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第39回余白句会記録
井川博年作成
日時
2000・2・26(土)
場所  
東京・浅草『台東区民会館・雷門出張所』
参加者
小沢信男(巷児)
アーサー・ビナード(ペダル)井川博年(騒々子)有働薫(みなと)小長谷清実(裏長屋)清水昶(青蛙)清水哲男(赤帆)白川宗道(宗道)谷川俊太郎(俊水)八木忠栄(蝉息)八木幹夫(山羊)多田道太郎(道草)
欠席者 加藤温子(花緒)木坂涼(紙子)國井克彦(裏通)中上哲夫(ズボン堂)全員投句あり。
ゲスト
酒井弘司(弘司)筑紫磐井(磐井)山本かずこ(かずこ)岡田幸文(幸文)
立会人
石井隆司(「俳句研究」編集長)
見学者
辻郁子 野辺明子 辻憲
兼題
シャボン玉・蕗味噌・風光る〔春〕(清水哲男出題)船〔無季〕一人4句。
選句
持点 天◎3点×1 地○2点×1 人△2点×1 □客1点×3
注)出席者のみ選

シャボン玉この世の刃物よけて飛べ 蝉息 ◎長 ○巷 ○み □宗 8点
風光る昭和の犬と遊びけり 赤帆 ◎か ◎宗 □ペ 7点
蕗味噌に信濃の雲はまざらむか 磐井 ◎青 △蝉 △宗 7点
フネという変な名の猫春隣り 花緒 ◎巷 △み □ペ □蝉 7点
蕗味噌や汝と隠れて暮らせしこと 赤帆 ◎俊 ○長 □騒 6点
蕗味噌に落魄の味愉しまん 裏長屋   ◎山 △幸 □青 6点
シャボン玉戦争いまも続きおり 弘司 ○幸 △俊 △道 6点
しゃぼん玉割れるな隅田川までも 巷児 ◎蝉 □道 □弘 □磐 6点
冬の虹無人の船にTUJIYUKIO 巷児 ◎み ○蝉 5点
船長のけふ長旅の春帽子  宗道 ◎弘 ○山 5点
風光る隅田川までなんとなく    ズボン堂 ◎幸 ○赤 5点
弟が姉をみあげるシャボン玉 花緒 ◎赤 ○弘 5点
石鹸玉わかれて蔭へまわるもいて 紙子 ◎磐 □道 □赤 5点
老犬のもはや追わざるシャボン玉 赤帆 ◎ペ △山 5点
佳作A 厚底の足のはかなさ風光る 花緒 ○騒 □道 □磐 4点
東京は靴の鳴る街風光る 騒々子 △弘 △ペ 4点
墨東や鼻緒の乾く光風裡 宗道 ○俊 △巷 4点
手ぶれにも写されて風の光かな 紙子 □巷 □赤 □蝉 □道 4点
万有の引力春の船が行く 紙子 △磐 □山 □弘 4点
佳作B 山の精つれて童子よ風光る 弘司 ◎騒 3点
老人がシャボン玉の中にいる昼下がり 青蛙 ○道 □長 3点
風光ると書いてしばらく闇をのぞく 俊水 △長 □か 3点
蕗味噌のレシピ訳してeメール 俊水 □弘 □磐 □幸 3点
蕗味噌やほろり網膜剥離して 巷児 △青 □長 3点
春の海ヒネモスが追う船の跡 裏長屋 △か □巷 3点
貨物船どこまで往くや寒き海 蝉息 ◎道 3点
佳作C 風光る近所の床屋禿げて久し ペダル △赤 2点
チラホラと港の船に桜かな           騒々子 □み □宗 2点
苦吟する博徒の肩にシャボン玉         裏長屋 ○磐 2点
ストローのピンクうつってシャボン玉      みなと ○ペ 2点
汽笛ひとつ辻貨物船なき春を            赤帆 ○青 2点
きさらぎの沖手をあげて貨物船          弘司 ○か 2点
蕗味噌と置手紙あり妻の留守           花緒 ○宗 2点
蕗味噌を鼠取りにもちと添えて         ペダル △騒 2点
蕗味噌や苦さ悲しさ口惜しさ         ズボン堂 □蝉 1点
凍る日は凍るまで飛べシャボン玉 蝉息 □長 1点
シャボン玉会社も潰え街に出る          磐井 □巷 1点
気の毒な大石鹸玉路に落つ ペダル □み 1点
俊水大兄に
屁のような句案ぱぴぷぺシャボン玉        
山羊 □道 1点
船からの波に舟揺れ春が来る           俊水 □道 1点
風光る信じられないことばかり          裏通 □幸 1点
風光る真鶴半島恋の墓  裏通 □か 1点
凍光る沖に消えゆく貨物船 裏通 □騒 1点
菜の花の沖を帰るは貨物船           騒々子 □青 1点
海坂を往く舟おくる春がすみ             幸文 □か 1点
霞み行くいろいろの夢貨物船           磐井 □宗 1点
貨物船発ちてからっぽ冬の岸           蝉息 □ペ 1点
おととひの舟のゆくえは月朧          かずこ □山 1点
きりもなし遠き昔の風光る           かずこ □幸 1点
遠き日の(俎のような拳銃)と風光る ズボン堂 □青 1点
ボート漕ぐおばさんの髭風ひかる    巷児 □山 1点
冴えぬ句の句碑ひらきても風光る         磐井 □赤 1点
風光る白球少年の頬かすめ            山羊 □騒 1点
下着干す妻の鼻唄風光る              道草 □み 1点
選外 蕗味噌をなめてとろけて父帰る 幸文    
蕗味噌や母も昔のことなりし        弘司    
蕗味噌や全裸のれんをへだたしむ みなと    
蕗味噌に横向いている他家の猫 山羊    
ひとり酒胡麻すれ味噌すれ蕗の薹 道草    
蕗味噌苦し故郷を捨ててよかったが     騒々子    
蕗味噌を浮かべる故郷の廃家かな 青蛙    
蕗味噌の精進落とし千葉郡 宗道    
うっかりと吸って苦いよシャボン玉 みなと    
そこらの子くちと鼻とにしゃぼん玉 道草    
シャボン玉ゆがんで映るいま一瞬 俊水    
呼んだとて来たためしなしシャボン玉 紙子    
ベランダにひとりっ子吹くシャボン玉  ペダル    
しゃぼん玉ふいてかなしや河口にて ズボン堂    
石鹸玉太平洋の風に乗る 宗道    
こんぶ刈る赤きボートや夏の海 みなと    
病院の無明長夜に風光る 青蛙    
雨あがるちくたくちくたく風光る かずこ    
風光る吹上の坂空を見る 幸文    
どぶ川の朽ちたる杙に風光る 裏長屋    
わかれゆくそれぞれの背や風光る 裏通    
仔猫二匹連れて引越し貨物船 道草    
舟かえる都忘れの行ったきり かずこ    
野の舟がゆらりと沈むよ辻征夫 青蛙    
さっきまでそこにいたのに船出かな 山羊    

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