Eno/Cale 「 Wrong Way Up」
を聴きなおしてみる。
このアルバム、イーノに対して少し堅苦しい実験的なアルバムを出す...なんていう先入観がある人は、一度聴いてみれば、、懐の深さを感じる一枚である。
先日のブライアンイーノの歌ものの新譜
に関するエントリ−でも書いたが、ブライアン・イーノが主体的に歌っているアルバムが90年代に一枚あるのだ。ジョン・ケールとの共作で制作された、「Wrong
Way
Up」である。これが発表された当時、筆者は高校生くらいだったと思うが、マセタ高校生だったので、イーノサウンドの秘密を暴こうと、相当に繰り返し聞いていた記憶がある。そんなヘビーローテーションアルバムも最近ではあまり耳にする事が無かったのだが、今回の新譜に合わせてイーノの過去の作品のを再評価してみようと思いたちCDを探して聴いてみた。B&Oのオーディオで再生をスタートしてみると、やはりと言うか,,,一曲目からストレートなポップアルバムである事が再認識された。「LAY
MY
LOVE」は、えらくキャッチーなテーマに沿ってブライアンイーノの独特の歌声が聞こえてくる。アフリカやゴスペル等の影響を感じるコーラスワークは当時から今にいたるまでも基本的に不変である。このコーラスワークはたまらなく気持ちよく、心に響いてくる。ケールと曲毎にボーカルを交互に担当していたりするのだが、意外とこの二人の声質が近いようで、声というポイントから見た場合、アルバム全体を通して非常に統一感が感じられる。この辺りも、一度きりのこのコラボの奇跡的な産物だと私は思う。あくまでもポップミュージック的というか、4分前後の曲の中でも、やはり興味深いサウンドアプローチが随所にちりばめられている。安っぽいシーケンスパターンがそこら中に登場し、無機的であまりに安っぽいサウンドが非常に良い味を醸し出している。このアルバム、少し堅苦しい実験的なアルバムを出す...なんて言う先入観がある人は聴いてみれば、180度考えが変わり、イーノの音楽における哲学には一本筋の通ったこだわりがあるが、実は物凄く広い音楽性を持ち、あらゆる所に独自の引き出しがあるのだという事を再認識するだろう。あと、このアルバムの大半はメジャーキーの曲で占められている所も、一種の陽気さ/能天気さを演出するのに一役買っていると思う。勿論、マイナーキーのしっとりした少し叙情的な楽曲も含まれているが、暗いというよりは美しいという表現が当てはまるだろう。曲調を問わず、解り易いポップアルバムに仕上がった要因の一つとして、メロディーラインが非常にシンプル且つ普遍的な美しさを持っている事が重要だと思うのだ。ポップスとして、曲がとても良いのである。覚え易いキャッチーさも持ち合わせている。芯がしっかりしている性か、サウンド等に不思議と古さ等も感じられない。こんな名アルバムだが、当時のインタビューで応えていたが、「もう組む事は無い。」と行っていた通り、それ以来このユニットの続編は無い。一枚だけ突如現れた、失われた名盤といえるのではないだろうか。デヴィッド・バーンと組んだ時もそうだったが、才人が二人という組み合わせはエネルギッシュすぎて長くは続かないのかもしれない。UKロックの伝統的なテイストと実験性を持ったこのアルバムは一聴の価値があると思う。今まで耳にした事の無い人は一度聴いてみると新たな発見に繋がるだろう。洗練された第一級のポップアルバムとして評価したいアルバムであると思う。新しきを知るためには過去も見てみるべきなのだ。PS.なんと未発表テイク2曲と、新しいジャケットで再発売されるそうです!
おすすめ度
Posted: 水 - 8 月 3, 2005 at 03:42 午後
Eno/Cale 「 Wrong Way Up」
を聴きなおしてみる。
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