Audi A4 リポート 1 マルチトロニックの魅力は?


唐突であるがテスト用の車がAudi A4 Avantに変わった。それもクワトロでなくベーシックなFFモデルに。
従って暫くの間Audiに関する使用感をリポートして行く。今回はFFモデルの特徴である変速機、マルチトロニックの感想を。

80年代初頭にアウディクワトロがラリー界を席巻し、日本が誇るプラモデルメーカーである田宮が模型を出したりして以来、筆者の中ではAudiと言えばクワトロだった。
強力なブランディングの御陰でクアトロに比べて少々しょぼいと思っている人がいるかもしれないが、FFのアウディは完成度が高く洗練されている。4輪駆動の仕組みを、持たない故に軽い。その結果、軽快で燃費も良い。都市生活に最適なのだ。そんなFFアウディの魅力をお伝えする。

ところでマルチトロニックとは?
Audiがマルチトロニックと呼んでいる変速機。これは一般的にはCVTと呼ばれる物だ。
プレミアムカーにCVTは向かないというように一般的には考えられていたが、このA4販売開始の前に既にミドルサイズセダンのA6のFFモデルには搭載されていた。

99年登場のA6に搭載されたマルチトロニックは既にかなり完成していたようで、第2弾として登場したA4はそれに輪をかけて洗練され完成した状態で市場に投入された。
そして今回のビッグマイナーチェンジを受けたNewA4のマルチトロニック、さらに細かい点が確実に改良されているのが良い。

FF車用のミッション
現状ではマルチトロニックはA4,A6,A8のFFモデルにのみ搭載されている。特徴は非常に滑らかで息の長い加速を見せる事だが、発進時に2=30キロくらいまでの短い間に雑音が気にし出すと少し気になる。ブ〜ンと唸る様な音で、それほど大きい音ではないが少々安っぽいのは事実。
但し、以前のモデルよりは低く抑えられており、一般的には不満はでないのであろうが、プレミアムを語るなら改善しても悪くない。

極稀に癖が出るときも...
坂道発進や急加速時はやはりCVTライクな特性がひょこっと現れる事もある。Dレンジのままの走行では回転が高まる割には速度が乗りにくいという癖を感じる事も無い訳ではないのだ。
エンジン回転と速度が少々釣り合っていない様なときもあるにはある。
その時はマニュアルモードかSモードと呼ばれるスポーツ走行用のレンジに入れれば少しだけ力強くなる。

突き詰めると癖が無いとは言えないと思うが、発進してしまえばあとは快適で静粛性も物凄く高い。CVTの特性である無段変速により、あまり回転が高まらないまま日本の道路交通法においてマズい速度に達する事もある。気がつくとこの速度...って感じだ。のんびりしてそうで実は結構速い。

他には、あまり使わないと思うがシーケンシャル(マニュアルモード)のシフトアップダウンの切れはかなりいい。アルファのセレスピードと比べると構造も感触も違う物だが反応はかなり良い。意外とこれは特筆すべき点かもしれない。これを駆使すればワインディングでもかなり楽しめるだろう。エンジンを高回転まで存分に回す事も出来る。

CVTの悪癖と思しき点を少しヅツだが着実に改良しているアウディの技術陣には敬意を表したい。

将来性は?
2005年頃に通算の生産数が50万機に達したと言うこのマルチトロニックではあるが、
この技術は将来的にはDSGと呼ばれるシーケンシャル機構を持つ変速機に取って代わられる可能性もあるのではないかと思う。
VWグループの車にも搭載されているこのDSG変速機は絶対的生産数では遠からず逆転すると思う。

DSG搭載の車、アウディA3スポーツバックもテストした事があるが、DSGも良いミッションだ。CVTと比べるとシフトマナーにメリハリがある。スポーツ走行時のマニュアルシフトはメチャクチャ上手くて楽しい。
ただし滑らかさではCVTだと思う。ただしこのマルチトロニックは現状ではクワトロに対応していない。恐らく今後も現れない気がする。

少々先行きが不安なマルチトロニックだが、こんなに良い乗り心地に大きく寄与するミッション、これからも続けて欲しいと思うのは筆者だけではあるまい。

都市走行時において、発進時以外に加速性能等での小さな不満以外は皆無と言える。これからも着実に進化して行って欲しいA4とマルチトロニックである。


Posted: 金 - 2 月 17, 2006 at 10:08 午前          

Audi A4 リポート 1 マルチトロニックの魅力は?
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