Audi A6 Avant
2.4 ちょっと大きいけど..イイ車!
アウディ標準のサウンドシステム自体はそれ程悪い音質ではなく、むしろ音が良い部類に入るであろうが、このBOSEサウンドシステムにすると、音響的なキャラクターに、もう一段階、解り易さというパラメーターが追加される。
Audiのミドルサイズ、A6のワゴンであるAvantを暫くの間テスト。都内での使い勝手、走行フィール、燃費等をリポート。
最近、BMW3シリーズを初めてして、Alfa159しかり、全幅が1.8メートルを軽く突破している。都市生活者の視点から見て、抜け道を多用する様な走行にとってはどうなのか、カタログスペックでは計り知れない実際に走らせた感想を述べて行きたい。
尚今回用手配されたA6は2.4LのV6エンジン(直噴型ではない)を搭載したFFモデル。アウディで言うところのマルチトロニックというCVTを介して前輪を駆動させるベーシックグレードであった。
外装
このA6Avantは以前アルファロメオデザインセンターに籍をおいたデザイナーのワルターデシルバの影響を濃厚に感じる。
彼ががアウディにやって来てから勢いを増したデザインの意匠変更だが、このA6においては全く違和感がない。
A4は上手くまとまってこそいるものの、フェイスリフトの是非に関する論争が耐えない。違和感を感じるユーザーもいるという事実がある。
対して、このA6は新しくボディワークによりゼロから一作られた新車故にまとまりは当然の如く完璧。
ルーフに取り付けられたアルミ製レールはボデイーの曲線との間の一体感を表現。彫刻的な曲線である。これはセダンと大いに違うアピールポイントだ。
筆者は、なにしろこのルーフレールが気に入った。
近年、TT以降アウディの持つモダンアートの様なミニマルさを持つイメージとにグラマラスさを足した様な表現とでも言うべきか。
官能と機能美のダイナミックかつ正しい融合である。
履いているのは17インチで、サスペンションは金属バネ。上位モデル(クワトロ)には、エアサスペンションが装備されたりオプション設定等があるが、2.4LのFFモデルにその設定は無い。でも安い。
内装
A4比較で、やはりメルセデスで言うところの”クラスという発想”を意識させてくれる様な丁寧でモダンな仕上げであり、A4のコンソールより明らかに設計コンセプトが新しい。具体的にはカーナビのディスプレイのポジションが高い位置にある事や、MMIと呼ばれる総合コントロールシステムの成熟等が挙げられる。
計器類はA4とは違うもの。残念な点はメーター周りのパネルがアルミではなく塗装によるアルミ風部品になっている事くらいか。これは質感を損なっているように多少感じる。
シートはファブリックであったが、A4でもそうだったように非常に品質が高い。決してしショボクないのだ。革ではなくてこのファブリック素材を選ぶという事が、もはや予算的制約による消去法的なセレクトでは無いのでは?、と思えるような出来だ。ポジションは当然、電動調整機能/メモリー付き。
オーディオ
この試乗車には標準でBOSEサウンドシステムが組み込まれていた。A4に搭載されているようなアウディ標準のサウンドシステム自体それ程悪い音質ではなく、むしろ音が良い部類に入るであろうが、このBOSEサウンドシステムにすると、音響的なキャラクターに、もう一段階、解り易さというパラメーターが追加される。
ジャズ等を懸けると確かに気持がいい。ヒップホップなんかも気持よく感じてしまう。
このサウンドキャラクターは車種が変わってもBOSEサウンドシステムに共通したキャラ作りである。AlfaRomeo147の音質とも当然近い。違いは、スピーカー数の違いと配置の違いで、もう少しマイルドに包まれる様な自然な鳴り方をしているのもまた事実。
まあ、それ程悪くないといった印象。でも、個人的には50万円くらいのオプションでB&Oのオーディオを投入して頂きたい。
エンジンスタート
このA6Avantは新世代の車らしく、イグニッションキーはステアリングコラムに差し込まずにダッシュボードに差し込む方式である。
V6エンジンにバランサーシャフトを組み込んだエンジンは振動も少なく、ステアリングに振動が僅かしか伝わらないのも上質感を高めている。
走り出してみると
ダッシュボードのイグニッションキーを捻り、いざ走り出してみると、驚く様な加速力がないのは同じくマルチトロニックを搭載するA4AvantのFFモデルでも体験済みな事だが、とにかくスムーズで独特の発進感覚は電車ライク。
急な上り坂でも、V62.4エンジンはほんの少しだけ非力な所を見せる意外は、スムーズそのもの。こんな所にマルチトロニックの進化を感じる。A4に使われている物よりもっと進化しているのだ。
A4の2.0に比較すると絶対的パワーは充分(177PS)で、マルチトロニックならではの合理的なパワー消費をしている賢い車である。
少し走り出せばシフトショックがゼロの加速が味わえる。一番トルクが充実しているエンジン回転域だけを使って走行出来るので最高に気持いい。
最初に少しぐぐっとアクセルを踏んでから少し戻してホールド、エンジン回転は一定のままベストな走行抵抗で走行を続けられる。
合うディーの全世界規模な強力なマーケティング戦略により、アウディといえばクワトロ(4輪駆動)の印象が強いユーザーもいるだろうが、先入観無く乗れる人にとってはかえってこちらのグレードの方がお買い得で走りも十分。4輪駆動システムはベーシックより120キロ以上も重いのだ。FFモデルなら(排気量が小さい事もあって)燃費もクワトロと比較すると良い筈。
室内静粛性に関しては、クラウン等よりは適度にメリハリがありスポーティさを感じる。不快なノイズではない。むしろこれくらいはあった方が車を走らせている感覚が伝わってくる。そうでないと眠くなる。
素直なステアリング
ステアリングフィールは速度感応式パワステのサーボトロニックの御陰で軽快そのもの。都市走行においてこんなに便利な物はない。狭い路地や車庫入れで大活躍する。A4より横幅や全長の長いA6では必需品である。
反応に関しては、クイックではあるがどちらかというと安定志向。ただし、かなり正確。タイヤが無駄に動かない。エンジンパワーは低めだがワインディングを攻めてもラインを正確にトレースしてくれる。
一方80キロ前後からの高速走行時はかなりステアリングが重くて安定する。例え、指一本で支えても直進安定性は抜群。
サスはベーシックグレードという事もあって乗り心地を重視している。低速で路面の悪い所を走行してもボディ剛性が圧倒的に高い性か、ビビリや嫌な入力が室内に伝わるケースは少ない。いなしも上手いサスペンションである。
上級グレードにはエアサスが用意されるが、この金属バネのサスでも悪くないどころか一級品。これしか設定が無かったとしても違和感が全くないと思う。
高速走行時は引き締まったボディが軽々と段差をいなして行く。高速での乗り心地はやはり格別だ。
ボディサイズ拡大のデメリット?
このA6はFFながら縦置きエンジンを採用しているのでタイヤの切れ角は大きいし、サーボトロニックとの軽快な操舵感と相まって縦列駐車や車庫入れもさほど苦にはならない、室内からの後方視界も良好。
最小回転半径は5.7m。この巨体にしては極めて良好な数値だ。
ちなみにこのクラスで最も性能の高いのは、Eクラスの5.3メートルだがこれはもはやメルセデスが誇るお家芸の一つであろう。(レイアウトを工夫しない限りかなわないだろう。)
やっぱり大きいかな?
それでもやっぱり全幅が1850ミリというのは都市生活においてギリギリのサイズだとおもう。狭い路地での交互通行等ではかなり気を使った。
同様に西武デパート駐車場の幅の狭い螺旋状スロープにおいて結構スリリングな走行となってしまった。
それと付け加えるなら、トレッドも旧モデルに比べて拡大されているので、古い立体駐車場には結構入らなくなるケースが多いと思う。これも居住空間と倉庫との性能を勘案した結果だと言う。後部座席の傾きも適当で疲れが少ない。足下も非常にゆとりがある。
ボディサイズがデメリットかといえば、どちらかといえばメリットの方が多いと思う。何しろ以前のA6より価値のある室内空間を提供しながらも、トレッド/ホイールベース拡大による走行性能の向上にその効果が現れたのだから。
燃費
燃費に有利といわれるマルチトロニックだが、都市走行において平均燃費は何とか6キロ台。夜間の空いている時間だと9キロ前後走る。
日頃走行する、都内屈指の渋滞ポイントでの値である事も付け加えておきたい。
まあ冷静に考えれば1.7トン以上もある剛性感の高いボディを僅か2.4Lのエンジンで、きちんと走らせるマルチトロニックは極めて合理的で知的ともいえる。
ラゲッジルームは使い勝手抜群。
当然の如くラゲッジルームは広いものの、そのボディサイズからすると広大な感じはしないが、入り口がフラットで奥行きもある。と、ここまではよくある事。
このクラスのワゴンのラゲッジルームは広いのは良いが、だだっ広さ故に使いにくいと感じる、贅沢な悩みを持つ人もいるという。
それをアウディは解決している。使い易く簡単にしきれる様な仕組みを提供しているのだ。重箱の中を仕切るようなレール付きの仕切りがある。
ラゲッジルームの内装も丁寧そのもの。これぞプレミアムなおもてなしという物である。
スタイル重視、でも中身も濃いステーションワゴン。
スタイルは極めてスタイリッシュ。内装によってはラグジュアリー感も演出出来るし、VIPの送迎に使っても恥ずかしくない様な質感の高さを持つ車。
走らせても素直で上質な走行が楽しめる。強いて問題といえば、はやはり少々アンダーパワーという事ぐらいか。但しこれは都市生活において問題になる事はほぼゼロだろう。
一番低価格ながら都市生活を重視するユーザーにとっては一番マッチした選択肢だとおもえる。だってこれはライフスタイルワゴンなんだから。
それにしても、A4以降のグレードは高品質で走りも良いのにイマイチな売れ行きという声もちらほら聞こえてくる。アウディの最大の問題はEクラスや5シリーズと比べたらリセールで若干不利な所だろうか。
まあ、それを気にしなけりゃ最高にいい。私も欲しくなりました。最高に仕立てのいい車だ。
Posted: 月 - 12 月 3, 2007 at 12:16 午後
Audi A6 Avant
2.4 ちょっと大きいけど..イイ車!
Trackback URL for this entry : http://haloscan.com/tb/yoichirot/E20060301121654