シトロエンのフラッグシップC6を試す!(前編)
ただし、しばらく車内にいると、チープさよりも、投影式のスピード表示のギミックや、木目調のプリントがあしらわれたドアポケットのスライドする大きなふた等、大胆な仕掛けの要素を持ったアソビのデザインに徐々に目を奪われこれはこれでいいかなと思ってしまうから不思議だ。
以前の記事でも書いたが、私はこの世の中に山ほどあるブランドの中でもライカ、アップル、シトロエン
は信者が支える、熱狂的なブランドだ。
そのシトロエンが2006年末に十数年間という封印をといて、そのラインナップにおけるフラッグシップモデルを登場させた。
最近の同社のモデルナンバールール(cから始まる)によりC6と名づけられた車だ。
堂々とした全長5メートル、幅的にはセルシオ並みの大きさを持ち、デザイン的には流線型で、平たくて長いホイールベースを持ち、ダブルシェブロンを誇らしげにまとったグリル一体型のボンネットを持つ、旗艦モデルだ。
私は以前からシトロエンは気になっていたが、独特のハイドロの乗り味は理解できてもC5などにおけるどこかフツーなデザインがいまいちなきがしていたのだ。
でも、今回のC6は違う。シトロエンを形容する言葉として、各メディアで散々連呼され、百万回は聞いたんじゃないかと思うような、”アバンギャルド”なる言葉が、今回はとても心地よく感じられた。
古きよきシトロエンの良い意味での思想を現代のテクノロジーとマーケティングによって具現化させた一台に仕上がっていると思えるのだ。
外装
どこかアウディの先代A6にも共通するような特徴的なヒップラインと、アウディではありえなそうなアソビ心に細くて縦に長いテールランプ、ダブルシェブロンをあしらったグリル一体型のボンネットは凡庸な表現だが斬新である。
おまけに、ボディワークに呼応するかのように、一見するとデザイン優先に見える、18インチのアルミホイル。今までの華奢なイメージでなく明らかに力強さも感じるデザインだと思う。
内装
これはドイツのプレミアム哲学に飼いならされた輸入車ユーザーの視点から見ると、ダイナミックだが質感は低いと思える節もある。
レザーをふんだんに使った独特のやわらかさを持った、シトロン伝統のレシピによるシートで、前後にシートヒーター標準装備、オプションでリアシートにはリクライニング機能まで装備可能。
シートの心地よさはすばらしいが室内全体的にはどこかチープ。
ただし、しばらく車内にいると、チープさよりも、投影式のスピード表示のギミックや、木目調のプリントがあしらわれたドアポケットのスライドする大きなふた等、大胆な仕掛けの要素を持ったアソビのデザインに徐々に目を奪われこれはこれでいいかなと思ってしまうから不思議だ。
最近の車にはリアシートがホールディング式になっていることが多いが、C6はさすがにプレステージサルーンということもあって荷物の可搬性を優先されていない。
それでもスキーなどの”長いもの”の搭載に都合が良いように、トランクスルーの機能は装備している。
早速走り出す!
交通量の少ない環状線に合流してすぐにわかるのは、18インチというタイヤから想像もできない穏やかな乗り心地である。これは筆舌に尽くしがたい。
これはシトロエンマジックと言って差し支えなさそうだ。
それでいて、ただ単にフワフワしている訳ではなくて、路面の情報はステアリングに適度に届いてきていて、"ああ、ちょっとバンピーなんだな"などという確認は可能なのだからなんか不思議である。
エンジンはPSAのV6,3000ccとアイシンのティプトロつきの6速AT.で、加速時のスムーズさおいてに申し分なし。
エンジンは1.8トンを超えるボディを走らすには非力か?という予測を見事に裏切ってくれて必要にして十分な加速をストップアンドゴーの多い都市部において、もたらしてくれる。
6速ATの恩恵か燃費も7キロ台に達しているようだ。
これでいい。
でも、過剰な期待は禁物。シトロエンの進化との本質はエンジンの進化ではない。
狭いところではちょっと注意!
車の回転半径は、カタログ数値では大きいが、意外にも車幅と奥行きを捕らえやすいデザインのためか、違和感というものも意外と少ない。
慣れれば十分に都内でも楽しめるし実用的でもあろう。
ただし、デザイン上、そして、年々厳しさを増す衝突安全基準のクリアのためか、フロントオーバーハングはかなり長いので、都市生活において、デパートのスロープなどに入れるときは一定の注意が必要だと思われる。
特に危険なのは渋谷西部である。建造が古く、構想の螺旋状スロープを中心としたテクニカルなコースだ。
そんなシーンでは、オーバーハングの長さと、全長の長さが冷や汗をかかせてくれる。
こんな調子で今までのヨローッパ車なら、ひたすらユーザーに慣れを要求して来たのだが、底はマーケティングの成果も現れているようだ。
フロント、リヤには小障害物感のためのソナーも備わっていて、時速10キロ以下の低速走行なら警告音で知らせてくれる。
大きいボディを補う効果はそれなりにあるといえるかもしれない。
車高を”上げ下げ”はシトロエンの楽しみ?
さらに、どうもスロープで車のそこをすりそうだなと思ったら、伝家の宝刀ハイドロサスの車高調整機能すいっちであげてあげればいい。
これは、いろいろな理由をつけてはいるが、単純に車高調整機能は面白いしシトロエン独特の優越感に浸れる瞬間であろう。
デザインもいいが質感向上は課題であろう。
細かい不満はあってもトータルではかなり独創的で比類のない世界観を達成した一台に仕上がったと思う。
いい感じだ!
次回は長距離テストの模様をリポートする。
Posted: 月 - 1 月 22, 2007 at 10:45 午後
シトロエンのフラッグシップC6を試す!(前編)
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