クライスラーの巨大なセダン300Cをドライブ!


筆者にとってアメリカ車は今までに所有した事もないし、さほど興味をもった事もあまり無かったが、300cには少し心を動かされた。洗練された悪っぽさを持つデザインと、それとは裏腹のカチッとした基本性能に...


ヨーロッパ車が好きな筆者にとってアメ車は縁遠いものであったが、このクライスラー300C には一目惚れ。
一度試す事にした。

ショールームで対面した300Cの第一印象は、やはりそのフェイスの持つ独特のワルっぽさだ。メッキされた巨大グリルはSクラスのベンツにも負けないインパクトを持ち、デザインにより実寸以上に巨大に見えるボディには18インチのタイヤを履いていおり、威圧感はこの車の実際の価格以上の物を持っている。

運転したのは、二種類ある300cのうち、往年の名エンジンの名を冠した5.7LのV8HEMIエンジンを搭載したグレードである。
今回は試さなかったが、V6 3.5Lのリ−ズナブルなグレードもラインナップされている。

ドイツ系のシャーシーで高剛性&コストダウン実現
シャシー性能に関してこれが抜群に良い。ダイムラーとの合併によりダイムラー・クライスラーとなった恩恵か、この300Cのプラットフォームは先代のメルセデスベンツEクラスの物であり、プラットフォームを共有する事によって開発コストを削減出来たという。当然高い剛性感にも寄与しているのは疑いの余地のない所だ。

とはいっても、ボディサイズは明らかにEクラスより大柄で、ホイールベースやトレッドも違う。サイズ的にはSクラスの車なのだ。

エッジの効いたデザインはいかにも悪っぽい...
外装のエッジが効いたデザインは非常に好感が持てた。トランクスペースも十分以上。このクラスのセダンにしては珍しい?トランクスルー機能もあるので長い物も収納出来る。
意外と親切な機能がある物だと少し関心しながら運転席に座ってみると、シートの堅さは殆どベンツ。
仕立てはいいが、アメ車のダラダラしたシートを想像すると多いに肩すかしを喰らう。

本木目のあしらわれたステアリングには、最近の車らしく、オーディオのコントローラーが装備され、音量調節や曲選択が出来る。
ATのシフトレバーはベッコウ風のシフトノブが奢られて、ちょっとクラシカルな雰囲気を醸し出している。

機能的にはエアコンも効くし、カーナビも最新式。まさに至れり尽くせり。
後部座席の座り心地も広大な空間故に快適そのもの。
ただし、一つしかない後部座席の吹き出し口は左右のショルダーライン当りにも装備して欲しかった。

運転してみると
エンジンをスタートさせると、筆者がアメ車に抱いていた、あのV8エンジンの脳天気なサウンドとはかけ離れた、どちらかと言うと、普通且つ静かなエンジン音に驚かされる。
エンジンはOHV方式。このあたりはアメリカのこだわりとでも言うべきか。
アメ車としては、この車、いわゆる”音振”にも相当な注意を払って作られており、乗り込んでからその分厚いドアを閉めると、室内の静粛性は非常に高い。また、ドアを閉めたときのビビリ等はなく、建て付けの良さも感じる事が出来る。まるでドイツ車である。

さあ、公道に合流、、、というところで、この車のある意味での本領を少し発揮してしまった。
交通量が多く、比較的流れがあり、合流時に通常はなかなか譲ってくれない様なところで、直進して来る車に道を譲られてしまった!
筆者の身なりが”それ”っぽかったのか、この車の持つ威圧感かは議論の別れるところではあるが、とにかく、スムーズに公道へ!

アクセルを踏み込んで進んで行く車の感触は、とにかく”軽い”感じがして仕方がなかった。2トン近い車なのに、まるでストレスを感じさせない。これも5.7Lのエンジンの恩恵であろうか。そして、加速しようとして強めに踏み込むと、あっけないくらい静かなエンジンサウンドを伴い、大排気量自然吸気エンジンの持つ、”塊感”のある加速を楽しむ事が出来る。カタログスペックの0-100K加速6秒台という謳い文句の片鱗をかいま見せてくれた。
大袈裟でなく速い!

ハンドリングはどちらかと言うと安定志向のセッティングになっているようで、この触感もベンツ風。終止若干アンダー気味に感じられる。
ただ、これはネガティブな意見ではない。この巨体を高い剛性を伴ってグイグイとスムーズに狙った所をトレースして走って行くのに十分な能力が備わっていると思う。この基本性能は正しくベンツ譲りだ。どこかかつての名車560SELを思い出した。ボディ剛性がサスペンションの働きをよりしっかりと確実なものにしているようで細かい轍や段差を超えた際にも乗り心地は良い。

状況に応じて4気筒に切り替え!
ここでHEMIエンジンについて少し解説すると、 HEMIには走行の際負荷が一定以下(エンジン回転数が1000〜3000rpm)の場合、8気筒の内の4気筒をストップさせるという省エネ機能がある。例えば、このシリンダーストップ機能は高速巡航時等に威力を発揮するという。これにより燃費は5〜20パーセント前後向上する。
市街地走行中においても急発進が必要ないときはこの機能が働く事がある。4気筒走行への切り替えは完全に自動で行われ、運転者は一切意識する必要もないし、スムーズ故に気づく事もない。

昨今のガソリン価格高騰の状況下においても、大排気量のエンジンの魅力は捨て難い物がある。そんなユーザーには嬉しい仕組みであるかもしれない。まあ、幾ら半分のシリンダーを停止しているといっても、根本的には燃費は悪いとは思うが。

ボストンアコ−スティック製オーディオ
あと、この車、オーディオファンにも訴える物がある。そう、アメリカンオーディオの老舗であるボストンアコースティック製のオーディオシステムを標準装備しているのだ。
この室内で筆者が持ち込んだ、DianaKralの「Live In Paris」をバランス良く再生してくれた。気持いい!
とにかくナチュラルなサウンドである。
ただし、素質は良いが詰めが少々甘い様な音質というのも付け加えておく。本当に音にこだわるなら社外品をどうぞ。

安い。
この内容で600万円台というのは、ある意味大バーゲンであるといえる。
確かにアメ車としては内装が少しサッパリし過ぎな気がしないでもない。ドイツっぽい走行フィール共々、スタイリングに関しても古くからのアメ車ファンには物足りなさが残るだろう

しかしながら、その整然とした作り込みは現在の主流である、ドイツや日本車の様なカッチリとしたテイストの影響を受けていると思われ、アメリカ車と言えどもグローバルマーケットを直視しなくてはならない状況を見据えた、ある意味正常進化というか、アメ車なりの前向きな答えと捉えたい。



想像以上に良い車である。燃費の問題はあるかもしれないが、ベンツを買うよりもお得感は強いだろう。
Sクラスなみの意張りと走りを持った良い車がこの価格とは。余ったお金で、もう一台ロードスターとかが買える!

そんな楽しい暮らしを想像させてくれる様な一見脳天気、でも実は手堅い車であった。
少し見直したよ!アメリカ車。

300cにチョッピリ露出の高い日焼けした、ギャル系女性を乗せて、ジャラジャラしたアクセサリーを見に纏い、ルーズな服装でヒップホップを大音量でかけながら夜の六本木を走ったり、もしくは少しだけジェントルにチョッピリ仕立てのいいスーツを着て、夜の青山へGOなんてのもオツ。

■クライスラー日本 http://www.chrysler-japan.com/

Posted: 水 - 8 月 31, 2005 at 03:18 午後          

クライスラーの巨大なセダン300Cをドライブ!
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