2型糖尿病と1型糖尿病と臨床検査成績

2型糖尿病
中年以後(40歳〜60歳)に多く、日本では性差がありません。しかし、米国では女性の方が多く、45歳以上で子供を生んだ経験者に多く見られます。職業的にはストレスの多い職(管理職など)に多く、体を動かす仕事の方の方が少ないといわれています。戦争などで食料事情が悪くなると2型糖尿病は減少します。
 一般症状としては、多尿、多飲、口渇、脱力感、飢餓感、疲労感を示します。重症のケトーシスを起こした患者では呼気にリンゴの様な臭気がします。
 眼症状として、糖尿病性網膜炎糖尿病性白内障などを併発します。皮膚症状として、皮膚乾燥、糖尿病性皮膚黄変症、かゆみなどがあります。末梢神経症状(まっしょうしんけいしょうじょう)としては末梢神経痛、生殖器症状として男子のEDもしばしば見られます。
 病理学的所見として初期にはランゲルハンス島の水腫変性があり、やがてランゲルハンス島の繊維化やガラス様変性、β細胞の顆粒消失などがみられ膵臓が萎縮します。
 予防方法としては、遺伝的素因のあるもの相互間の結婚は避け、摂取カロリーオーバーにならない食事や、運動を心がける事等があります。

62才、男性、口渇、多飲、多尿、体重減少で来院した例
尿 検 査
尿糖(−) +++
尿ケトン体(−)
24時間尿糖 1.1g
血液生化学検査
空腹時血糖(70〜100) 185mg/dl
75g糖負荷2時間血糖値 284mg/dl
Hba1c(3.1〜5.5) 8.2%
総コレステロール(120〜220) 310mg/dl
 この患者さんは、口渇、多飲、体重減少で外来受診をした患者さんの例です。
  検査データでは尿糖は+++で、尿ケトン体は出ていません。24時間蓄尿した1日尿糖の排泄量も1.1gと著しく増しています。血液生化学検査では、空腹時血糖が185mg/dl、糖負荷2時間血糖値が284mg/dlと軽度から中程度に上昇しています。Hba1cも8.2%と高い数値です。
 この患者さんは2型糖尿病と診断されました。他には総コレステロール値の増加、糖尿病に高脂血症が合併していたそうです。

1型糖尿病
 多くは15歳以下で発病し、HLA、ウイルス感染、自己免疫機転などが関与します。体格は細型の人に多く、症状の発現が急激で重篤なタイプの糖尿病です。インスリンには感受性が大ですが、経口剤はほとんど効きません。進行が早く、ケトーシスを起こしやすい。全糖尿病患者中5パーセントを占めます。血中インスリン量は低下しており、生命の維持やケトーシスを防止するために、インスリン注射が絶対的に必要です。

臨床検査

 尿量が増加し、1日3リットルから5リットルにも達します。尿糖が1日1g以上になります。尿は酸性で、尿比重も1.030〜1.045と高調尿になります。
 尿中にしばしばケトン体が増加します。アシドーシスの著しい時にはタンパクの崩壊やアミノ酸の脱アミノの亢進とあいまって尿中アンモニアが増加します。尿糖排泄は1日のうちでも、食事や運動によって著しく変化するので、蓄尿中の糖について検査する方が正確です。
 血液では、早朝空腹時血糖、糖負荷血糖、Hba1cなどの上昇があります。血中コレステロール、中性脂肪(トリグリセライド)、遊離脂肪酸(NEFA)、血清リポタンパク、リン脂質が増加します。抗GAD抗体が1型糖尿病患者の50〜60パーセントに陽性となります。血中のインスリン濃度は1型糖尿病患者では低値または欠如します。




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