孤高の単機能録音マシン、SONY PCM-D1を試す!


ソニーが2005年末に発売したリニアPCMレコーダーを入手したので、雑感をまとめてみる事にする。

...レトロフューチャーなアナログメーターはどこかブリキのロボット玩具のような、愛くるしく、一度見たら忘れる事の出来ない強烈なデザインだ。

...高いビットレートや量子化によるサウンドは、クラシックの倍音、残響などの、リスナーの五官にたいしてアピールする物であると思っているが、実際にこのSBM機能を使って録音してみると、自然な感じに仕上がる。

唐突だが私は言いたい。SONYよ、やはり、あなたたちは偉大なる電機製造業者だ!

何お琴か判りにくくて申し訳ないが、若かりし頃(今もそうだが)オーディオや録音にどっぷりと浸かっていた筆者にとって、業務用機器をたくさんリリースしてプロっぽさをアピールしていた、SONYのAV製品はいつもなんだかんだ言って気になる存在だったし、今もそうだ。

ここ数年の経営不振や良くないニュースを聞いたりしてもやはり何故か気になるブランドだ。

そんなソニーが2005年末に発売したリニアPCMレコーダーを入手したので、雑感をまとめてみる事にする。

最初に結論めいたことを書くと、この製品は万人向けでもなんでもなくて、基本的には超マニアックで酔狂な物である。
一説によれば、今は亡きクオリアシリーズのラインナップであったというまことしやかな噂もあるくらい、こだわったモノなのだ。

今時、クオリティを考えなければ、携帯電話をはじめとするデジタルデバイスを用いて、恐ろしくローコストに録音という行為は可能だ。
それなのに、この製品、数値上はハイスペックだが、よく考えれば、ただ単に”ステレオで音を録ることが出来るだけ”の製品で20万円。
このデフレ時代に衝撃的ともいえる。

外見
何と言ってもブリキのロボットが微笑むような、憎めない、そして一度見ると忘れられず、一見しただけでこの機械がどのような機能を持っているかピンと来て、判るような、秀逸なデザイン。

こんなもん買うのはやはりイカレてます。(笑)

質感。
チタンに特殊コーティングを施したキヅのつきにくい筐体、強度と質感を両立しており文句なしに素晴らしい物だ。
内蔵されたマイクは削りだされたパーツを多用し、まるで昔のライカカメラのような”モノ”としての圧倒的な存在感をまとっているのだ。

圧倒的質感。
デザイン
この製品はスペック云々も重要だが、他の類似カテゴリー製品と比較して、やはりダントツにデザインがイカしている。
レトロフューチャーなアナログメーターはどこかブリキのロボット玩具のような、愛くるしく、一度見たら忘れる事の出来ない強烈なデザインだ。

録音レベルのメーターは暖かい灯りがともる。レトロ感の演出も心地よい、


デザインチームの遊び心が商品を一段高い次元に昇華させた事は疑いの無いところである。
これはデザインの勝利だ。


気になるサウンド...
24Bit 96Kでレコーディングが可能といっても、よくよく考えてみると、DTM(デスクトップミュージック)の世界ではそれほどずば抜けた性能ではない。
それどころかサウンドカードやioモジュールによっては遥かに上回る、24Bit 192Kなんて物も存在する。
ただし、X字に交差した内蔵のコンデンサーマイクは中々のもの。少々固めな傾向のあるサウンドで録音されるが、
それが生々しいサウンドを演出しているのかもしれない。

本体に4Gの内蔵メモリーを搭載していて、十分な録音時間が確保出来る。最高品質で2時間の連続録音が可能。
外部メモリーとして、メモリースティックProも利用可能である。

SBM(スーパービットマップ)機能は中々の物。
SBMとは16ビットの中に効果的に20ビット相当の音を詰め込む技術である。
高いビットレートや量子化によるサウンドは、クラシックの倍音、残響などの、リスナーの五感に対して強烈にアピールする物であると思っているのだが、
実際にこのSBM機能を使って録音してみると、より自然な感じに仕上がる。

SONY PCM-D1 リニアPCMレコーダー ソニー PCMD1
ヒスノイズのない世界。
かつてテープを使った録音を試みていた筆者にとって、物理的な動作メカニズムを持たない、メモリーに録音するレコーダーの、ヒスノイズの無い世界は結構衝撃的であった。
あまりにもクリアなのである。試しに室内でマイクで録音してみると、室内には微妙でうざったいハムノイズなどに取り囲まれている事が解るのだ
まずパソコンのクーリングファン、冷蔵庫のコンプレッサーの、空調ダクト、電源の発するノイズ等々、意外に多くの耳障りなノイズに囲まれているのだ。

PCM-d1の感度の高いマイクは、普段何となく見過ごしているような音すらも見逃さない。
楽器演奏にとどまらずあらゆる環境音などが、PCM-D1という録音マシンを通すときわめて立体的に再現される。

このマシンで遊んでみて、”都市生活は常に音に囲まれる”という事なのだと思える。
音に囲まれる状況からのエスケープ欲求が、最近のオーディオアクセサリーマーケットにおける、ノイズキャンセリング機能を持ったヘッドフォンへの需要となっているのかもしれない。




録音なんかしなくてもオトコは黙ってこのSONYリニアPCMレコーダーを買うべきだ!?
業務用としても通用する製品として考えれば安いかもしれないなとも思える謎と、SONYらしい、こだわりを持ったアイテムである。
所有してなんぼという世界でもある。
流通在庫は常に少なそうなので在庫があれば買っておいた方がいいだろう。


追伸、このレコーダーを使って録音させてくださるコンサートがあればお教えください。
サンプルを当サイトで掲載させていただくかわりに、録音データを提供いたします。

出来ればクラシックか、アンプラグドなジャズ等を希望いたします。
今後当サイトでは生録したサウンドを随時公開します。

Posted: 木 - 1 月 25, 2007 at 10:13 午後          

孤高の単機能録音マシン、SONY PCM-D1を試す!
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