子供には解らない老舗の味 ランチア イプシロンに乗る。
正規輸入元の無いイタリアの老舗ブランドの小型車はあくまでも優雅さを大切にしているようだ。
都内某所にてランチアの現行型イプシロンを試した。日本では正規輸入が無く、イタリア車のスペシャリストのガレージ伊太利亜が並行輸入を手がけているという、ある意味、枯れたブランドであるランチア。
日本人には中々判らない、ヨーロッパ貴族的テイストを持ったこの小型高級車はどんな味だろうか。
グレードについて
まず、日本に入って来ているイプシロンはハンドルは左ハンドルのみ、ボディーカラー見た区分で2種類、さらにそこからマニュアル/オートマチックが選択出来る。3ドアハッチバックのみで、5ドアは設定されていない。5ドアを設定し、小さな車なのに、無理して4人乗りを強調しない所も高級感や余裕を重視したランチアらしい。
エンジンはガソリンの1,4L4気筒のみ。
今回は、通常の単色ボディーで、D.F.Nなるセミオートマチックトランスミッションを持った車種が用意されたが、実は単色カラーの他に
”ビキニ”という2トーンカラーのグレードがあり、内装等もビキニ専用の物が用意される物も。
カタログでしか見ていないが、ルーフとボディが別色で、この色使いは、貴族趣味的高級感を更に醸し出している。
素敵でビビッドだが、乗るのにちょっと勇気がいるカラーともいえようか。但し派手好きの筆者は、諸手を上げて賛成なカラーである!
内装はイタリアらしい妖艶な魅力に!
室内を見た第一印象は、ずばり、”高級感の演出の仕方”に驚かされた。よく見ると、ひとつひとつの部品はプラスチックなのだが、色使いや、表面処理、配置の仕方で、新鮮且つ高級な印象を受ける。この”感覚”こそ伊太利亜仕立ての真骨頂、どことなく、妖しいイタリア社交界の香りすらうっすらと漂ってきそうである。
更に言えば、フルレザーに見えるシートも実は合皮なのだが、所々に絞り等が入れてあったり、かなり良い味を出す工夫には余念がない。そして決して安っぽくない。
インパネの組み付け等は今もドイツや日本車に及ばないが、やはりデザイン一発ではイタリアのコールド勝ち!
2トーンのカラーもイタリアらしい鮮やかな色使い。フカフカした座り心地の良さ、椅子文化の浅い日本人の感覚では絶対にこういう物は出てこないだろう。これがイタリア自動車文化の底力だ。
ただ、後部座席は女性か子供向きといえる。176センチの身長の筆者では長時間の登場はきつそうであった。
せめてもの救いは、後部も二人乗りの設定となっているため、シートの幅に余裕があるので横方向のゆったり感があることであろう。
センターに配置された計器類は文字盤がホワイトで字体もモダンクラシカルな雰囲気。スピードメーターは200キロまで刻まれている。
センターコンソールに配置されているのは、同じくフィアットグループの車のパンダ等にも用いられているシフトレバーが目につく。
縦方向に2つゲートが切られていて、左のゲートはマニュアルシフト、右のゲートに入れておけばオートマチックで変速する。
アルファのセレスピード等と同様にこのミッションにはクリープは無いので坂道発進は少し注意が必要。
他に目につく装備としては、BOSEサウンドシステムが標準装備されており、低音の効いたサウンドが楽しめる。
このあたりはAlfa147等のBPSE搭載車種と大体同じだと思う。
実際の走りは?
いよいよ走り出してみる。
横着な筆者はオートマチックモードで発進。走り出してみると、1.4Lのエンジンながら低速トルクがあり、よくしつけられた変速タイミングのおかげと、車重が比較的軽い事もあって非常にスムーズに加速して行く。適当に流している限りでは、エンジン音は思ったよりも非常に静か。
勿論、絶対的な早さは無い物の、ゆったりとした大きいストロークを持ったによる乗り心地も相まって、非常に高級な乗り味を得られる。ハンドリングは適度にクイックだが、けっして鋭すぎる様な味付けにはなっていない。あくまでも優雅なのだ。
同じ小型車であっても、ビッツではこうは行かないだろう。これもランチアというブランドの高級車作りの歴史がなせるレシピだ。
シフトレバーを左側のゲートに入れてマニュアル変速を楽しんでも見たが、非力な小排気量エンジンとはいえ、低速ギアで引っ張ってあげれば、都内等では十分な加速を引き出せるが、エンジン回転が四千半ばを過ぎた頃から少しやかましくなる傾向にある。これは小排気量の宿命だろうか。ただしエグゾーストも心地良くバランスの取れたサウンドを奏でるので気持良いと断言して良いだろう。
この車種はマニュアルギアボックスも選べるが、思いのほかDFNなるセミオートマミッションが完成している様なので、都内中心の使用を想定するユーザーは無理してMTを選ぶ必然性は少ないと言えると思う。渋滞時においてオートマモードは非常に便利だ。
それと、最近のイタリア車に共通かもしれないが、イタ車としてはエアコンも結構効く。
ブレーキフィールはそれほど強力なタッチを持っていないようで、初期制動も強くないと思う。ただし、この車格には必要にして十分であろう。
都会人にお勧め!
やっぱりこの車と支部に住む人のオシャレ車だと思う。乗る人の服装もそれなりに決めて、軽く流す程度が気持いい。
国産と比べれば高速走行の性能は高いが、そんなにがんばって気合い入れてぶっ飛ばす車ではないと思う。それよりは旧山手通りなんかのカフェにいったり、日常使いとして、松濤付近にちょっとお買い物に出かけたりするのに使うのが粋ってもんだと思う。
都市生活において服装とのバランスを含めた余裕のあるカーライフを実践したい車だと思う。
余裕があればセカンドカーに所有したいなと思わせる、凝った演出手法を持った小型高級車であった。
■関連リンク
→ガレージ伊太利亜のイプシロンのページ
Posted: 土 - 8 月 27, 2005 at 03:59 午後
子供には解らない老舗の味 ランチア イプシロンに乗る。
Trackback URL for this entry : http://haloscan.com/tb/yoichirot/E20050729155911