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#208
「Nuts & Bolts of QuickTime VR」はアメリカをはじめとして、シンガポール、マレーシアなど世界中を回っているセミナーで、日本では初の開催。講師はシカゴ出身のフォトグラファー Dennis
Biela氏である。彼は写真家でありKodakやアップルのカメラマンでもあり、QTVRの専門家でもある。特にクルマ関係には強いそうな。 セミナーは前後編に分けておこなわれた。前編はQuickTimeVRの事例集。後編はその実践。 セミナーの内容をなぞってもしょうがないので、面白そうな内容だけピックアップしてお伝えしよう。 ・彼は何を使ってパノラマムービーを作っているか Kaidan社の雲台にCANONレンズを装着できるデジタル一眼レフ。オーサリングはアップルのQuickTime
VR Authoring Studioだ(そういえば、バージョンアップしてよ>アップル)。 そうそうシンプルな実演として、EOS D30+14mmレンズを使い、会場でパノラマムービーを作って見せた。これがそのときの撮影風景なり。
VRTOOLBOX社のVR Worx 2.0である。オブジェクトムービーの撮影例としてKaidan社の自動回転式ターンテーブルとeBay社のソフトを組み合わせ、DVカメラで撮影して簡単にオブジェクトVRを作ってくれる「Spin
Image DV」(http://www.spinimagedv.com/)と、Kaidan社の手動回転式「Pixi
Turn Table」(http://www.kaidan.com/products/PiXi.html)を紹介。彼は前者を「デジタルターンテーブル」、後者を「アナログターンテーブル」と呼んでいるらしい。 で、彼は今スミソニアンの航空宇宙博物館QTVRを作ってるらしいのだが、火星探査機のバイキングのオブジェクトVRを作るために巨大な回転台を作ろうと思って寸法を測ってたら警備員に「触るな」と怒られ、回りにレールを敷いて等間隔で撮影しようと思ったら「ひっかかってキケンだからダメ」といわれ、しまいには「おれがそれにひっかかって転ぶ」とまでいわれたので泣く泣く「床のタイルの数を数えながら等間隔で手に小型デジカメを持って撮影した」と……まあ余談が面白いかどうかは別にして、要するに「撮影の型にとらわれるな。カメラの高さが一定していてほぼ等間隔で撮影できていればそれなりのオブジェクトVRは撮れるのだ」ってのがポイントだ。カメラの高さが重要なのは、回転させたときにオブジェクトが上下に揺れてはカッコつかないから。 もうひとつオブジェクトムービー関連の話として、彼が使ってるVRTOOLBOXのVRWorxの話が出た。実はこれのオブジェクトVRオーサリング機能はけっこう優れていて、上下のブレを抑える「De-wobble」やサウンドの追加、特定色を切り抜いて背景に写真やパノラマムービーを埋め込める「Matte機能」なんかがあっていろんなオブジェクトムービーを作れるのだ。 ちなみに「VRWorx」の日本語版は開発中だが遅れている、とのこと。そういえば春には「VR
Worx 2.5」でCubicVRがサポートされるとかいってた気がするんだが、どーなったのだ? まあいいや。 ちなみに、彼の結論とわたしの結論は一緒。パノラマムービーを作るなら「QuickTime VR
Authoring Studio」、オブジェクトムービーを作るなら「VR Worx」がいい。 ・彼はいかにしてCubicVRを作っているか やっぱ今回のポイントはここかな。 実はCubicVRを作るには2つの方法がある。 ハイクオリティのものを作るなら、デジタル一眼レフカメラに広角レンズを付け(今回はサンプルとしてキヤノンのEOS
D30に14mmのレンズをつけてた)、Kaidan社のCubicVR対応雲台で作成するというもの。彼が使っていたのはQuickPan Magnumってシリーズだが(http://www.kaidan.com/products/qps1.html)、廉価でシンプルなKiWiシリーズにも同等の製品が出ている(http://www.kaidan.com/products/kiwi+_spherical_2.html)。この雲台は水平方向の回転以外に、上下もサポートしているのが特徴だ。 でも仕事ではD30じゃなくて、KodakのEOS-1をベースにした「すんげー高い」デジカメを使ってる。35mmフィルムサイズのCCDを搭載したデジカメってことだ。その方が画角が広くて使いやすいからね。 それを使って、上45度、正面、下45度のそれぞれに対して12枚の写真を撮り(つまり、合計36枚だ)、専用のソフトでステッチしてCubicVRムービーをオーサリングしているのだ。 その機能を持っているのはRealViz社のStitcherというソフト(http://www.realviz.com/products/st/)。最近やっとMac版が出た。これはかなり優れたソフト(らしい)で、アバウトに撮った写真でもきれいにつないでくれるし、ドラッグ&ドロップでこれとこれをこうつなぐって指定していくだけでいいし、CubicVRも作れる。気になる価格は……ちょっと高くて「$495」(今年の8月末まで価格らしい)。デモ版もダウンロードできるので試してみるのもいいだろう。 わたしは実はNYのEXPOで買ってくるつもりなので(ブースを出すみたいなのできっと売ってくれるでしょう)、そのうちレポートする予定。 CubicVRのもうひとつの作り方は先週何気なく紹介した魚眼レンズを使ったもの。COOLPIX
990+ニコン純正魚眼レンズ+KiWi990という組み合わせ。 先週、読者からオリンパスからも魚眼レンズが出てたって指摘がきたが……実は知ってて無視しました。すまんです。C-900系のデジカメって機能的に画質的にも過去のモデルという認識があって、まあいいや、と。ご容赦アレ。C-3040zoom系に魚眼レンズが出るといいのだけどねえ。E-10でもうれしい。 まあともかく、魚眼レンズを使うと2枚撮るだけでOk。撮影時に重要なのは「ノーダルポイント」と呼ばれるレンズの中心(というか焦点というか)。要するに回転の中心軸をどこにするかってことで、それについてはこの連載で何度か取り上げているのでまあよいでしょう。 ちなみに魚眼レンズでポンポンと撮影した2枚の画像からCubicVRを作るフリーウエアが欲しい人は「わたしにメールをください」といってた。よってここでは紹介できないのであった。まあ現在知られているものとしては「PTSticher」(http://home.no.net/dmaurer/~dersch/Index.htm)が有名だが、パラメータを手で書かねばならないのでちと敷居が高い。わたしてきにはもっと簡単に作れてMacOSX対応の池田氏のFish2CubeX(先週軽く紹介したヤツ)が公開されるのを待つのもいいかな、と思う。
これ、誰しも気になるところ。彼はふだんは三脚の部分を黒く塗りつぶして文字を入れたりしてるらしい。でもどうしても真下の絵も欲しいときは、最後に真下の写真を撮っておき、Photoshopで合成するのである。まあそれはしゃあないわな。
これはちょっと面白い。VRとは直接関係ないのだが、QuickTime 5.0のメディアスキンを使ってQTVRムービーを見せてくれたのだ。メディアスキンについては「http://www.apple.co.jp/quicktime/products/tutorials/mediaskins/」に詳しく解説されているので参照するといい。けっこう簡単に作れそう。
ユニークな装置として、こんなのも紹介された。簡単にいえば、ドーナッツ型のイメージを一発で撮影して手軽にパノラマ画像を作っちゃおうというもの。クオリティは落ちるが、1回のシャッターで360度撮影できるので、動きが激しい場所でもピシッと撮れるし三脚もいらない。それが「The
SurroundPhoto reflector」(http://www.VRi.ca/myVR/html/mainwhat/whatis.html)である。価格も$69と安い。 ただ、これで撮ったものをオーサリングするにはひとつにつき「$6.99」かかる。払わないと、ムービー中に製品のロゴが入る。うーむ。ちょっとやってみたいのだが、$6.99は高いかも。
別途プラグインがいるけれども、ビデオVRも面白い。これはアップルじゃなくてBeHere社の技術(http://www.behere.com/ChangingTheWayYouViewTheWorld.htm)。ビデオカメラに「SourroundPhoto」のような半球形の反射板を付け、ビデオを撮影し、動画を上映しながらリアルタイムで360度回転させていろいろと見られるというもの。
せっかくなので、彼が披露してくれた仕事でパノラマパノラマVRを作るときの手順を紹介しておこう。
である。
では最後にオマケ。わたしが先日作成した世田谷八幡宮境内のCubicVRである。ちなみに、三脚の跡もないリアルCubicだ。もっとも足下はPhotoshopのスタンプツールをつかってシコシコと消したのだけどね(泣)。ファイルサイズは約210KBと小さいので、QuickTime
5をダウンロードし、ぜひCubicVRの世界を体験してみてくださいませ。 詳しい作り方は……近日中にやりたいと思ってます。撮影からレタッチでごまかすところまで。しばしお待ちを。
ちなみに、後ろにあるでかいわっかは「茅の輪」といって、世田谷八幡宮では6月30日と12月20日に大鳥居の中とここに設置される。正面より∞型にこの輪をくぐると悪疫を免れるんだそうな。みんなちゃんと∞型にこれをくぐってお参りをしてた。わたしもちゃんと∞の型でくぐってみた。
荻窪圭の近況
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200X年の温故知新
温故知新するにはまだ早すぎるのでコメントなし、だそうです。