anpo 07/4/5
日本版NSC(国家安全保障会議)新設にむけて
の報告
安倍首相の提唱する「日本版NSC(国家安全保障会議)」についての諮問機関である「国家安全保障に関する官邸機能強化会議」(座長・石原信雄元内閣官房副長官)が2月27日に「報告書」を決定し、安倍首相に提出した。
報告書は「国家緊急事態」という新たな概念を創出して、「総理官邸がリーダーシップをとって国家緊急事態への対処に関する基本方針」を示す、との構想を打ち出した。
国家行政組織として、報告書は現在の「安全保障会議」を「抜本的に見直し、その機能を吸収して」、「国家安全保障会議」(仮称)を「内閣の下に新たに創設する」ことを勧告している。
この創設される国家安全保障会議の構成員は、①内閣総理大臣(=議長)、②内閣官房長官、③外務大臣、④防衛大臣の4名に絞り、その会合は「少なくとも月2回」、「議長が必要と認める場合は随時会合」する。
この会合には、国家安全保障問題担当総理補佐官が「常時出席」するほか、「議長が必要と認める場合」は、「統幕長その他の関係者」が出席することができる。これら会議構成員でない者は「意見」を述べることはできるが、決定には関与しない。
また、国家安全保障会議は常設の「事務局」を下部組織として設置するが、この事務局長は会議に「常時出席し、議長の指示に従い、会議に関し必要な業務を行う」とされている。この事務局長は、二つのケースが想定されている。一つは国家安全保障担当総理補佐官が「兼任」するケース、もう一つは兼任しないケースである。後者の場合、事務局長は国家安全保障担当総理補佐官と「常に緊密な連携を図るもの」とされている。
問題の焦点はこの「事務局」にある。事務局は、①事務局長、②事務局次長、③事務局員、そして④顧問から構成される。事務局長は前述のとおり二つのケースが想定されており、事務局次長が「次官級」とされているので、事務局長は事務次官より高いランクのポストとなる。事務局次長は二人で、①外政担当の官房副長官補、②安全保障・危機管理担当の官房副長官補が指定されている。
事務局員は専任で、10~20名とされており、報告書では特に「自衛官を積極的に活用する」と明記している。また民間専門家、研究者も「加えることができる」とされている。事務局は総理官邸内に共同の執務室を置くこととなる。
こうした事務局を創設すると同時に、報告書はこれまで安全保障会議の下部組織であった「事態対処専門委員会」を「機能強化」して、国家安全保障会議の下部組織とするとしている。
報告書は国家安全保障会議の設置によって、外務省、防衛省等の「関係省庁の権限を変更するものではない」と規定しているが、この二つの――事務局と事態対処専門委員会との関係がどうなるのか、明らかにされていない。
(07年3月28日記・松尾 高志)
Posted: 水 - 4月 25, 2007 at 07:15 pm