anpo 06/09/25


米海軍 横須賀に「シャイロー」配備−−「同盟変革」のプロセス進む

 弾道ミサイルの迎撃能力をもつ、米海軍のイージス巡洋艦「シャイロー」(満載排水量9950トン)が8月29日、米海軍横須賀基地(神奈川県)に入港、同基地に実戦配備された。これにともないイージス艦「チャンセラーズビル」は交代で帰国する。
 米海軍は迎撃ミサイル「SM3(スタンダード・ミサイル3)」を搭載するイージス艦を現在3隻保有しており、それを実戦配備、しかも海外配備するのは今回が初めて。あと2隻は主として実験任務についている。横須賀基地には8隻のイージス艦が配備されているが、このうちの一部(「フィッツジェラルド」、「カーティス・ウィルバー」、「マスティン」等)はすでに弾道ミサイルの探知追跡能力を持っている。
 米国防総省ミサイル防衛局のオベリング局長は「毎日新聞」のインタビューに応じ、弾道ミサイル防衛のため、太平洋地域に年内に、海上配備型SM3を搭載したイージス艦を6隻配備し、探知追跡能力をもつイージス艦を10隻追加配備する、との計画を明らかにしている(同紙・9月9日付夕刊)。
 このSM3搭載のイージス艦6隻のうち3隻は横須賀を母港とすることになっており、現在、同基地に配備されているイージス艦2隻を改修する予定である。
 米軍はこのほか地上配備型の迎撃ミサイル・パトリオットPAC3(米陸軍所属)を年内に米空軍嘉手納基地(沖縄県)に配備することにしている。
 一方、航空自衛隊では来年度(07年度)末までに、地上配備の迎撃ミサイル・パトリオットPAC3を、入間基地(埼玉県)、霞ヶ浦基地(茨城県)、習志野基地(千葉県)、武山分屯地(神奈川県)に配備して、ミサイル防衛態勢の整備を開始する計画である。
 今回の「シャイロー」の横須賀配備は、防衛庁が「米国防総省に迎撃網整備の前倒しを強く要請し、米側がこれに応えた」(「朝日新聞」・8月29日付夕刊)ものという。
 「シャイロー」の入港式典には異例にもドナルド・ウィンター米海軍長官が出席して、「シャイロー」配備は「日米の強いきずなの大きな証拠」とスピーチした。日本側も外務省河相北米局長、防衛庁愛知防衛政務官が列席した。この式典でそれぞれがスピーチしたが、その中で、ジョセフ・ドノバン在日米大使館首席公使が「日米同盟のトランスフォーメーション(変革)の大きな要素がミサイル防衛。その象徴的なものがジャイローだ」と述べた(「赤旗」・8月30日付)ことが事柄の本質をよく示している。
 また、在日米海軍のジェームス・ケリー司令官が9月7日に横須賀基地内で記者団と懇談し、「MD(ミサイル防衛)体制の整備に関連した集団的自衛権や指揮統制の問題について、ケリー司令官は制服組を含めた日米の外務、防衛関係者による協議がスタートしたと説明」した(「東京新聞」・9月8日付)ことが注目される。
 「基地再編」問題を触媒として、日米同盟のトランスフォーメーション(変革)が推進されていることに一層の注意をはらう必要があろう。

(06年9月18日記・松尾 高志)

Posted: 水 - 9月 27, 2006 at 09:20 am        


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