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第23回余白句会記録
井川博年作成
日時
1995・5・28(日)
場所  
東京・上野『上野桜木会館』鶯の間
参加者
小沢信男(巷児)
井川博年(騒々子)有働薫(みなと)木坂涼(紙子)国井克彦(克彦)清水哲男(赤帆)白川宗道(宗道)辻征夫(貨物船)中上哲夫(ズボン堂)八木忠栄(蝉息)八木幹夫(山羊)多田道太郎(道草)
欠席者
加藤温子(花緒)清水昶(青蛙)
兼題
バナナ〔夏〕・かたつむり〔夏〕・滝〔夏〕・毒〔無季〕
選句
持点 ◎3点×1 地○2点×1 △1点×3 計8点

ででむしのはらばいながら老いにけり 巷児 ◎克 ◎宗 ○蝉 ○赤 10点
銀婚に遠くで滝が落ちている 赤帆 ○み○克○貨△山△蝉 8点
初恋や冒険ダン吉バナナ喰らう 赤帆 ◎巷 ◎紙 △道 7点
バナナ食う口やわらかき入れ歯かな 山羊 ◎ズ ○騒 △巷 △宗 7点
型染ののれんの滝の白さかな 紙子 ◎騒 ◎貨 △蝉 7点
佳作A 滝の上に湖もあり町もあり 騒々子 ◎道 ◎み 6点
肩凝りもなしや葉裏のかたつむり 山羊 ○紙○ズ△貨 5点
葉っぱごとくれしあの子のでんでんむし 紙子 ○巷 △ズ △山 4点
かたつむりニュースを聞いて動きだす 騒々子 ◎赤 △貨 4点
かたつむり父母の声閉じ込めて 克彦 ◎蝉 △宗 4点
佳作B かたつぶり暗きへ半歩にじり寄る 蝉息 △山 △赤 △宗 3点
蝸牛かたつむりして寝ている 貨物船 ◎山 3点
くたびれてバナナ食い出すバナナ売り 山羊 △巷 △騒 △ズ 3点
あじさいや毒婦列伝擱筆す 巷児 ○道 △み 3点
人生に毒ひとしずく美女の指 赤帆 △道 △克 △貨 3点
佳作C どくだみの花皿に焼き人逝きし みなと ○宗 2点
ででむしやい!出あへ!出あへ!と武家屋敷 蝉息 △紙 △克 2点
大瀑布ふと絶えて閉園時刻かな 巷児 ○山 2点
村人のこれも鼻唄小さき滝 蝉息 △紙 1点
滝見物雨傘差して合羽着て ズボン堂 △騒 1点
箸上げて滝の向かいはあんみつか みなと △克 1点
毒婦には毒の魅惑や梅雨深し 道草 △騒 1点
ディオールは毒とこそ名づけしが 道草 △み 1点
毒婦でも妖婦でもよし業平忌(五月二十八日) 騒々子 △蝉 1点
縁台に毒消し売りの戦後かな 宗道 △紙 1点
大房のバナナの記憶祖父の床 紙子 △道 1点
バナナほどの一句ぽとりと梅雨の路地 貨物船 △み 1点
留守番の手持ち無沙汰やバナナ喰ふ ズボン堂 △赤 1点
ででむしや生きるが下手が玉にきず 克彦 △ズ 1点
かたつむり小さく両目つむりいし 赤帆 △赤※ 1点
ででむしがのぼりつめたる朝の魔羅 蝉息 △巷 1点
選外 さみだれの降りのこしてや蝸牛 貨物船    
雨降ればででむしひとりセピア色 克彦    
迷路ですまいまいつぶろ迷いけり 道草    
定年やひねもす蝸牛みてをりぬ ズボン堂    
かたつむり来し方いつも美しく 宗道    
浅草やバナナの皮とストリップ 騒々子    
バナナ反り返る生娘の銀の爪 みなと    
だみ声の熱気アメ横青バナナ 宗道    
宵闇に持ってけバナナの叩き売り 道草    
静けさや脳天たたく滝の水 貨物船    
滝けぶり浴びて帰れば酔ひ覚めぬ ズボン堂    
水は落ち音は昇りて滝の空 紙子    
魚止の滝の向こうも川なるべし 山羊    
滝道にカインの裔が深入りす 宗道    
Wasserfallと言ってみる信じたき心 みなと    
よろこびて怒りて落つる華厳かな 克彦    
毒蛇の尾に噛みつきしクレオパトラかな 巷児    

席題
清水・涼・五月
選句
天◎3点 地○2点 人△1点  各人持点6で11人
数人に雨の気配や五月尽 赤帆 ◎道 ◎騒 ◎み ◎宗 ○貨 14点
その角を曲がって五月去らんとす 貨物船 ◎巷 ○赤 ○蝉 △ズ △山 9点
涼しさや石の欠けたる儒者の墓 騒々子 ◎蝉 ○山 △宗 6点
第二ひかり荘五月に移る三年目 みなと ○巷 ◎ 5点
しゃがみこむ媼谷中の涼しさよ 山羊 ◎貨○道 5点
佳作A コールタール坂に匂ひし聖五月 宗道 ○騒 ○克 4点
さよならとうつむくうなじも涼しい子 巷児 ◎ズ △蝉 4点
自転車で行く子帰る子街涼し 蝉息 ◎赤 △克 4点
涼風も曲がりくねって根津谷中 蝉息 ○ズ △貨 3点
大寺の晩涼の門閉ざしをり 宗道 ◎山 3点
寺町の路地いく曲がり風涼し 貨物船 ○み 2点
旧町名消へし五月の上野往く 克彦 ○宗 2点
お風呂やの窓を開けたる五月かな 騒々子 △赤 1点
老いの坂こえれば涼し夏の墓 道草 △み 1点
アンネの日記閉じて清水を吾に掬む 宗道 △道 1点
水玉のネクタイ涼し新入社員 ズボン堂 △騒 1点
男なり五月のふぐり風を浴び ズボン堂 △巷 1点
選外 路地細く右手に小刀木坂涼 赤帆    
木の坂を下れば涼し清水かな ズボン堂    
多田清水たたずむ角の文弥宅 貨物船    
沈黙の五月過ぎけらし騒々し 道草    
清水涸る谷中の街の路地めぐり 山羊    
白服の中の涼しき黒い服 みなと    
日記帳なかば手ずれて五月かな 巷児    
五月雨や三和土を叩く独り酒 道草    

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