生き物の様なサウンド。ブライアン・イーノの新譜が出ている。


イーノにとって久々の歌ものアルバムが出ているようだ。ポップでありながら興味深いサウンドも随所に現れている。

昨日渋谷のHMVを覗いた際,セールが開催中の同3Fフロアで、何処かで見覚えのある顔写真を発見。
一瞬誰だっけ?という感じだったが思い出した。そう、ブライアン・イーノである。なんと久々の新譜がリリースされていたのだ。
しかも、解説を見てみると今回のアルバムは歌物だという。歌物は、ジョン・ケールとの共作アルバムで1990年の「Wrong Way Up」以来である。

ブライアン・イーノって名前を聞いた事はあっても今一"ピンと来ない"人が多いかもしれないが,むしろ自分のアルバムより、U2のアルバムのプロデューサー等としてのほうが有名だ。トリートメントなる表現でU2の音楽に深みのあるエッセンスを提供している才人なのだ。
サウンドのアプローチは、何がどのように良い等と説明出来る様な簡単なものではないのだが、
その他にもトーキングヘッズや、デヴィッド・ボウイなんかとも共演したりしている。
今もって音楽界において最も重要な人物の一人だと筆者は思う。

かつてのアルバムもそうだったように、イーノのボーカル物って声をイーノ流の楽器と捉えた様な独特のアプローチで、ゴスペル的要素を始めとして色々な実験的な要素がフィルターを通して表現された独自の世界なのだが、今回も正しくその路線を突き進んだ、独特の音世界である。独特だが、それほど気難かしくなくて、楽しみ易いのが今回のアルバムの特徴でもある。

ちなみに、70年代のRoxyMusic在籍時に聴かれた様なEMSっぽいシンセサウンドもそこら中に出てくる。シンセがまるで生き物のような表現力を発揮しているのだ。

何回か聴き終わった時に思ったのは、何かしながら聴くのにも適しているなという事。どうしてそう感じさせるのか自分也に考えてみたが、どうもテンポに鍵がある気がする。
遅くも速くない曲のテンポは、何気なく何回かかけるとハマってくる様なサウンドで、知らないうちに惹き込まれて行く。
お得意の、丁寧で心地良いシンセサイザーによる表現は瞑想的な要素も感じられる。
当然ながらサウンドのオリジナリティ/クオリティは非常に高いが、外見的なフォーマットとしては、いわゆるポップミュージック的な体裁を持っていて、4〜5分のコンパクトな曲が揃っている。この点も非常に聴き易い。

やっぱイーノのボーカルってやっぱり味がある。ヘタウマなんだろうけど。心地いい。コーラスワークなんかはエンヤの向こうを張れる位独創的な
世界である。
音の演出もさることながら、今作は曲も普遍的で口ずさみ易いものも多い。
ジャケットデザインのセンスも、どこか70年代末のイーノやRoxyなどの雰囲気を感させてくれて、その手の音楽のファンはニヤッとしそうである。

まあ、蘊蓄無しで、今まで一度も聴いた事の無い人にもお勧め出来るアルバムである。


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Posted: 水 - 7 月 20, 2005 at 02:52 午後          

生き物の様なサウンド。ブライアン・イーノの新譜が出ている。
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