ドットマック契約更改
爽やかな秋風が頬をくすぐる公園の芝生に座り込んでノートブックを広げ、何やらむずかしい顔でディスプレイをのぞき込みながら、何かを捨て去るときにふとつくため息とそして捨て鉢な苦笑いとを時折見せる昼下がり、あまり考えることなく次々とつくり続けた各地のアカウントを今度は片端から削除するという、健全かつ善良なる市民から見れば何とも不毛な作業を続けるうちに、自分という存在も人知れずいつの間にかすべて消え去ることを望むというような、うつ状態の心持ちの幾分かが理解できてくるのもこれメランコリックな10月という季節特有の現象で、空が蒼いということだけで涙を流すような細く張りつめた一本の細糸のみでどうにか平静を保っているマインドに映るのは、秋空の向こうからすぐにやって来る人生の冬。
そうは言っても10月というのは、わたくしにとってある意味で新しい年の始まり。今や風前の灯といった風情さえ漂い始めたこのブログが間借りし、僅かな生活費を切り詰めながら家賃を払い、かろうじて生息しているこの場所の契約更改時期であります。大家さんと更新料に関する話しあいを続けてきましたが、ついこのあいだ10倍の広さに増築してやったじゃないかの一点張りで、交渉むなしく正規の値段で更新です。もっとも住所(メールアドレス)が変わると色々と面倒なことになるし、慣れ親しんだこの場所はいつの間にやら住めば都とも思えるようになっていて、いずれにしてもここを更新するつもりではいたのですが。
ところがこちらに契約更新する気があったとしても、相手が自分のことをどう見ているかはまた別問題。オマエはもう要らぬと、あっさり戦力外通告されるとも限らないのがこの世界の厳しいところ。選手としては引退を勧告するが、監督あるいはコーチとして新たに契約し直すこともやぶさかではないぞ、などと提示されるようならしめたものですが、管理者としてふさわしくないと判断されたら最後、ブログなどは言うまでもなく、メールアドレスまで剥奪されるというケースもあるとかないとか。また、自分はあくまでも一選手として現役を全うしたいなどと主張しようものなら、たかが選手が、と物議をかもすこと間違いない強硬的な態度で一笑に付され、悔し涙を流してストライキを決意することにもなりかねません。これが人気ブログならばたとえ弱小チームでも世論を動かし、やがて来る復活の暁には内外野席ともに毎日毎晩満員御礼ということになりましょうが、地元民さえ滅多に足を踏み入れないようなそんな人里離れた辺境のブログにおいてはストライキなぞ間違いなく命取りです。
それならばいっそのこと華々しい引退セレモニーを執り行ない、爽やかな秋風とともに笑顔で立ち去りたい、人々に惜しまれながら潔い態度で新たな一歩を踏み出したい。10GBのスペースを一巡し、スタンドの前列に陣取った熱烈なファンから花束を受け取り、もう一度帽子を高々と振り、それからチームのみんなと固い握手をして、ダッグアウトからロッカールームへと続く廊下を一歩一歩改めて感触を確かめるようにゆっくりと歩いて、そうして静かにこのウェブスペースの幕を引きたい。
もしそういうことになれば、yamatatzのスクリーンネームは永久欠番となり、そして「open
minded」は球史に残り、人々の記憶に残ることになるでしょう。
ふぅーっ・・・。
この先いつか自分の息子と近所の公園でキャッチボールをしながら、時折投げる生きたボールを受け取ったとき、そんな時わたくしは息子に向かって言うでしょう。もっと腰を入れろ、左足を大きく前に踏み出せ、全身を使って思いっきり投げろ、と。
そして彼の投球を受けながら鼻の奥がむず痒くなってやがて痛みに変わる頃、目の前がなぜかぼやけ始める頃に続けてこう言うのです。息子よ、これがブログだ、これがドットマックだ、と。
Posted: 木 - 10月 11, 2007 at 11:49 午後