OLD STATION目次へ


第29回余白句会記録
井川博年作成
日時
1996・12・22(日)
場所  
東京・新宿『新宿文化センター』
参加者
小沢信男(巷児)
井川博年(騒々子)有働薫(みなと)木坂涼(紙子)國井克彦(裏通)清水哲男(赤帆)白川宗道(宗道)辻征夫(征夫)八木忠栄(蝉息)八木幹夫(山羊)多田道太郎(道草)谷川俊太郎(俊水)
欠席者
清水昶(青蛙)/投句あり
加藤温子(花緒)中上哲夫(ズボン堂)/ 投句なし
ゲスト
アーサー・ビナード(ペダル)
兼題
年の暮・くしゃみ・鯨−以上〔冬〕 色−無季
一人4句(征夫3句、青蛙3句)
選句
持点 ◎3点×1 地○2点×1 △1点×3 計8点
注)出席者のみ選

鯨くじら乳のぬくさも海のもの 紙子 ◎山 ◎赤 ○道 ○宗 △俊 △ペ △巷 13点
大嚔わずかに人の離れけり 山羊 ◎み ○ペ ○俊 △巷 8点
議事堂の坂に警部の大嚔 宗道 ◎俊 ○裏 △み △紙 7点
白鯨も老いぬエイハブ船長も 騒々子 ◎道 ○み △宗 △巷 7点
色見本抱いて枯木の道を来る 赤帆 ◎巷 ◎征 △み 7点
彼方より波ふくらみて鯨かな 道草 ◎紙 ○山 △赤 6点
佳作A 御無沙汰や隣家のくしゃみ聞き分けて みなと ◎ペ △俊 △赤 5点
年の市裏は花色木綿店 巷児 ◎裏 △み 4点
色気食い気が座蒲団に乗る忘年会 赤帆 △騒 △紙 △山 △道 4点
鯨汁チャタレイ夫人完売す 宗道 ◎蝉 △山 4点
海鳴りを浴びている鯨博物館 裏通 ○征 ○紙 4点
佳作B 鯨にも鯨相応の性器かな ペダル ◎騒 3点
生きてある音のしている年の暮 赤帆 ◎宗 3点
佳作C 行く末は入り日にまかせ年の暮 俊水 △征 △蝉 2点
噺家の羽織のほつれ年の暮れ 蝉息 △紙 △裏 2点
憎まれて息災でいるくさめなり 巷児 ○蝉 2点
宅配の人がしてゆくくしゃみかな 紙子 ○赤 2点
事果ててすっぽんぽんの嚔かな 俊水 ○騒 2点
その色を数えきれずに海鼠喰う ペダル ○巷 2点
バイロンの吐息の色の寒牡丹 宗道 △裏 △蝉 2点
臓腑までたちまち捌く鯨鉈 山羊 △騒 △宗 2点
夢の海勇魚ほのかに笑み給う 俊水 △山 1点
鯨汁湯を足し谷中銀座かな 宗道 △征 1点
色の濃い恋の終わりの鳳仙花 青蛙 △裏 1点
くしゃみして女駆け去る赤い月 蝉息 △赤 1点
年暮れぬ重ねて輪ゴム喪のたより 巷児 △ペ 1点
逝く年や母より齢重ねけり 裏通 △征 1点
補助車はずされし子の年の暮 紙子 △ペ 1点
ドブ鼠何処に隠れし年の暮 騒々子 △道 1点
中央線に飛び込む白髪年の暮 赤帆 △騒 1点
猫踏んじゃった又踏んじゃった年暮るる 征夫 △俊 1点
色ごとのいろいろ栞の冬紅葉 征夫 △道 1点
くれぐれも用心なされ年の暮れ 山羊 △宗 1点
初雪や色合いの良き犬の糞 道草 △蝉 1点
くしゃみ一つ取り残されし戻り橋 道草    
腕時計合わせる朝のくしゃみかな 紙子    
くしゃみして亡父の日記をめくりつつ ペダル    
くさめせる教授もひとつくさめせり 裏通    
年の瀬や教授の訓示猫眠る 征夫    
年の暮れくしゃみで目覚める誕生日 青蛙    
くしゃみして妻の帰りの遅き待つ 騒々子    
妻の部屋吾れが掃除する年の暮れ ペダル    
年暮れて「わが青春のマリアンヌ」 みなと    
年の暮色よい返事なきがまま みなと    
歳晩の逢瀬みじかき薬指 巷児    
色をなし朽葉に煙草踏みにじる 俊水    
人だかりできては散るや年の暮れ 蝉息    
城山湖水鳥の色は水の色 裏通    
躍りでて夕陽を張りとばす大鯨 山羊    
新海へ出港帰らざる老父の捕鯨船 青蛙    
老妻と暖まりませう鯨汁 蝉息    
鯨カツ屋出れば渋谷は年の暮 騒々子    
ひなた道鯨も文学全集も捨てられし みなと    
歳の暮人忘れしか物忘翁 道草    

OLD STATION目次へ