I see cruel twisted smile signals emptiness.





 あなたがもしこの地球上にお住まいで、なおかつこの惑星の端っこで振り飛ばされないようにどうにかかろうじてぶら下がっているといった態勢で日々をお過ごしなら、猛スピードで回転するその大きな渦にしっかりと捉まっているのが精一杯という生活にもすっかり慣れっこになってしまっていて、ちょっとぐらいこの手を離したところでどうってことないだろうなという錯覚に陥るのも無理のない話。
 ところが、そのぬるま湯的生活がもたらす油断か、あるいは手を離した後には一体どんな生活が待っているのだろうなどというちょっとした好奇心に捕われてうっかり手を離そうものなら、あっという間に銀河の東か西かどちらかに振り飛ばされて二度とこの惑星での生活には戻れなくなってしまうのが恐ろしくも決して揺るぎのない事実。
 そして、飛ばされる方角が東か西かで大きく変わるのがその後の人生、手を離すタイミングひとつがあなたの一生を決定することになるわけで、つまり銀河の中心部の動向は常日頃から注意深く観察しておくこと。

 西五番街や花椿通りあたりの目立たない一角にあって人を寄せ付けないような表玄関を擁するこぢんまりとした集会場では、そろそろ大掛かりな対立の前哨戦とも言うべき暗躍が始まっていて、なんだなんだ随分とキナ臭いじゃないかというのがその印象なんだが、こちらも大きな渦の端っこで必死にぶら下がっている身分である故、渦に巻き込まれるのは真っ平御免だけれども、手を離すタイミングだけは何とか間違えないようにと遠目の観察を決め込む小暑の昼下がり。
 天の川の正体が他ならぬ我らが銀河系であることなどすっかり忘れて、それがまるで戦陣の境界線であるかのように東西に分かれて睨み合いながら、しかしその対立構造はそんなに単純なものでもなく、自電民博それぞれ右往左往入り交じって互いに右手で握手しながら左手で殴りあう様相。

 いずれにしても銀河の中心などに長居は無用、早々に退散して外堀を右回りに迂回するのが吉であり、自分の分相応な居場所にてゆっくりと座り、扇風機が回る音、CPUクーラーのファンが回る音、換気扇が回る音、HDDが回る音などに耳を傾けながらそしらぬ顔でつらつらと書きつけ、小暑を過ぎても何事もなかったかのように振る舞い、いつものように虚無のパブリッシュボタンを何のためらいもなく押すだけ。

Posted: 木 - 7月 9, 2009 at 02:22 午前      


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