13時の景色におもふのだ


このところ毎日のようにね、新宿御苑に入っておりますってぇと、何やら遠くの方で「最後のお願いに〜」とか聞こえてきますな。
そういうわけでね、世の中選挙です。

選挙カーも「最後のお願い〜」と叫んでるし、相変わらず分かったような分からぬようなコピーが並んだポスターが蔓延しておりますな。で、各政党のマニフェストってやつもヒトを混乱させます。もっともボクなんかは、マニフェストと言われるとロキシーミュージックのアルバム名が真っ先に思い浮かぶんですがね。
そういえば、選挙ポスターの「たしかな野党が必要です」ってコピーを「たしかな悪党が必要です」と読み違えたアホも約一名いるとかいないとか。まあね、確かに悪党が全くいないってのも何か寂しい気もしますな。メリハリのない社会ってのもきっとつまらない。
でね、選挙になると毎回投票率が低いってな話題になりますな。棄権するヤツが多いと。選挙権があるのに国政に参加しないのはけしからんというわけだ。
でもね、ちょっと待ってくれたまえ。
勘違いしないでいただきたい。
日本には一票より大事なものがあります。それはね、一円ですぜ。市民が社会のあり方を決める最も有効な手段が金ですわ。例えば市民がケータイを買えば携帯電話の関連産業が勃興するし、車を買えば自動車産業が盛り上がる。本やCDでも同様。北京料理屋へ通えば、日中友好にも一役買うのである。
つまり良い社会というものがあるならば、そこには良いモノがあふれており、それはそこに暮らす良い消費者がいるおかげなんである。
資本主義社会では声高に改革とか叫ばずとも、買おうとしているものが価格に見合う価値があるのかどうか、世の中にはびこるのを支持するのかしないのか、それを自分の財布と相談して決めれば、そのことが社会変革と直結している。実に単純じゃあないですか。でも単純であるからこそ慎重にならなければならない。一円の使い方にですよ。安けりゃいいのでもないし、高いから安心でもない。
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一円は一票よりはるかに重いんですな。
いや、何も棄権しろと言っているわけではありませんよ。確かに一票は大切です。でもね、もしあなたが社会をより良くしたいと真剣に考えているなら、いやそんなに大げさじゃなくていい、もうちょい住みやすい、良いモノがたくさんある世の中だといいなぁと思っているなら、一円の使い方に対してもっと慎重になるべきだと言っているんですわ。あなたがモノを買うということは、あなたがただそれを手に入れるだけでなく、それが世の中に蔓延することを許した、あなたはそれを支持しているという表明だからですよ。それがあなたのマニフェストなんであるですよ。
良いモノと劣悪なモノという価値基準は当然ヒトによってまちまちですな。これは人それぞれ自分の好きなモノ、信じるモノを買えばいいわけです。支持率が高ければ即刻産業に直結する。実に民主的ですな。
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ボクは広告業界の端っこにいて、モノを売ろうとする仕事の片棒を担いでるんですがね、ヒトがモノを買うときには全てと言っていいほど告知によって選びますな。クチコミにしろマスにしろ広い意味での「広告」で選ぶんですわ。
ギミックに惑わされなでくださいね。いや、惑わされてもいいんですが、惑わされたという自覚は持ってくださいね。消費者の意図にかかわらず一円は一円だ。ミーハーは許されるが、無知は時として犯罪ですぜ。
でもね、これは致し方ないことかも知れませんな。広告は今や詐欺寸前だ。せめて、自分はこれを買って、これを支持しているという自覚を持ってくださいね。それだけであなたはちゃんと社会の一員として認められた民主主義の主権者としての「市民=シチズン」になるんだから。
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(遠くに選挙演説が聞こえる新宿御苑にて、できる限りの自戒をこめて)

Posted: 金 - 9 月 9, 2005 at 03:28 午後      


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