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| 「源氏物語」 (五)若紫 | | 作成日時: Dec 11, 2004, 12:04 AM |
手に摘みていつしかも見ん紫の
ねにかよひける野辺の若くさ
二人の女、藤壺の宮と紫の上、単なる一時の女遊びではないのだが、そのくだりは、現代の道徳からは遙かに逸脱している。
母の面影をもつ、継母でもある藤壺の宮が身体の具合を崩し、里に下がる。光源氏はこのときとばかりに藤壺の宮に逢いに行く。
「世がたりに人やつたへんたぐひなく
憂き身をさめぬ夢になしても」
源氏の君とのことに藤壺の宮が、心痛し詠んだ歌。
しかし彼女は光源氏の子を身ごもってしまう。
一時、わら病みを患い、北山に病気治療に行く。そこの庵に藤壺の宮によく似た少女を見る。実際、藤壺の宮の姪っ子であった。それが紫の上。祖母とともに暮らしていたが、光源氏は自分の元に引き取りたいという、しかし、祖母は拒む。
その後、祖母が亡くなり、それまで離ればなれで暮らしていた父が引き取りに来ると聞いた光源氏は、強引に紫の上を自分のところに引き取ってしまう。
「かこつべきゆゑをしらねばおぼつかな
いかなる草のゆかりなるらん」
恥ずかしがりながら書いた源氏の君への返歌に、あどけなさと、だか未だ愛ともいえぬ、そう、信頼のような感情の芽生えが感じ取れる。
藤壺の宮のことが、紫の上の話のなかにぽつんと挟まっている。暦年で書かれた物語故、出来事をシンプルに並べている構成だ。この章は歌も多く、それを理解しなくては源氏物語の本質を見ることはできないと思う。しかし、口語訳とはいえ、先にも書いたとおり主語の欠落した文章はストーリーを追うのもやはりやっかいだ。潤一郎曰く、誰のことが語られているかを敬語の有無などでしめしているという。参考になる。 |
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