成績セイセキ 作品サクヒン 作者サクシャ
床屋出てさてこれからの師走かな 辻征夫ツジユキオ
極月の風すすりこむ虫歯かな 小沢信男オザワノブオ
ジン ふりむいてもうふりむかぬ狐かな 小沢信男オザワノブオ
  園長に狐化けてる休園日 小沢信男オザワノブオ
  それぞれの歩幅のありて師走かな 国井克彦クニイカツヒコ
  子等の声師走の風の去りし方 八木忠栄ヤギチュウエイチュウエイ
  コンコンと狐コンコン峠の月 八木忠栄ヤギチュウエイチュウエイ
  昔から夢見たままで師走かな 渡部ワタベトシオサトシ
  用なくば師走のネオン見ておれり 井川イカワヒロシネン
  曇天が重たくて狐ちぢこまる 辻征夫ツジユキオ
  狐には狐の視座あり森の風 国井克彦クニイカツヒコ
  極月や河童は淵で眠りこけ 中上哲夫ナカガミテツオ
  燗酒や寝床ですする老詩人 中上哲夫ナカガミテツオ
  盃の底濡るるまで燗の酒 八木幹夫ヤギミキオ
   某君一周忌 熟爛をそっと吹いてる所在なさ 小沢信男オザワノブオ
  爛熟し暫し消ゆべし悔の虫 小沢信男オザワノブオ
  爛酒や最後に残るはただひとり 井川イカワヒロシネン
  熟き酒たむけてみたし父の墓 辻征夫ツジユキオ
  ひもじさや馬の隣の狐の子 辻征夫ツジユキオ
  ブルースト今年もふれず十二月 中上哲夫ナカガミテツオ
  爛酒や妻居ぬ夜の台所 中上哲夫ナカガミテツオ
  きつね棲む森なき街の稲荷かな 八木幹夫ヤギミキオ
  凍天に狐鳴く日は鶏怯ゆ 八木幹夫ヤギミキオ
  極月の自転車傾ぐ駅広場 八木幹夫ヤギミキオ
  熟爛や恋してしまふひと肌で 渡部ワタベトシオサトシ
  熟爛で頬染めた女そばにいて 渡部ワタベトシオサトシ
  玄関にシャチハタ印を置く師走 木坂キサカリョウ
  ひしゃく星熟爛そそげ露天風呂 木坂キサカリョウ
  熟爛や父なき部屋の古屏風 国井克彦クニイカツヒコ
  狐一匹湯釜に投げ入れし今朝の夢 八木忠栄ヤギチュウエイチュウエイ
   十二月十四日赤穂浪士討入り 熟爛を干して浪士に抱かれたり 八木忠栄ヤギチュウエイチュウエイ
  浅草や師走の風の吹きだまり 八木忠栄ヤギチュウエイチュウエイ
  狐舎のふっと消えたる明かりかな 井川イカワヒロシネン
  手品師が狐の檻の前に立ち 井川イカワヒロシネン
  まてしばし狐の行列すぐるまで 中上哲夫ナカガミテツオ
  子狐は木の葉頭にどろんどろん 中上哲夫ナカガミテツオ
  あぶらあげ狐食わずに猫が食い 有働ウドウカオル
  さかだちて石の狐の吠える闇 有働ウドウカオル
  たんたんとぬきさしならぬ狐ゐる 渡部ワタベトシオサトシ
  狐にも防寒着なれ狐の尾 木坂キサカリョウ
  すき腹がリズムとりゆく狐かな 木坂キサカリョウ
  新しき決断の如狐去る 国井克彦クニイカツヒコ
  狐には狐のことがよく分かり 渡部ワタベトシオサトシ
  人肌や電子レンジの爛の酒 八木幹夫ヤギミキオ
  爛酒抱いてあれ牧水が踊り出る 八木忠栄ヤギチュウエイチュウエイ
  熱爛を酌してわかれてあくびいず 有働ウドウカオル
  熱爛やひとへの酌のとめどなし 有働ウドウカオル
  熱爛や六腑ゴゾウロップに泌みる無という夢 国井克彦クニイカツヒコ
  熱爛や子の耳朶ジダをつまみたし 辻征夫ツジユキオ
  熱爛にマニュキアの指耳つまむ 木坂キサカリョウ
  サザエさんの一家と共に師走かな 木坂キサカリョウ
  師走にはぎゅうぎゅう詰めがよく似合い 渡部ワタベトシオサトシ
  先生にもなれず師走をもてあまし 有働ウドウカオル
  極月の伊豆の湯へ行く阿呆かな 井川イカワヒロシネン
  海鳴りと耳鳴りしたり師走かな 八木幹夫ヤギミキオ
  十二月セールス・ウーマン美しく 国井克彦クニイカツヒコ
  年暮るるまだもんじゃを焼いている 辻征夫ツジユキオ
  目薬の泌みて師走の校正室 渡部ワタベトシオサトシ
  極月ののぞみもついにきわめつき 有働ウドウカオル
小港の冬見おろしている影法師 八木忠栄ヤギチュウエイチュウエイ
冬の陽や湾に静もる絃い舟 八木幹夫ヤギミキオ
凩や茶碗に浮かぶ魚の鰭 辻征夫ツジユキオ
咳こんで胸をたたけば冬の音 辻征夫ツジユキオ
にぎわいは波ばかりなる冬の浜 辻征夫ツジユキオ
冬晴れや裾野二十里三十里 小沢信男オザワノブオ
連れ立ちて露天風呂行く寒さかな 井川イカワヒロシネン
冬の入江よりそう米丸善蔵丸 小沢信男オザワノブオ
潮の香やかぎつつ帰る寒鴉 中上哲夫ナカガミテツオ
冬山のあい間に位置する夕日かな 木坂キサカリョウ
サンダルの音やはろばろ冬の宿 八木幹夫ヤギミキオ
  大日輪したたり沈む冬涛に 小沢信男オザワノブオ
  水滴や馬の油ある温泉場 井川イカワヒロシネン
  鼻水をすすりながらの冬の風呂 中上哲夫ナカガミテツオ
  冬の宿ゆかたに下駄の音たかし 有働ウドウカオル
  冬うみにアロエの花の夕陽ちる 有働ウドウカオル
  列島のとり敢えず際冬の海 渡部ワタベトシオサトシ
  暮れてゆく老漁夫の佇つ冬の海 渡部ワタベトシオサトシ
  誰聞くや冬の入江の旗の音 木坂キサカリョウ
  山よりの陽にくれなゐの冬の海 国井克彦クニイカツヒコ
  冬の海沖までつづく光る波 国井克彦クニイカツヒコ
  娘らの笑いよろしき冬の崖 八木忠栄ヤギチュウエイチュウエイ
  波浪高し富士を彼方に凍らせて 八木忠栄ヤギチュウエイチュウエイ