anpo 06/09/05


ポスト小泉政権は「同盟変革」を推進する

 ポスト小泉政権は、小泉政権が始動させた日米同盟の変革(アライアンス・トランスフォーメーション)=日米安保体制の再々定義という路線を加速・推進することになる。
 9月20日の自民党の総裁選挙に引き続き、22日の臨時国会の召集、同日中の国会での首班指名選挙、新内閣の組閣というポスト小泉政権形成のスケジュールがほぼ固まった。これは当初27日国会召集の方向で検討していたスケジュールを、小泉首相が新内閣を早期に発足させるのが望ましいと判断したことによる。この日程前倒しについては与党内では「安倍官房長官の首相就任を前提に小泉首相が決めた」との見方が広がっている(「読売新聞」・8月26日付)と報道されている。
 自民党総裁選挙を前に前哨戦が戦われているが、現在、立候補を表明している安倍官房長官、麻生外務大臣、谷垣財務大臣の3者の中でポスト小泉の座は安倍氏が継ぐことになることがほぼ確定的な情勢である。
 その安倍氏の言動はまさに日米同盟の変革の推進であることが鮮明になっている。
ポスト小泉の3候補が初めて一堂に会して各自の政権構想を表明した自民党の南関東・北関東ブロック合同大会(横浜市・8月22日)で、以下の点を明らかにした――
 ①憲法改正を政治日程に乗せる=「新しい憲法をわたしたち自身の手で書き上げていかなくてはいけない。新憲法を制定すべく政治スケジュールに乗せるためリーダーシップを発揮するときがやってきた」(「神奈川新聞」・8月23日付)。
 ②日本版NSC(国家安全保障会議)の設立=「日本の安全保障の基盤はなんと言っても日米同盟だ。同盟の信頼性が高まることによって、日本や地域の安全も向上する」(「産経新聞」・同日付)、「(日米両政府間の)政府レベルの対話を定期的、戦略的に行う必要がある」。(そのための組織として)「米国のホワイトハウスにあるNSCのような組織をつくらなければならない」(「神奈川新聞」・同日付)。
 さらに記者団に対して、8月22日、次のような意向を固めたことを明らかにした――
③集団的自衛権行使のための洗い直し=「海外での自衛隊の活動を円滑に進めるため、個々のケースごとに集団的自衛権の行使にあたるか否かを洗い直す」、そのために「有識者などで作る検討機関を政府内に設置する方針だ」(「読売新聞」・同日付)。
 また、25日に開催されたNPO法人「US-Japan LINK」主催の「自衛隊のイラク派遣・復興支援に関するセミナー」で講演して、次の点を明らかにした――
 ④自衛隊海外派兵恒久法の制定=「世界では不安定な状況が起こり得る。日本も国際貢献を果たしていくことは重要だ」「自民党で(自衛隊海外派兵のための)恒久法について議論している。議論を深め、政府も法律化していく作業をしていかなければならない」(「産経新聞」・8月26日付)。
 ⑤その際の武器使用=「一緒に活動している外国の軍隊が攻撃されたとき、(自衛隊は)黙ってみていなければいけないのか。真剣に考えなければいけない」(同前)。
 これらはいずれもが「同盟変革」=日米安保の「再々定義」を推進する内容であることは明らかである。

(06年8月28日記・松尾 高志)

Posted: 月 - 9月 11, 2006 at 12:24 pm        


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