anpo 07/03/05
アーミテージ・ナイ報告(改訂版)・上ーー日米軍事協力の提言
「アーミテージ報告」の改訂版が、2月16日に発表された。
この文書の正式なタイトルは「米日同盟――2020年までアジアをいかにして正しい方向に導くか」で、全文28ページ。アメリカのシンクタンク「CSIS」(国際戦略研究センター)の報告書である。これは、超党派のアメリカの知日派の安全保障専門家18名の連名によるもので、アーミテージ前国務副長官(共和党)とナイ元国防次官補(民主党)が共同議長=共同執筆者である。
本来ならば「アーミテージ・ナイ報告」なのだが、これがマスメディアで「アーミテージ報告」とされているのは、前回=2000年の米大統領選挙戦の最中に、今回と同様の形式で発表されたところ、共和党のブッシュ候補が大統領に当選して、アーミテージ氏が国務副長官に就任し、このレポートの線でアメリカの対日政策が実施されたためである。今回も超党派であるため、次期大統領選挙で共和党、民主党いずれの候補が大統領になっても、今回の報告が対日政策の基本となる可能性が高いため、注目を集めている。
今回の報告書では、結論のあとに、「別紙」(Annex)として、「安全保障および軍事協力」との文書が添付されている。本論では言及していなかった、軍事分野の10項目にわたる具体的な提言が、この部分でなされているので、その大要を以下、紹介する。
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①アメリカと日本は、緊急の危機(urgent
crises)に対処する能力を向上させるべきである。平和維持任務、人道的任務、災害救助任務のための日本の能力もまた強化されるべきである。
②特に最近の出来事からして、日本は弾道ミサイル防衛のための特別予算を計上すべきである。
③アメリカと日本は、GC(X)=タイコンデロガ級イージスミサイル搭載巡洋艦の後継艦のための、キイ・システム、サブシステム、および関連技術の共同開発の機会について考慮するべきである。
④アメリカと日本の政府間の、また軍部間の関係が向上するのに即して、われわれはより緊密な防衛産業間の協力を構築すべきである。日米政府間で機密情報を共有することを保証する包括的な協定(overarching
agreement)を締結することは、この方向に向けての重要なステップとなるであろう。
⑤よりよい調整のために、アメリカはPACOM(太平洋軍)司令部に防衛省の代表を置き、日本は統合幕僚監部に米軍の代表を置くべきである。このことは、集団的自衛権についての日本国内の議論にかかわらず生起するであろう地域における作戦統合(operational
integration)へ向けての第一歩と見らるべきである。(以下次号)
(07年2月25日記・松尾 高志)
Posted: 火 - 3月 20, 2007 at 07:59 pm