住民監査請求書(豊明市長措置請求書)

1 請求の要旨

【事実関係について】

1)豊明市は平成14年8月29日、豊明商工会のプレミアム付き商品券発行事業に対し13,500千円(プレミアム分1千万円、事業費分350万円)の補助金交付を決定し11月に1,215万円を交付し、翌 平成15年3月17日に商工会より13,285千円の補助事業変更承認申請があり、同年4月23日に残額1,135千円を交付した。 

 事業目的は市内経済振興として、事業者と消費者のふれあいを深め地域の活性化を図ることである。(事実証明書目録 第1号)

 

2)商品券販売については、「市制30周年記念・プレミアム付き商品券発行事業実施要領」で一人3万円と上限を定め、商工会事務所、市商工課で20日間、他公共施設2カ所で5日間販売した。これは民間が行う事業であるので本来なら公共施設での販売、さらには市職員が販売することはあり得ないのだが、異例の対応をした。

 売れ行きはプレミアム付き商品券発行事業を実施した近隣市と比較し、予想外かつ格段に悪く、市はPR不足を反省している。

(事実証明書目録 第2号 第4号 第7号)

 

3)プレミアム換金状況については、個人自動車販売店に大きく偏り(全体の約22%を占める)極めて不自然で、3万円の限度額を超えて販売されたことが一因となっていると思われ、その点については市も認めるところである。

(事実証明書目録 第5号 第7号)

 

【不正疑惑について】

1)「市制30周年記念・プレミアム付き商品券発行事業実施要領」を大きく逸脱した販売・購入行為の疑いがある。

ある商工会員によれば百万円単位で旅行券を購入した会員、自動車を購入しにきた会員もいたとのこと。販売10日目辺りから、商工会幹部により百万円単位での購入斡旋の電話があったとも聞く。換金状況から見ても商品券の何割かはこの事務処理に権限を持つものの指示により一部の商工会員に大量販売されたと疑う他考えようがない。

やっと市民に商品券の情報が広がりはじめた頃には、大量販売されたあとで購入できず、購入の阻害につながった。

 

2)販売実績のない直接換金が行われた疑いがある。

議会特別委員会で危惧する意見が出され、他市ではこれを禁止する実施要項もあり、市は事前に資料として保持していた。しかし、要領には禁止事項を盛り込まれなかった。危険性が予測できたにも関わらず、禁止事項を定めなかった市の責任は重い。(事実証明書目録 第3号)

 

3)事業費補助の人件費補助に対する虚偽支出、業務外補助の疑いがある。

8月から翌2月の人件費補助551,344円については、無記名の明細書があり虚偽支出が疑われる。

以前より在職中の従業員給与を補助していることから、商品券以外の業務まで補助していた可能性が高い。(事実証明書目録 第6号)

 

【違法性について】

1)補助事業については地方自治法第232条の2[寄付又は補助]で「普通地方公共団体は、その公益上必要がある場合においては、寄付又は補助をすることができる。」とし、[実例・通知・判例]には「公益上必要かどうかの認定は全く自由裁量行為ではないから、客観的にも公益上必要があると認められなければならないものである。」と記している。

 30周年記念事業として市民に広く還元されるべきプレミアム商品券をその目的や要領に反し、意図的に一部の商工会員に大量販売されたこと、またそれを斡旋したことは、補助金の使い方として公平性に欠け、市民への裏切り行為であり、信頼を大きく失墜するものであると考える。

 

2)本件は補助事業が終了し公正性等確認する前に、補助額の9割を前払いすることとしたが、通例市の補助事業は、事業終了後の実績報告書の内容等を確認した上で補助金を交付することとしている。このことから見て、市には公益性・正当性・不正の有無については、特に適切かつ厳密な指導をする強い責任があったはずである。

 さらに、本件は平成15年9月議会でも一般質問されたが、市はその後も調査した様子はない。

 地方自治法第221条第2項[予算の執行に関する長の調査権等]で「予算の執行の適正を期するため、工事の請負契約者、…、補助金、…、を受けた者に対して、その状況を調査し、又は報告を徴することができる。」としていることから、疑うべき実態や支出について指摘がされたにも関わらず放置した市の責任は重いと考える。

 

3)豊明市補助金等交付規則 規則第34号 第14条 (交付決定の取り消し又は補助金等の返還)で定める要件の 

(1)交付の決定をする場合に付した条件又は市長の指示に違反したとき。

(2)補助金を目的以外に使用したとき。

(4)申請、報告及び施行等について不正な行為があったとき。

(1)に該当する行為があったことは明白な事実であり、(2)、(4)については疑うに十分な状況がある。

よって、同規則第13条(検査)の「帳簿等関係書類及び物件を検査することができる。」に基づいて、帳簿、換金済み商品券の検査をし、 販売方法についての不正な行為の有無(大量販売許可、指示の実態)を関係者から事情徴収する義務があると考える。

(事実証明目録第8号)

 

4)刑法247条第1項(背任罪)に

「他人のためにその事務を処理するものが自己若しくは第三者の利益を図りまたは本人に損害を加える目的でその任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」

とあり、成立要件として、主体は「他人の事務を処理するもの(商工会)」で、「本人(豊明市)との委託信任関係が必要とする。」との条件に合う。

この事業において販売方法等に権限を持つ商工会幹部が、自己もしくは第三者の利益を図る目的で大量販売を許可、指示したことが疑われる。

 

よって、補助事業の的確健全なあり方の実現を願って、本件を豊明市長に処置請求するもので、市長は不当な販売・購入・換金・人件費請求に関与した者に対し、損害を補てんすべく返還請求するよう求める。 

 

 

2 請求者  

代表者 住所 豊明市三崎町三崎3-13

氏名 丸山 了三  

他 7名  (別紙)

 

以上、地方自治法第242条1項により、事実証明書を添えて、必要な措置を請求します。

 

平成16年3月29日  豊明市監査委員 各位

 

別紙事実証明書目録

第1号 補助金等交付申請、補助金交付決定通知書、

    補助事業計画変更承認申請書、補助金等変更決定通知書

第2号 市制30周年記念・プレミアム付き商品券発行事業実施要領

第3号 刈谷市プレミアム付き商品券事業実施要綱

第4号 商品券販売実績表

第5号 プレミアム付き商品券換金表

第6号 商工会プレミアム付き商品券実績報告書に付された決算書、人件費明細書

第7号 平成15年度第3回定例議会 会議録

第8号 豊明市補助金等交付規則抜粋

 

住民監査請求補充書

第一 商工会プレミアム付き商品券実績報告書に付された

   「市制30周年記念・プレミアム付き商品券事業」

第二 市制30周年記念事業に関わる不正疑惑

第三 背任罪の解釈