぐっては「第二次朝鮮半島核危機」にあるとされており、前回の93~94年の「第一次危機」の際との決定的な違いは、米軍が実施する軍事作戦に、今回は自衛隊が「周辺事態」と認定すれば、その米軍に対する兵站支援のオペレーション(作戦行動)を実施して共同作戦を実施しうる法の整備がととのっており、自衛隊の作戦能力もこうした演習によって対応可能な段階に進んでいることである。
今回の軍事演習は6者協議をめぐる外交戦と一体のものであることを見ておく必要があろう。
(06年11月17日記・松尾 高志)
Posted: 土
- 1月 20, 2007 at 10:30 am