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第17回余白句会記録
井川博年作成
日時
1994・3・12(土)
場所  
東京・文京区『関口・芭蕉庵』
参加者
小沢信男(巷児)
井川博年(騒々子)有働薫(みなと)国井克彦(宝島)辻征夫(貨物船)中上哲夫(ズボン堂)八木忠栄(蝉息)八木幹夫(山羊)渡辺俊慧(閑々人)木坂涼(紙子)白川宗道(宗道)
ゲスト
清水哲男(赤帆)
兼題
春の夜・蝶・目刺し
選句
持点 天◎3点×1 地○2点×2 人△1点×3 計10点

目薬のあふれてぬるき夜半の春 巷児 騒◎ 紙○ 貨△ 蝉△ 山○ 閑△ 宗◎ 赤 △ 14点
春宵や少女乳房を持ち帰る 赤帆 巷△ み△ ズ◎ 蝉○ 山◎ 宗△ 11点
花びらを揺らさぬ蝶の重みかな 紙子 騒△ 宝○ 貨◎ 閑○ 宗△ 9点
春の夜のミルクの渦や匙の先 山羊 紙◎ 貨○ 5点
春の夜の乳房双つの重さもつ 蝉息 騒△ 宝◎ 貨△ ズ△ 6点
佳作A 父の書斎漢方かすかに春の宵 ズボン堂 巷△ 紙△ 赤◎ 5点
安西均追悼
往くひとの微笑のこれり春の夜 
ズボン堂 み◎ 閑△ 4点
きおはきみわれはわれなり目刺し焼く ズボン堂 宝△ 蝉◎ 4点
ソナチネの窓辺に蝶は骸なり みなと 紙△ 閑◎ 4点
芥菜をざぶりと洗う春の宵  みなと 騒○ ズ○ 4点
日本女子大栄養学科目刺し燃ゆ    赤帆 巷◎ 宗△ 4点
佳作B 目刺し刺す藁にも細工ありにけり 紙子 宗○ 2点
若妻は目刺しの藁をそっと抜き 蝉息 み○ 2点
春ショール彌撒を待つ間の新刊書 宗道 巷○ 2点
初蝶のかるがる越える小川かな 騒々子 宝△ 貨△ 2点
初蝶や恋しと思ふこともなき みなと 宝△ 閑△ 2点
≪蝶来たれり!≫韃靼の兵どよめきぬ 貨物船 巷△ 騒△ 2点
佳作C いわれけりいつも目刺しを喰う客と   騒々子 山△ 1点
目刺してふ語感に残るうらめしや 閑々人 山△ 1点
家計簿にまず家計簿と目刺しの値 巷児 赤△ 1点
太平洋見晴らす町や目刺し買う みなと 紙△ 1点
初蝶の抜けて小路は真昼なり 赤帆 ズ△ 1点
初蝶や一つくねらせ一つ松 宗道 山△ 1点
分け入ればわれにも蝶にも森の風 宝島 み△ 1点
蝶はいま恋の主役になりたくて 閑々人 み△ 1点
税務署もフランター置きて蝶ひとつ 紙子 赤△ 1点
蝶一つ海冥ければ海に墜つ 蝉息 ズ△ 1点
春の宵つくりそびれしつみひとつ 巷児 蝉△ 1点
代筆をつんと断る春の宵 山羊 み△ 1点
選外 真直ぐなる竹串笊の目刺しかな  貨物船    
さざなみや目刺しの腹の皺の数 貨物船    
虚無とはかくなるものか目刺しの目 騒々子    
うっすらと開く口も似た目刺しかな 紙子    
顎はずし無言目刺しの夕餉かな 山羊    
旨酒を独り酌む夜のおい!目刺し 蝉息    
目刺し一連祠に祀り木の国は 宗道    
蝶哀し藍より出でて日に惑う 赤帆    
なみいくつ蝶の泊まりは蝶の上に 山羊    
蝶墜ちぬ越えてぞきしや海峡を 巷児    
桜には蝶は触れずと夢うつつ 閑々人    
追憶の如くに群れり森の蝶 宝島    
芋虫の芋窮まりて胡蝶かな 貨物船    
ざわざわと蝶々うまれる真昼かな ズボン堂    
蝶々と雨とポプリとコージュロイ ズボン堂    
春の宵銀座の烏ひとりなり 宝島    
安西均追悼
春の夜渋谷の美男帰らざる
宝島    
どじょう屋に『美男』の詩人春の宵 騒々子    
胡座かき菫みたひと見送りて 閑々人    
春の宵聖水盤は対にして 宗道    

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