anpo 06/12/05
安倍・ブッシュ第一回首脳会談−−日米同盟強化の路線を確認
安倍首相とブッシュ米大統領による第一回の日米首脳会談が11月18日、ハノイ(ベトナム)で行われた。これは同日午後から開催されるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会談出席のため米国、中国、韓国、ロシア、オーストラリアなどの首脳がハノイに集まることから、その際に実施された諸国の一連の首脳会談の一つとして行われたもの。
メディアの報道によれば、この初の日米首脳会談で安倍首相は、小泉・ブッシュ両首脳によって開始、推進された「世界の中の日米関係」路線を継続していくことをブッシュ米大統領と確認した。
最初は安倍首相とブッシュ米大統領の二人で会談を行い、途中から麻生外相、ライス米国務長官らが出席して、昼食をともにしながら約1時間半にわたって会談は行われた。
ブッシュ米大統領は「安倍晋三首相の強い指導力で(政権が)すばらしいスタートを切ったことをお祝いもうしあげる」と、小泉政権が靖国問題で中断していた日中、日韓の首脳会談を、安部首相が「あいまい戦略」で「修復」したことを高く評価した。このことはブッシュ政権にとって、日中、日韓関係が「正常化」することが望ましいとの立場であったことを示している。
安倍首相は「大統領が信念に基づいて行動していることに敬意を表する。自分も信念に基づき指導力を発揮したい」と保守主義者としての「信念」の共通性をアピールした。
こうした「信念」にもとづいて、日米同盟関係について、安倍・ブッシュ両者は「(自由、民主主義、基本的人権、法律の支配などの)普遍的価値観に基づく日米同盟をさらに強化していく」ことで合意した。
各論として、ブッシュ米大統領は「日米安全保障条約に基づく抑止力に対する米国の責務を確認する」とした。これは北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の核実験をふまえ、ブッシュ政権が「拡大抑止」の戦略にもとづき、日本への「核の傘」の提供をあらためて保証することを再確認したことを意味している。
また、ミサイル防衛についても、日米間の「協力を強化、加速」するために日米両国の外交・防衛閣僚レベルでこのことを検討することで合意した。
さらに「米軍再編」についても「確実な実施」で合意した。これは「同盟変革」の推進のコインの裏表の関係にある「基地問題」を安倍政権でもひきつぐことを誓約したものである。
マスメディアは北朝鮮の核実験に対してどう対処するかに報道の重点を置いていたが、日米同盟強化路線の継続というポイントをおさえておく必要があろう。
この点で「ある外務省幹部」が「ブッシュ大統領がどんな状態になってもついて行くしかない。表で大統領と親密に付き合いながら、裏では民主党とも握手するしかない。悲しいけど、それが現実だ」と語ったとの「朝日新聞」(11月19日付)の報道は、中期的に見た場合の今回の日米首脳会談の位置をよく示しているといえよう。
(06年11月29日記・松尾 高志)
Posted: 土
- 1月 20, 2007 at 10:32 am