ヤマタツ・オーバードライブ
緊張と弛緩の繰り返し等もあって体調を崩してしまい、これはきっと夏バテである、とか、いやぁこれは抑鬱症状態であるぞよ、とか、きっとそろそろ更年期障害である、などというまことしやかなウワサが流れ、自分的には、うーむ、どれも外れているようで当てはまっているようで、実際のところボクは今、どういう状態なのか誰か教えてくれたまえよ、第一メガネがないと自分では何にも見えへんでぇ、ワシのメガネ、メガネぇ・・・と床を手探りしつつ、この惨めな姿を自虐ネタにして何か笑いを巻き起こす小話の一つも生み出せぬものだろうかというもう一人の自分を無理矢理なだめながら、それでもどうしても思い出さざるを得ない、しかしあまり思い出したくない過去の事実に再び直面して戸惑うどころか、こうなったら開き直るしかないんじゃないのかい、という到底無理な注文を自分に課そうとして逆にもがき苦しむ羽目になり、夜はなかなか寝付けず、何とかウトウトしたと思ったら自分の寝言で目が覚め、目が覚めたら覚めたで頭痛に悩まされるということを繰り返し、仕事の打合せに行くのが億劫になり、当然仕事の進行にも支障をきたし始め、そのおかげでプライベートでも人に迷惑をかけたりしてしまったりで、これはもう大元の原因を一刻も早く突き止めて何とか対処しないといけないと思い、とりあえず散歩だよ散歩、若いうちに足を鍛えておけよ、歩け、歩け、いや!おまえさんはもう若いことおまへんでぇ、何せ更年期障害でっしゃろ、という天の声を上目に窺い、自転車でブラブラっちゅうのではあきませんか、なんぞええ効果がありますやろか、などとアホ面さげて通りを行ったり来たり、ヨーヨー運動を繰り返すうちに、これはもしかして自分の追い求める理想郷にたどり着く一歩手前の、つまりゴール直前の産みの苦しみっちゅうやつではないのか、などとこれまた自分にとって都合の良いように考える性格がムクムクと湧き上がり、もしかして世の中自分の思い通りに事が運んでいるんじゃなかろうか、ええ? もしかして世界はボクを中心に回っているんじゃないのかい、といった一歩間違えば危険思想の沼地に足元をからめ取られそうになりながらも、なんとか平静を装いつつ心の中では理想郷に思いを馳せてニヤニヤ、いやいや、これは決して他人には明かしませんよ、こういうのはね、一人で夜中にこっそりと楽しむもんですよね、などと考えていると二年ぶりくらいに友人から連絡が来て、某日某時間に新宿の某所へ来いと通達を受け、いやこいつはまいったなぁ、先約があったような気もするし、第一に今人と会って昔話なんぞをする気分ではないのだよ、どっちかっつうと一人引きこもりたい気持ちでいっぱいなんであるよ、と思ったんだけど、彼のその有無を言わせぬ一方的な口調もあって、え?えぇ?うーむ、分かったよ、とあまり気分も乗らないまま出かけてみると、彼は地下のライブハウスで凄まじい勢いでドラムを叩いていて、そればかりかギター、ベース、ドラムスを1ユニットとすると3ユニット、彼を含めて総勢9〜10人が入れ替わり立ち替わりでメドレーを繰り出す始末で、うわっ何じゃこれはっ!なんて口ポカでまたもやアホ面している間にも、ベース二本のみになったり、ギターとドラムスだけになったり、1ユニットスタイルになったりしながら、やがて少しずつユニットが融合していって、変拍子が絡み合い、ポリリズムがうねりながら、爆音と静寂の反復、彼方と此方のヨーヨー運動を繰り返しながら、あぁ理想郷なんてどうせアナロジーだろ、お前の考えそうな所っちゃあ、南極とか月面とかうすら寒いところばかりじゃねぇか、ヤマタッちゃんよぉ、と轟音で突っ込まれて、ぐはぁ、まったくおっしゃる通りでござい、ってなもんで、毎度いっぱいのお運びでこいつぁハナから縁起がよござんすねぇ、などとゴマをスリつつも内心は冷や汗のウラに血湧き肉躍る瞬間が確かに存在して、ああさすが我が良き友よ、だてに毎日一緒に仕事をしてたわけじゃなかったんだなぁ、君はもうすっかり別の仕事をしているわけだけれども、それでも一時期一緒に仕事をしていた間柄なんだなぁ、よぉし分かった、そっちがその気ならこっちにも考えがあるんだぜ、とあくまで強気を押し通す腹づもりでいるんだが、一方で弱みを握られている眉毛を目の前にした時とのギャップに今後は悩むことになるんだろうなぁなんてことを考えながら一人で甲州街道を自転車で暴走するヤマタツさんなのであるけど・・・
・・・なのであるけど、皆さんはお元気ですか。
Posted: 月 - 8 月 29, 2005 at 08:29 午後