anpo 06/06/05
多国籍演習「コブラ・ゴールド06」に自衛隊が参加−−進む自衛隊の海外展開任務の本務化
自衛隊の海外展開任務を「本来任務」とする方針のもと、海外での多国籍演習への自衛隊の参加実績の積み重ねが進んでいる。
5月15日から26日にかけて、タイで実施された米タイ共同主催の多国籍統合演習「コブラ・ゴールド2006」に自衛隊が参加した。
参加国は米、タイ、シンガポール、インドネシア(初)、日本で、10数カ国がオブザーバーを派遣した。演習全体の参加人員は約6850人。
「コブラ・ゴールド」演習は指揮所演習(CPX)と実動演習(FTX)の二種類からなっており、実動演習には沖縄から米海兵隊の第31海兵遠征部隊(31MEU)が参加している。
指揮所演習は全体としては、PKF(平和維持軍)司令部を設立して、平和執行、平和維持、平和構築、対テロ、情報戦(IO)、兵站作戦、軍民作戦が実施されたが、自衛隊は憲法上の制約から平和執行とは区別された国連決議にもとづく平和維持活動部分のみの参加とした。
日本から参加したのは、防衛庁内局、統合幕僚監部、陸・海・空各自衛隊、情報本部からの約40人。防衛庁はこの「コブラ・ゴールド」演習には2001年に初めてオブザーバー参加し、昨年(05年)からは指揮所演習に正式参加するようになっている。
今回は統合運用体制に切り替わった後の初めての参加で、「統合運用体制下における国政平和協力活動に関連した調整要領などを演練」した(「朝雲」5月18日付)という。
演習にヘッドとして参加した武居統幕指揮通信システム部長(海将補)は記者会見で、「このような機会を通じ、相互理解や相互運用性の向上を図るとともに、将来の国際平和協力活動のための教訓を得ることを大いに期待している」(同前)と述べている。
また、自衛隊は実動演習部分にもオブザーバー参加もした。タイ中部で行われた民生支援の医療訓練に統幕の池川1陸佐(医官)以下3人が参加したもので、米タイ軍の実施する医療活動を視察し、資料の収集にあたった。
さらに、この演習とは別に、6月5日から17日まで、マレーシア周辺海域などで行われるマレーシア主催の第3回西太平洋掃海訓練に、海上自衛隊は第51掃海隊司令の岡1佐を指揮官に、掃海母艦「ぶんご」、掃海艦「はちじょう」、掃海艇「あいしま」の3隻、人員約220人を派遣する。この多国籍訓練にはマレーシア、オーストラリア、インド、インドネシア、韓国、シンガポール、アメリカ、日本が艦艇を派遣して参加。カナダ、中国、ニュージーランド、ベトナム、ロシアなどの各国が要員、オブザーバーを派遣する。
これらの海外での多国籍軍事演習への参加は、昨年10月の「同盟変革」を打ち出した「2+2」の合意文書で明記されていた「第3国との演習の強化」の線にそったもので、自衛隊が海外展開任務を「本来任務」とする防衛計画の大綱の路線を推進するものでもある。
(06年5月27日記・松尾 高志)
Posted: 月 - 6月 5, 2006 at 03:21 pm