滅ぶまで


 黄金週間に入る前に校了を済ませて、全折下版しちまおうと企む編集者や、休み明けにはいくつかサンプルをお持ちできるかと、なぁんてクライアントにおべっか使っている代理店の営業マンのおかげで、夜中に焼きそばパンをかじりながら、何やらむずかしい顔をしてキーボードを叩いたり、マウスをちょこちょこ動かしたりしているヤマタツです、こんばんは。

 そういうわけで何やら忙しいことになっています。まったくもって慌ただしい。したがってこのわたくし、自分が今どういう状況なのかを詳しく説明しているヒマはありません。自分の置かれている状況を、一歩引いた位置からコーヒーカップ片手に俯瞰してみようなどといった心の余裕なんてないんです。メール一つひとつにお返事を書いている時間はないんです。ブログを書いているヒマなんてこれっぽちもないんです。あぁ、もうやっちゃってますけど。

 あのね、最近、各エントリの「feedback」というリンクを「お便り」という名前に変えたんですよ。そしたら急に feedback mail がたくさん来るようになったんです。
 iBlogデフォルトでは「feedback」をクリックすると、例えば「Re: ゆりかご」とか「Re: 何してる」とか「Re: ○○○○」といったサブジェクトで、つまりエントリタイトルのリプライとしてメールを送れる仕組みになっています。スパムが来るので外している人も多いし、HaloScanなどのようなコメントサービスを付ければ、feedback を使う場面はほとんどないだろうと思っていたんですが、「feedback」の文字を「お便り」に変えただけで、頻繁にこのメールがやってくるのです。毎日のように会う人やたまに会う人、なんとなく知っている人や見ず知らずの会ったことない人、それから誰なのかまったく分からない人から。

 で、そのメールの内容というのが「差別用語や放送禁止用語を使っているぞ」とか「オマエの言い分は間違っている」とか「読むのが疲れるので、もう書くのをやめろ」とか「オマエ、頭おかしいぞ」とか、はたまた「頭が良くなるナントカ薬ただいまディスカウント・キャンペーン中」とか「こんな私たちが主宰する変態クラブに入りませんか」とか「そんなあなたにピッタリサイズの○○○○あります」等々。

 もうね、そんなメールに対しての返事どころか、ブログさえ書く気力も無くなりつつあったわけですけど、なかにはやさしい愛のこもったメールもありまして、苦虫を噛みつぶしながらもホッと心の温まるひとときがありましてございますよ。こうしてまた iBlog を起動することが出来ましたのも、そんなあなたのおかげでこざいます。

 で、iBlog を起ち上げて何かもっともらしい能書きを書き連ねるのもいかがなものかという、そんな心持ちの今日この頃、この前書いた Twitter というIM(インスタント・メッセンジャー)風のひと言ツールがブレイクの兆しです。それからもうちょいブログ風味というか、ミニブログといった風情なのが、Weebly とか、Tumblr とか、GooglePages とか・・・。
 なんつぅか、ひとり言サービス百花繚乱ですな。今やWWWの一部はヒトがつぶやくひとり言を、二十四時間更新し続ける“リアルタイム情報創発”ネットワークと化しているわけです。

 こうなってくると、"Desktop Blogging" を標榜する我らが iBlog も、今となっては牧歌的というか、前時代的というか、そんな風に見えてしまいます。やはり、iBlog から足を洗って、一度リセットしようかなぁなどと考えてしまいます。新しい Web ツール探求の旅に出るのです。

 このわたくしが考えている新しい Web ツールというのはですね、時代の最先端を行く Web2.0 風で、クールで、マーケティングも抜かりなくて、広告収益がわんさか入って、新たなビジネスモデルを起ち上げて、他の企業との訴訟合戦にも勝ち抜いて、自家用ジェットで各地を飛び回って、太平洋上の島をいくつか手に入れて、史上最強のロボットを開発して、月面に基地を建設して、世界中すべての元首を跪かせて、人類史上初の惑星征服に成功した地球の王として君臨し、毎日毎晩飲めや歌えの大騒ぎ、ラーメンもカレーもたこ焼きも食べ放題、ついでにMac も買い放題、iBlog も毎日毎日書き放題・・・。あれ、iBlog に戻ってきたな。

 ふぅーっ・・・。
 そんな折りも折り、武さんの「iBlogger宣言」というエントリが振るっています。温和で沈着冷静、落ち着いた物静かな大人であると評判のこのわたくしでさえ、読んだとたん思わずガッツポーズいたしました。
 申し訳ないが全文引用します。

実を言うとiBlogを辞めて違うブログにしよう、ということは随分と前から思ってたんですよ。悩んでたっていうか。

■iBlogを辞めたい3つの理由

1.他のパソコンから書けない。
いろいろ出先でブログを更新したい時がある。iBlogだとそれが出来ない。

2.起動&終了時間が長くて割とイラッとする。
イラレやフォトショもそうだけど何故かiBlogは格段にイライラする。だいたい殆どのブログはブラウザで操作するからね。

3..Macだから
もう、これが一番決定的。このカツアゲとも等しい.Macの使用料を辞めたいがメールアドレス等いろいろあって.Macとの縁がなかなか切れない。
タチの悪いやくざのシマで小さな店を出してしまった呑み屋のオヤジってな気分だ。
ショバ代むしり取られて文句も言えず縁も切れず借金ばかり増えて最後に犯罪に手を染めたりするんだよ、そういうドラマでは。
タイトルは「あっぷるヤクザ 〜どっとまっくレクイエム〜」だな。

しかし、僕はあえてiBlogger宣言をしておこう!

■iBlogを辞めない3つの理由

1.アブなそうな人たちが多いので
やっぱりメジャーなブログだとそれなりに薄い。iBloggerはなぜか濃い感じがする。無駄に濃い(笑。
僕はマイノリティーを愛する人たちが好きだ。何と言おうと。

2.遅かれ早かれ滅びそう
僕は「特別な瞬間」を体験したい。特別な瞬間とは、何かが生まれる瞬間と死ぬ瞬間である。
社会の価値観に流され、マジョリティーという暴力側に無意識的につき、勝ち馬に乗ろうと脊髄反射的に行動するのが基本的な「庶民・成金・田舎者」である。しかし、特別な瞬間とは「ウハウハ言ってはしゃいでる場所」なんかには存在しない。
iBlogの斜陽感はまるで「滅び行く少数民族と言語」を見てるようで愛おしい。

3.貞操
初めてのブログがiBlogだったから。
「iBlogに惚れたんやない。初めてのブログがiBlogだっただけやねん」と言って涙を流す。
「極道に惚れたんやない。惚れた男が極道だったんや」極道の妻たち有名シーンを思い出しくれ。

以上をもちましてiBlogger宣言の言葉にかえさせていただきます。
--Take Junichiro Log 「iBlogger宣言

 いやぁ、もうね、iBlog 辞めるのを止めます。リセットするのを止めます。滅びゆく言語を滅ぶまで愛します。初めてのアンタを決して離さない。

 したがって、相変わらずゴチャゴチャ言ってくる feedback メールに対する返事のタイトルは「なめたらあかんぜよ」だ。

--
(Lifli Software のサイトがいつの間にかリニューアルされて、すっかり 2.0 モードですが、ページの下の方に 1.4.6 のコーナーが残っています。滅びゆく 1.x 、しかし、2.0 はまだ出来てない)

Posted: 金 - 4月 27, 2007 at 02:01 午前      


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