anpo 07/03/25
米軍基地再編と同盟変革は一体のもの−−石破防衛庁長官(当時)の証言
安倍内閣は2月9日、米軍再編特措法案を閣議決定し、今国会(第166回国会)に提出した。この法案の正式名称は「駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法案」で、昨年5月1日の日米安全保障協議委員会(通称「2+2」)で合意した「ロードマップ」に記載された米軍と自衛隊の「基地再編」を実施するにあたって、市町村への交付金やグアムへの資金投入を可能にするための財政措置を10年の年限に限ってとることができるように法的根拠を創出したものである。
筆者はいわゆる「米軍再編」を基地問題にのみ焦点を絞って観ると、「視野狭窄」となると指摘してきた。基地再編の裏側で同時並行的に、日米同盟の変革(アライアンス・トランスフォーメーション)、そしてそれに連動した自衛隊の軍改革(トランスフォーメーション)が進行していることに警鐘をならしてきた。
最近、そのことを示す当事者による証言が単行本として出版されたので、その中から重要な論点を摘出することとする。この書籍は『国防の論点――日本人が知らない本当の国家危機』で、当時の防衛庁長官・石破茂、民主党「次の内閣」防衛大臣・長島明久、防衛大学校出身の拓殖大学海外事情研究所所長・森本敏の3氏による対談で、07年3月にPHP研究所から出版されたものである。
●石破茂氏の証言――「私が長官になったのが2002年の9月30日です。12月に「2+2」(日米外交防衛首脳会議)でアメリカに行き、その後、ラムズフェルド国防長官と私が二人で2時間くらい話をしました。その時二つの議題がありました。(注:一つは弾道ミサイル防衛問題)。もう一つは、ラムズフェルド長官がトランスフォーメーションの話をしました。・・・「米軍はトランスフォーメーションの中にある。当然、日本の自衛隊のトランスフォーメーションもセットで行われるべきである」という話を始めたので、私は「いやいや、防衛計画の大綱があって(簡単にはできない)」という話をしました(74~75ページ)。・・・・私は「在任中に簿衛計画大綱は変更する。新しいものをつくる。アメリカがトランスフォーメーションをやるなら、同盟国である日本も当然トランスフォームしなければいけない」と言ったのが、ラムズフェルド長官とそのことについて具体的に話したのは最初です」(76ページ)。
●石破茂氏の証言――(質問=自衛隊をトランスフォーム(転換)しなければいけないという腹づもりをされて、おそらく石破さんは「防衛力のあり方研究」に入られた)。「その通りです」。(83ページ)
以上の二つの証言は、これまでの筆者の仮説が正しかったことを示している。特に、これまで米軍再編と防衛庁(当時)が庁をあげて取り組んだ「防衛力の在り方検討」との関係については一切の関係が示されていなかったが、今回の石破氏の証言によって、リンクしていることが明らかにされたことは重要である。
(07年3月19日記・松尾 高志)
Posted: 日 - 3月 25, 2007 at 08:12 am